上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲3五歩と突いた局面。ソフトの評価値-92で互角。
先手があまり見ない形から▲3五歩と仕掛けてきました。
局面によっては居玉で攻める場合や▲6八玉型で攻める場合などがありますが、▲7八玉型は比較的少ない印象です。
角換わり腰掛銀で攻める方がやや急戦形を選択する場合は、自玉の囲いをできるだけ省いて攻めることになります。
見慣れた形での仕掛けに対しては、ある程度見たことがあるのでこんな感じかなと思い出すことはあるのですが、見慣れない形はその場で考えることになります。
対局中は仕掛けは少し無理っぽいのかと思っていましたが、実際に対応を考えるとそうでもないことに気がつき、このような先手の指し方があるのかと少し驚きました。
▲3五歩は攻めるならこの形で、▲4五桂と跳ねる前に3筋の歩を突き捨てて味付けをします。
▲3五歩に△同歩はほとんどない指し方で、部分的な受けは△4四銀になります。
△4四銀は4五の地点を2枚の銀で守る形で、▲3四歩と取り込めば△3六歩と打つのが狙いです。
この攻め方は先手がやや失敗というイメージがあるのですが、局後に気になっていた先手の攻め方です。
実戦は▲3五歩に△4四銀で、以下変化手順で▲3四歩△3六歩▲4五桂△同銀直▲同銀△同銀で、ソフトの評価値-58で互角。

この手順は先手が桂損になりますが、後手は歩切れになっています。
普通は桂損の攻めはやや失敗で、次に△3七歩成とと金を作る手も見えています。
ここで先手の手番なので攻めを継続しますが、これも実際に対応すると意外と大変だったようです。
後手が意外と大変な理由は△3七歩成には▲1五角~▲3七角でと金を取られるため、と金作りが成立しません。
よって後手は先手の攻めに対応するような指し方になります。
△4五同銀に対して先手は有力な手が2つあります。
1つは△4五同銀に▲4八飛です。
△4五同銀以下▲4八飛△4六桂▲3五銀△3七銀▲4七飛△2九角▲5五角で、、ソフトの評価値-31で互角。
この手順は▲4八飛と銀取りにする手で、後手は歩切れなので少しひねった受け方になります。
▲4八飛に△4六桂と金取りに桂馬を打つのですが、次に△5八桂成とはできません。
飛車の利きで△5八桂成には▲4五飛△5一玉▲5八金があります。
よって後手は一時的な受けですが、▲3五銀には△3七銀ともたれるような受け方をします。
歩切れというのは受けるときにやや受けづらく、別の持ち駒で飛車を責めながら受けるという感じです。
△3七銀に▲4七飛に△2九角と飛車を狙いますが、▲5五角がなかなかの手で▲1一角成を受けることができません。
将棋は互角のようですが、攻める方からすれば多少のリスクがあってもそれを承知で攻めているので気分は悪くないはずです。
もう1つは△4五同銀に▲4四角と打つ手です。
△4五同銀以下▲4四角△3七歩成▲1一角成△2八と▲2一馬で、ソフトの評価値-195で互角。

この手順は△4五同銀に▲5五角と打つ手で、これが意外と受けにくいです。
▲5五角に△2二銀とか△2二桂とすれば▲1一角成を防げるのですが、壁になる受け方で▲4八飛と回られると次の▲4五飛が受けにくいです。
これは後手の歩切れをついています。
よって▲5五角に後手は△3七歩成から飛車を責める形ですが、先手は飛車を見捨てて▲1一角成~▲2一馬という展開です。
▲2一馬の時点の駒割りは飛車と香車の交換で後手が大きく駒得していますが、先手から次に▲4四桂のような手がうるさいです。
先手が少し無理気味に攻めてこの展開なら仕掛けた価値はありそうで、▲2一馬に△8六桂のような手がとんできますがそれでも十分勝負形のようです。
先手の駒組みからの仕掛けは、ひょっとしたら成立しているのかもしれません。
機会があれば今度は逆をもって試してみたいと思います。
意外な駒組みから仕掛けるのが参考になった1局でした。