歩の裏側に桂馬を打って手を繋げる


上図、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△8五歩と突いた局面。ソフトの評価値+178で互角。

先手は銀冠穴熊ですが、急所の△8五歩と突いてきました。

銀冠の形は銀の頭を狙うのがよくある筋で、8七の銀がいなければ△7八龍と金を取ることができます。

そのような意味で狙い筋なのですが、この瞬間に8四の地点に空間があくのでそこで先手に攻められる形になりやすいです。

対局中は△8五歩に受けてもきりがないと思い攻め合いに出ました。

実戦は▲8四香△8六歩▲8二香成△同玉▲8六銀△7八龍▲7七金で、ソフトの評価値-918で後手優勢。

この手順は8四の空間に▲8四香と打って以下駒の取り合いになります。

▲7七金の局面の駒割りは金と銀の交換でほぼ互角ですが、形勢は後手の方がよかったようです。

対局中は分かっていませんでしたが、▲7七金には△8八龍がありました。

△8八龍▲同玉に△8三香が自陣を固めると同時に、次に△3五角という狙いがあります。

△8三香に▲8七歩なら△3五角が△7九銀からの詰めろになり、以下▲4六桂△6八金▲7九銀△同金▲同玉△4七とで、ソフトの評価値-1862で後手勝勢。

この手順は△3五角に▲4六桂と非常手段的な受け方ですが、平凡に△6八金とされると後手勝勢です。

△8三香に▲3一飛なら△6八銀▲8五歩△同香▲8四桂△7七銀成▲同玉△6五桂打▲同歩△同桂で、ソフトの評価値-1437で後手優勢。

この手順は▲3一飛は△3五角の筋を消しつつ、どこかで7三の桂馬がいなくなれば▲6四馬~▲7一飛成を狙う意味で油断のならない手ですが、△6八銀と引っかける形で後手が指せているようです。

やはり後手は△8三香と打った形がしっかりしているので、先手は▲8五歩のような手で後手玉に攻め手がかかる形にしたいのですが、後手の攻めの方がやや厳しいようです。

▲8四香では▲8四桂がありました。

▲8四桂△8六歩▲7二桂成△同金▲5二馬△8七歩成▲同金△5三銀で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は8四に打つのは桂馬にすることで、実戦とは全く違う形になります。

後手に桂馬を渡すか香車を渡すかの違いや、先手は金を取るか銀を取るかなどの違いで全く別の将棋になります。

このあたりが面白く△5三銀と引いた局面の駒割りは金香と銀桂の交換でほぼ互角です。

後手陣は金がなくなったことで少し形が崩れましたが、△5三銀と引いた形は結構粘り強いです。

また先手の囲いは銀がいなくなりましたが、金駒3枚で守っており持ち駒に金があるのでこちらも粘りがききます。

△5三銀以下▲7七金右△8五桂打で、ソフトの評価値+45で互角。

この手順の▲7七金は△7八銀を防いだ手ですが、△8五桂打と桂馬で守りの金を攻める形なので難しい手です。

△8五桂打に▲8六香なら△8四歩▲7九金△7七桂成▲同金△7一金打で、ソフトの評価値-474で後手有利。

この手順は▲8六香と打って攻め味を見せたのですが、△8四歩と下から歩を打つと継続して攻めを続けるのが危険です。

よって▲7九金と受けに回りましたが、△7七桂成~△7一金打ちと玉を固めて後手が少し指せているようです。

△8五桂打に▲8六金右なら△7八銀▲7九香△8七銀成▲同金△6七桂▲7八金△8六歩▲同金△7九桂成▲同金で、ソフトの評価値-33で互角。

この手順は▲8六金右と4段目に金が上がる手で、守りの金が4段目に上がるのは普通は玉が弱体化しやすいので指しにくいです。

△7八銀には▲7九香と打ちつけて香車を守り駒として使います。

後手は△8七銀成としましたが、▲同金と4段目の金を3段目に引いて粘る形です。

なかなか先手に攻めの手番が回ってきませんが、将棋は結構難しいみたいです。

歩の裏側に桂馬を打って手を繋げるのが参考になった1局でした。