最低限の守りにして攻めの手を繋ぐ

上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲3四歩と打った局面。ソフトの評価値-521で後手有利。

先手が▲3五歩と打って△同銀に▲3四歩と垂らしてきました。

駒割りは桂馬と香車の交換でほぼ互角ですが、先手は歩切れなのと後手は9九に成香がいるので後手が少し指せているようです。

ただし、先手の▲3四歩も結構うるさい手で次に▲3三桂のような手もあるので後手は受ける形になります。

また先手から▲5五角のような狙いもあり、それらを見通しての受け方になります。

受け方のセンスが問われそうな局面ですが、しっかり受ける形にするか軽く受け流すような形にするかちょっと悩むところです。

実戦は△3二銀▲5五角△4四歩で、ソフトの評価値-4で互角。

この手順の△3二銀は自陣に金駒を埋めてしっかり受けるつもりで指しましたが、ソフトの候補手に上がっていませんでした。

自玉の近くを受けるときには金駒を増やすというのがよくあるのですが、本局に関してはよくなかったようです。

△3二銀は3三の地点を受けてはいるのですが、3三の地点は桂馬と銀で受けている形なので、将来先手が3三に駒を打ったら桂馬や銀との交換になる可能性が高いです。

玉が近くにいる形なので、3三の地点はしっかり受けないとすぐに寄り形になりそうです。

実戦は△3二銀に▲5五角と打って以下△4四歩と大駒は近づけて受けよの手筋ですが、▲同歩で自玉の近くがだいぶ攻められる形になりました。

先手の3四の歩と4四の歩の圧力が強くて、後手の優位が吹っ飛んだ感じです。

なおソフトは変化手順で△4四歩で△2二角を示しており、以下▲同角成△同玉▲5五角△4四歩で、ソフトの評価値-342で後手有利。

この受け方は▲5五角に△2二角と受けて▲同角成△同玉▲5五角と自ら相手の角の利きに入って受ける形で一見危ないのですが、▲5五角に△4四歩と受けて際どいで少し後手が指せているようです。

先手の角や飛車の利きがかなり際どいのですが、3五の銀と6一の飛車が受けに利いています。

後手は玉自らが3三の地点にも受ける形で、やや非常手段的な受け方です。

この△3二銀という受け方は頑張って受けるという手ですが、ソフトは△3二銀で△3二歩を推奨していました。

△3二銀では△3二歩がありました。

△3二歩▲5五角△2二香で、ソフトの評価値-535で後手有利。

この手順は△3二歩と下から歩を打って受ける手で、▲5五角には△2二香と安い駒で角成を受ける手順です。

この手順で興味深いのは3三の地点を下から歩を打って受ける形で、相手が3三の地点に駒を打っても△同歩として駒損になりにくいということです。

また△2二香と打つ手では△2二銀と受けると3三の地点も補強できるという考えもああるのですが、壁銀の形であまり受け駒として役に立っていないので香車で節約したとも言えそうです。

3三の地点は軽く受けるという指し方です。

△2二香以下▲3三桂△同歩▲同歩成△同桂▲3四歩△3二歩▲3三歩成△同歩▲2五桂△5四銀▲3三角成△3二歩▲3四馬△2四銀で、ソフトの評価値-1094で後手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲3三桂と打った手には△同歩とできます。

以下3三の地点での攻防となりますが、3二の歩のおかげで桂馬の交換で済むようです。

▲2五桂には△5四銀と角を催促して、▲3三角成には△3二歩と受ければ受かっているようです。

△2二香以下▲7七桂△9六歩▲6五桂△9七歩成▲同金△6四銀▲3七角△3六銀▲4六角△6五銀▲同歩△6六歩▲同金△5四桂で、ソフトの評価値-1147で後手優勢。

この手順は▲7七桂~▲6五桂で桂馬を活用する手ですが、後手は△9六歩~△9七歩成が歩を使って相手の陣形を崩す手順です。

以下▲同金に△6四銀と相手の角を攻めて以下△3六銀と遊んでいる3五の銀を活用して、△6五銀~△6六歩と叩いて後手優勢のようです。

守り駒を節約すると、その分持ち駒を攻めに使えます。

最低限の守りにして攻めの手を繋ぐのが参考になった1局でした。