ひねり飛車に一段金で受ける


上図は、先後逆で先手ひねり飛車からの進展で▲5六銀とした局面。ソフトの評価値-61で互角。

ひねり飛車は昭和の時代の一時期に先手必勝の戦法としてあげられたことがあり、当時は有力な戦法でした。

平成になってからはひねり飛車を受ける方の駒組みが進んだこともあり、あまり指されなくなりました。

それはプロの先生の話であって、アマにおいては十分通用する戦法だと思います。

ひねり飛車を受ける方は玉があまり堅くならないので、受け方を間違えるとあまり勝負所もなく敗れることが多いです。

また主導権はひねり飛車側にあることが多く、自分の好きなタイミングで攻めやすいです。

ひねり飛車を受ける方は受けの力が必要で、自分は受け方がまずいことが多くあまりこの戦型を受けるのは好きではありません。

先手が▲5六銀と上がっていつでも仕掛けるタイミングを図っていますが、後手がどのような陣形で迎え撃つかがポイントになります。

実戦は▲5六銀以下△7二金▲9七角△2二玉で、ソフトの評価値-19で互角。

この手順の△7二金は6筋と7筋を補強する手で、この戦型の受け方としては自然かと思っていました。

以下▲9七角に△2二玉と入城してどうかという形です。

この手順は何の疑問もなく指したのですが、△7二金はソフトの候補手に上がっていませんでした。

後手の6一の金をどのように活用するかが、後手の受け方で悩むところです。

6筋と7筋の補強なら△7二金で、5筋と6筋と7筋の補強なら△6二金で、玉の近くで5筋と6筋の補強なら△5二金になります。

どれもメリットとデメリットがありますが、最初の局面図でソフトは△1四歩を推奨していました。

△1四歩に▲6五歩なら△同歩▲同銀△6四歩▲7四歩△6五歩▲7三歩成△7五歩で、ソフトの評価値-379で後手有利。

△1四歩ですがこの手は受けが強くないとなかなか指せません。

相手に攻めても大丈夫ですよと言っているのと同じです。

△1四歩に▲6五歩はやや無理筋なのですが、ひねり飛車の狙いの1つです。

▲6五歩に△同歩▲同銀に、後手は自然に対応して△6四歩と打ちます。

△6四歩に▲7四歩と踏み込んでどうかですが、△6五歩▲7三歩成に△7五歩が受けの手筋です。

先手は銀損して7筋突破を目指したのに対して、△7五歩が大駒を近づけて受ける手で▲同飛なら△6四銀という感じです。

このような形になり以下飛車交換になると、後手は6一の金が相手の飛車の打ち込みに強い形で、局面によっては△5二銀と△6一金の組み合わせや△7一歩と△6一金の組み合わせや△5一金は後手はしっかりしています。

△6一金の形は上部の受けには役立っていませんが、飛車の打ち込みに対応できるのがメリットです。

よって△1四歩に先手は▲9七角としますが、そこで後手は△2二玉とします。

△1四歩以下▲9七角△2二玉▲6五歩△同歩▲同銀△6四歩▲7四歩△6五歩▲7三歩成△同桂▲同飛成△7二金で、ソフトの評価値-123で互角。

この手順は△1四歩に▲9七角として攻めを手厚くする手です。

後手は△2二玉と入城してその前の△1四歩と突いた手を活かします。

△2二玉と入城することで守りは堅くなったので、飛車交換にもさらに強く戦えます。

先手は▲6五歩から動いた手に後手は自然に対応して、△6四歩に同じように▲7四歩から動いてきます。

以下△6五歩▲7三歩成△同桂▲同飛成に△7二金と上がってどうかという形です。

普通は銀と桂馬の交換でも相手に龍を作られるとよくないとぱっと見で思いがちですが、この場合は△7二金と受けた形がしっかりしているのでいい勝負のようです。

△7二金以下▲7六龍△6四銀打▲5六桂△7五歩▲8六龍△7三金で、ソフトの評価値-194で互角。

この手順を見ると、やはり将棋はある程度精度のいい手を指すと簡単には決まらずねじり合いみたいな形になるようです。

ひねり飛車に一段金で受けるのが参考になった1局でした。