上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲8六飛と歩を取った局面。ソフトの評価値+67で互角。
先手がダイヤモンド美濃に対して後手が銀冠穴熊の戦型です。
▲8六飛と歩を取った局面は先手から▲8四歩~▲8三歩成の狙いがありますので、後手は受けることになります。
その受け方が少し悩むところで、普通に受けたら△8三歩になります。
将棋を覚えると受けるときに△8三歩というのを最初に覚えるのですが、少しずつ手を覚えると△8三歩という受け方でなく別の受け方がないかと考えることになります。
△8三歩と受けると手堅いのですが、後手は8筋から飛車が移動すると▲8四歩△同歩▲同飛にように先手に飛車を活用されます。
よって後手は8二の地点に飛車を固定した戦いをせざるを得ない感じになりますが、手が限定されて指しにくいです。
その手で辛抱するかまた別の手を選択するかが少し悩む理由です。
実戦は△4五歩▲8四歩△9三桂▲8三歩成△8五歩▲9三とで、ソフトの評価値+74で互角。

この手順は△4五歩と位を取って▲8四歩に△9三桂と跳ねる手です。
先手が次に▲8三歩成を見せる前に△9三桂と跳ねて、相手の8筋の攻めを逆用するのはたまに出る筋です。
▲8三歩成△8五歩に▲同桂なら△8三飛で後手がいいのですが、▲9三とで桂馬を取る手がありました。
後手の飛車が8二にいるので▲9三とは飛車取りになっています。
先手が先に桂得しているので、この手順は後手が少し損をしたかもしれません。
▲9三とに△8六歩▲8二とと飛車を取り合う形になって後手桂損の形です。
先手の7七の桂馬は▲8五桂~▲7三桂成と活用できそうなので、ちょっと後手が駒損になりそうです。
この手順の受け方であれば、後手の8二の飛車は8一だったらあったかもしれません。
8一飛の形だと▲9三とが飛車取りにならないので△8六歩と後手は飛車を取ることができます。
ちょっとした形の違いですが、こういうところで形勢に差がつきはじめます。
△4五歩はソフトの候補手の1つでしたが推奨手ではありませんでした。
△4五歩では△8三歩がありました。ソフトの評価値+48で互角。

この△8三歩は手堅い受けで、これで先手から手があるかどうかです。
よくある筋は先手の持ち駒に角があれば、△8三歩以下▲9五歩△同歩▲9二歩△同香▲9一角△6二飛▲8四歩△同歩▲同飛のような手があります。
これは将棋の本などにもよく出る手筋ですが、相手の持ち駒に角はありません。
また別の手で気になるのが、△8三歩以下▲7四歩△同歩▲7二歩△7五歩▲7一歩成△2二金▲8一と△同飛で、ソフトの評価値-82で互角。
この手順の▲7四歩~▲7二歩もよくある筋で、▲7二歩に△同飛なら▲8四歩△同歩▲同飛で先手の飛車が捌けます。
よって後手は△7五歩~△2二金と辛抱して、▲8一とに△同飛と進み後手は桂損になります。
普通は桂損になれば駒損なので後手が悪いと思いかちですが、意外にも互角のようです。
ソフトで検討するようになると桂損でも互角ということがあり、このあたりも昔の先入観があると間違ったりすることもありそうです。
△8三歩以下▲4五歩△2二金▲4六角△3二金右▲4六角△4二飛▲6四角△4三飛で、ソフトの評価値+73で互角。
この手順はソフトの検討手順ですが、△8三歩に▲4五歩~▲4六角として先手は4筋の位を取って▲4六角から後手の飛車のコビンを狙う形です。
先手の4筋の位は結構価値が高く、将来▲4四桂や▲4四角などの狙いがあり含みの多い手です。
後手は自ら動くことができないので△2二金~△3二金右として辛抱しますが、角での飛車のコビン攻めには△4二飛と飛車を大転換して8筋は焦土作戦に出ます。
このような感覚も結構大事みたいで、8筋にこだわるのでなくどこかのタイミングで8筋は受けを放棄して玉側の方で駒を活用します。
盤面全体を使った指し方でこれも対抗形の醍醐味かと思います。
飛車先を手堅く受けるのが参考になった1局でした。