意外な手順でバランスをとる

上図は、後手1手損角換わりからの進展で△2四歩と打った局面。ソフトの評価値+309で先手有利。

1手損角換わりに先手が早繰銀からの進展で、先手が2筋の歩を交換して△2四歩と打ってきました。

よくありそうな局面ですが、自分が先手をもつとここから受け間違えるのが多いような戦型で特に2筋~4筋の受け方で苦労することが多いです。

後手の圧力の前にうまく対応できず後手に突破されるというパターンです。

このあたりは同じような失敗を繰り返しているような感じで、過去の対局を振り返っても気がついたら悪くなっていたことが多いです。

ソフトで検討する前は全く見直すこともなかったのでどこが原因が分かっていなかったのですが、ソフトで検討すると原因が分かるのが大きいです。

この局面はソフトは先手有利になっていますが、ほとんど互角に近い評価値です。

実戦は△2四歩以下▲7七銀△4五歩▲3七銀△3六歩で、ソフトの評価値+583で先手有利。

この手順は▲7七銀と壁銀を解消した手に後手が△4五歩~△3六歩と動いてきた展開です。

対局中は△3六歩をうっかりして先手が失敗したと思っていたのですが、逆に形勢は先手有利だったようでこれはまた別の機会に調べてみます。

▲7七銀では▲5五銀もありました。ソフトの評価値+468で先手有利。

この▲5五銀がソフトの推奨手だったのですが、あまり見たことがないような手でぱっと見で狙いが分かりにくいです。

▲5五銀と出て次に▲4四銀としても成立しているか微妙ですが、単騎の銀なのでやや単調にも見えます。

含みを残した銀だと思いますが、数手先まで調べないと効果が分かりにくいです。

▲5五銀に△3三桂なら▲7七銀△3六歩▲7九玉△2五桂▲4八金で、ソフトの評価値+314で先手有利。

この手順は自分にとって興味深い先手の指し方です。

後手は△3三桂~△3六歩とするのは狙い筋で、自分だけ桂馬を活用して先手の2九の桂馬を抑えるような指し方です。

その間に先手は▲7七銀~▲7九玉として壁銀を解消して玉を深く囲います。

先手は玉を少しでも堅くしてカウンター狙いのような指し方です。

後手の方が駒が前に進んでいるのですが、玉が居玉で手がつけば早いので一長一短です。

後手は△2五桂と跳ねて次に△3七歩成を狙ったのに対して先手は▲4八金とします。

この局面が先手有利というのが結構難しく、自分の棋力だとぱっと見で先手が少しまずいのではと思っていました。

読みが入った状態とぱっと見では形勢判断の理解度が違ってきます。

▲4八金に△3七歩成なら▲同桂△3九角▲3八飛△4八角成▲同飛△3七桂成▲6八飛△4七成桂▲3六角△4五桂▲4七角△5七桂成▲8三角成△6八成桂▲同銀で、ソフトの評価値+514で先手有利。

この手順は▲4八金に△3七歩成~△3九角で、以下角と金桂の交換の2枚替えで後手が大成功に見えます。

駒の損得だけいえば先手が駒損なのですが、先手は玉が深いのと持ち駒に角が2枚あるのが主張です。

以下後手は成桂を活用して先手の飛車を取る展開で、駒割りは飛金と角桂の交換で後手がだいぶ駒得しているのですが、形勢判断はというと意外にも先手有利のようです。

形勢判断の要素に駒の損得があり、これが結構重要と思っているのですがそれもケースバイケースで、先手は馬と持ち駒に角桂桂と歩が3枚と攻めやすい駒がそろっているのが意外と大きいようです。

もちろん先手有利といっても相手は飛車をもっているので大変で、このような局面を見るとやはり将棋を理解するのは難しいという感じです。

先入観やぱっと見だけでなく読みが入ってないと、正しく形勢判断はできないという感じです。

なお最後の局面図の▲4八金では▲3八金の受け方もありますが、今度は△3七角▲同桂△同歩成▲同金△同桂成と似たような手順になります。

意外な手順でバランスをとるのが参考になった1局でした。