継ぎ歩で十字飛車を狙う

上図は、角換わりからの進展で△7四角と打った局面。ソフトの評価値+896で先手優勢。

後手が△7四角と打って間接的に2九の飛車を責める形です。

また後手は次に△6二飛と回って▲4三角成△同金という狙いもあり、7四の角が8三の地点も補強しています。

そのような意味で対局中は△7四角は味のいい手を指されたと思っていたのですが、この手はソフトの候補手に上がっていませんでした。

ここで先手の手番ですが、7五の銀が浮いているのである狙い筋があります。

その狙い筋を実現するのに、先手は直接的にするか間接的にするかで局面が違ってくるようです。

本局は直接的な指し方をしました。

実戦は▲2五飛△6四銀で、ソフトの評価値+509で先手有利。

この手順は▲2五飛と浮いて次に▲5三桂成△同金▲7五飛を狙った手ですが、やや指し手が単調で△6四銀と引いて受けられました。

△6四銀の局面も先手有利のようですが、7五の銀を取る筋がなくなったのは少し痛いです。

▲2五飛では▲2四歩がありました。

▲2四歩△同歩▲2五歩で、ソフトの評価値+937で先手優勢。

この手順は▲2四歩~▲2五歩の継ぎ歩で、△同歩と取らせると将来▲同飛が王手になります。

歩を使って飛車を2五の位置に移動する指し方で、▲2四歩に△6四銀は▲2三歩成△同金▲4三角成があります。

また▲2五歩に△3一玉と引く手はありますが、▲2四歩△2二歩▲2三歩成△同歩▲4三角成△同金▲2三飛成△3三桂▲2二歩で、ソフトの評価値+1073で先手優勢。

この手順は後手は△3一玉~△2二歩と辛抱したのですが、▲2三歩成~▲4三角成~▲2三飛成が平凡ながら厳しく、角と金の交換ですが飛車を成りこんで先手優勢のようです。

よって後手は分かっていても▲2五歩には△同歩とします。

▲2五歩以下△同歩▲5三桂成△同金▲2五飛△2四歩▲7五飛△7三歩▲3四角成で、ソフトの評価値+880で先手優勢。

この手順は△2五同歩に▲5三桂成と先に桂馬を捨てるのがうまいです。

▲5三桂成△同金に▲2五飛が王手銀取りになるという手の流れです。

ここで注意するのが▲5三桂成と先に桂馬を捨てるのが急所で、これを▲2五同飛とすると△2四歩と打たれて▲同飛△2三歩▲2五飛△6四銀となり、後手の銀が逃げられてしまいます。

▲5三桂成△同金▲7五飛△7三歩で、駒割りは銀と桂馬の交換で先手が駒得です。

▲5三桂成に△同銀は▲7五飛△7三歩に▲7四飛△同歩▲5五角の王手飛車があります。

よって▲5三桂成には△同金としています。

攻めの桂馬と守りの銀を交換するので先手としては理想的な展開です。

以下▲3四角成と馬を作って先手優勢ですが、ここからの指し手も調べてみます。

▲3四角成△3三銀▲6一馬△6四金▲7四飛△同歩▲2三歩△同玉▲2五歩△同歩▲2四歩△同銀▲7一角△9二飛▲4四角成△3三歩▲4三銀で、ソフトの評価値+879で先手優勢。

この手順は△3三銀に▲6一馬と潜り込んで次に▲7一馬を狙ったのですが、△6四金が勝負手で先手は▲7四飛と飛車と角の交換をします。

以下▲2三歩から後手玉の玉頭を狙う形で、歩の使い方が参考になります。

ただし、後手から△2九飛と打たれた時に後手玉を寄せにいくのか、自玉の受けに回るのかを考えておかないと反動がきついので要注意です。

▲3四角成△3三銀▲3五馬△4四歩▲6六銀△3四歩▲2六馬△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲3五歩△同歩▲5五飛△5四歩▲3五飛△3四歩▲3九飛で、ソフトの評価値+1065で先手優勢。

