上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3七同歩成と桂馬を取った局面。ソフトの評価値+147で互角。
駒の損得はありませんが、先手は歩切れで後手が3歩持っています。
持ち駒に歩がないというのは細かい攻めができにくいのでできれば避けたいのですが、展開上やむを得ずこのように進むこともあります。
ただし、そのような状態でも意外と細い攻めというのはあるもので本局の次の手は全く気がつきませんでした。
実戦は▲1一飛△2八飛成▲1二飛成△8五歩で、ソフトの評価値+175で互角。
この手順の▲1一飛は普通に指すならこのような手で、以下後手も△2八飛成としていつでも△7八龍とする筋を睨んでいます。
▲1二飛成に△8五歩と突くのは8四に空間あいて後手も怖い形ですが、先手の8七の銀がいなくなると△7八龍という手が生じますので一長一短です。
ソフトの評価値は互角ですが、先手としては7八の金を龍で狙われるのがプレッシャーのかかる形で、可能であればそのような展開になる前に手を作りたいです。
そのような意味で▲1一飛では▲7五歩がありました。ソフトの評価値+222で互角。

この手順は▲7五歩と後手の桂頭を狙う手ですが、先手の持ち駒に歩はありません。
また6四に銀がいるので7五の地点は補強されているので、余計▲7五歩というのは見えにくいです。
▲7五歩に△同歩なら▲7四桂で、ソフトの評価値+652で先手有利。
この手順の▲7四桂は角と銀の両取りで、さすがにどちらかが取れる形は先手有利になるようです。
やはり後手玉の近くの駒をはがすのは形勢に大きく影響するようです。
また▲7五歩は次に▲7四歩と歩を取り込んでの桂取りになるので、後手は△7五同銀とします。
▲7五歩以下△同銀▲同馬△同歩▲7四桂△2九飛成▲6二桂成△同金寄▲3五角で、ソフトの評価値+422で先手有利。

この手順は△7五同銀としたのですが、あっさりと▲7五同馬~▲7四桂とするのが手の流れのようです。
少し遊んでいた馬を活用できて、▲7四桂とした形は角か銀のどちらかが確実に取れます。
スピードアップしたような展開で、これだけ見ると先手が指したい手を指したという感じです。
▲7四桂に対して△2九飛成としましたが△2八飛成の方が7八の金を直接狙う形で、本来はこちらを指したいです。
△2八飛成には▲6二桂成△同金寄に▲1七角と打たれるのが気になります。
▲1七角と打たれたときに後手が龍をどうするかが難しく、龍は敵陣にいた方が相手の玉に脅威を与えるのですが、△1九龍▲6二角成△同金のような形で後手玉の守りが弱体化するので指しにくいです。
そのような意味で△2九龍としたのですが、▲6二桂成△同金寄に▲3五角が攻防の手になります。
▲3五角はいつでも▲6二角成とする手と、自陣の受けに役立っているのが大きいです。
先手はやや駒不足なので、ゆっくりした展開だと▲1一飛~▲1二飛成と香車を補充して▲7四香のように相手の歩の裏側から攻めるというのが1つの理想です。
飛車と角と銀と香車の4枚で攻める形です。
後手もどこかで攻めることになると思いますが、後手が攻めると先手の持ち駒に歩などが入る形になりやすいのでそのあたりのバランスを取りながら指します。
▲3五角以下△6九角▲3二飛△7八角成▲同銀△6一金打▲6二角成△同金寄▲3五角△7一角▲6二角成△同角▲5二銀△7二金▲7四金で、ソフトの評価値+712で先手有利。
この手順は▲3五角以下に後手はゆっくりした手は指せないということで△6九角と打ちましたが、先手の7八の金を狙うのがやはり急所のようです。
先手の▲3二飛に△7八角成~△6一金打が、先手玉を薄くして自玉を固めるという意味では実戦的です。
ただし、先手も▲6二角成~▲3五角と再度6二の金にアタックするのが急所のようでこれで先手が指しやすいようです。
相手の守り駒の金を狙って指すのが参考になった1局でした。