上図は、角換わりからの進展で△5四角と打った局面。ソフトの評価値+485で先手有利。
後手が△2七歩▲同飛に△5四角と打った形で、部分的にありそうな手の流れです。
とりあえず飛車取りなので先手は受ける形ですが、どのように受けるのかという局面です。
後手は△8七角成を狙っており、それに対して先手がどのように対応するかというのと、先手は▲2三歩成のような手も狙っておりそのタイミングがあるかなどが気になります。
ソフトは先手有利になっていますが、実戦的にはまだこれからで有利という感覚は全くありません。
実戦は▲2五飛だったのですが、そこから変化手順で△1四銀▲7五飛△8七角成で、ソフトの評価値-140で互角。

この手順の▲2五飛ですが、飛車取りを避けて横に受けが利く形なので自然な手かと思っていました。
ここからは変化手順ですが、▲2八飛には△1四銀と受ける手があったようでこれが飛車取りでかつ▲2三歩成を受けています。
このような手が見えにくく、飛車が敵陣の近くにいったため△1四銀という手が生じました。
大駒は遠くから睨む方がいいのですが、敵陣の近くになるほどあたりが強くなってきます。
△1四銀に▲7五飛も部分的に味のいい手ですが、このタイミングで△8七角成とするのが面白いです。
この形はよく見ると、5九の玉と7五の飛車の位置関係で次に△8六馬という手が生じるのが盲点です。
△8七角成の瞬間に先手からうまい手があればいいですが、その後の展開が気になります。
△8七角成に▲8三歩△同飛▲7二角△8六馬▲4八玉△8四飛で、ソフトの評価値-545で後手有利。
この手順は▲8三歩~▲7二角とする手ですが、本当は持ち駒に歩がたくさんあれば▲8三歩~▲8四歩~▲8五歩で飛車の利きを止めたいです。
現状は持ち駒に歩が2枚しかないのでその筋ができないため、▲8三歩~▲7二角とします。
部分的にはこれでうまく切り返したようでも、後手から△8六馬~△8四飛をかわすと7二の角が少しゆがんだ形になって後手が少し指しやすいようです。
最後の△8四飛というのが少し見えづらいです。
先手からは▲2三歩成の筋が消えて、後手の馬と飛車が働く形なのでちょっと先手が損をした感じです。
最初の局面図で▲2五飛ではソフトは▲3六歩を推奨していました。ソフトの評価値+504で先手有利。

この▲3六歩は飛車取りを普通に受けた手ですが、依然として▲2三歩成の狙いが残っています。
後手から△8七角成の筋はありますが、どちらが厳しいかという形です。
▲3六歩に△8七角成なら▲8三歩△同飛▲5六角△8六飛▲2三歩成△7八馬▲同角△8八飛成▲6九銀△7七歩▲5六角△4四金▲1二とで、ソフトの評価値+308でで先手有利。
この手順は△8七角成と攻めてきたときに▲8三歩~▲5六角が攻防の手のようです。
角を使って将来▲7八角とできるような受けの手を用意しています。
後手は△8六飛~△7八馬~△8八飛成と飛車が成りこみ勝負形です。
それに対して先手も▲2三歩成が金取りで相手の玉の近くなので相当価値が高い手ですが、簡単に▲3三ととしないのが興味深いです。
▲3三とで金が取れるのですが、△同桂の形が後手から桂馬の利きで2筋に歩を連打して飛車成りを防ぐことができます。
それで先手は▲6九銀と受ける形ですが、後手も△7七歩からの細かい攻めで先手有利のようですがまだまだ大変です。
このような戦いを見ると将棋は決して簡単ではなく、その場その場でできるだけ精度のいい手を選択して形勢を損ねないことが大事なようです。
▲3六歩に△2二歩なら▲6五銀△6七銀▲同金△8七飛成▲5四銀△同歩▲5八銀△8九龍▲4八玉で、ソフトの評価値+747で先手有利。
この手順は△2二歩と妥協した手ですが、▲6五銀と角と取る形で先手有利のようです。
できるだけ飛車を遠くから活用するのが参考になった1局でした。