この手順は後手は△3三銀~△4四歩と辛抱する手で、先手も直ぐに決めにいくのは大変なので▲6六銀と盤上の駒を使っていきます。

後手は8筋の歩を交換するくらいですが、先手は▲3五歩と3筋に手をつけて以下飛車を右側の方で使う形です。

これらの展開を見ると、やはり実戦よりはるかによかったようです。

継ぎ歩で十字飛車を狙うのが参考になった1局でした。

玉の逃げ道を塞ぐ手で寄せる

上図は、後手1手損角換わりからの進展で△4五銀と出た局面。ソフトの評価値+1332で先手優勢。

3四の銀が△4五銀と出た形で、このように駒を捨てるような手を指されるとぱっと対応できないところがあり、うっかししやすいところです。

実戦は▲4五同馬△7五飛▲8八玉△4五飛で、ソフトの評価値-585で後手有利。

この手順はお粗末すぎたのですが、▲4五同馬に△7五飛と打たれて初めて王手馬取りに気がつく感じです。

相手の持ち駒をよく見ずに駒を取る手は今後も気をつけたいです。

うまく指せば後手玉が寄りそうな形をしているので、このような局面の指し手の精度はかなり大事です。

▲4五同馬では▲8一馬がありました。

▲8一馬△5五飛で、ソフトの評価値+2844で先手勝勢。

この手順は▲8一馬と敵陣深くに馬を潜り込む手で、これが▲5二金からの詰めろになっています。

後手は受けるとすれば△5五飛と打ちますが、これで先手がどのように勝勢から勝ちにもっていくかという形です。

△5五飛は将来△7五飛のような手ありますが詰めろを受けた手なので、これで先手はだいぶ安心します。

ただし、ここから後手玉を寄せるのが意外と難しいという感じです。

この局面から一気に後手玉を決めにいこうとするとあやしくなりそうです。

後手は9四に角がいますので、▲7二金は△同角で無効です。

△5五飛に▲5二金なら△同歩▲同と△同飛▲同桂成△同玉▲4五馬△3八成銀▲同金で、ソフトの評価値+880で先手優勢。

この手順は先手は▲5二金から決めにいって▲4五馬と銀を取る形ですが、その局面は後手玉に詰めろはかかっていません。

後手は△3八成銀として▲同金に局面は先手優勢ですが、だいぶ評価値を下げたようです。

△5五飛に▲9一馬なら△3八成銀▲同金△5七飛成で、ソフトの評価値+174で互角。

この手順は▲9一馬と香車を補充して考えられる手ですが、△3八成銀~△5七飛成と進むと受けに使った飛車が逆に攻める形になっているので先手大変です。

そのような意味で△5五飛の局面の次の先手の指し手はかなり大事です。

△5五飛以下▲8二金で、ソフトの評価値+2861で先手勝勢。

この手順の▲8二金ですが、この手は詰めろではありません。

次の狙いが分かりにくい手ですが、▲8二金に△3八成銀なら▲4五馬△同飛▲5二銀△同歩▲同とで詰みです。

▲8二金は後手が7筋に逃げるのを防いだ手のようです。

▲8二金に△3三金なら▲4五馬△同飛▲5二銀△同歩▲同とで詰みです。

この手順は△3三金として次に△4四金と攻めの桂馬を取りにいった手ですが、▲4五馬~▲5二銀の寄せがあります。

▲8二金に△3四銀なら▲8八玉△3八成銀▲同金△7二銀▲9一馬△5四飛▲5六香で、ソフトの評価値+99975で先手勝勢。

この手順は△3四銀と質駒の銀を逃げて局面を複雑にする手ですが、▲8八玉の早逃げがうまいです。

後手は△3八成銀と銀を補充しますが▲同金で△5七飛成が王手になりません。

△5七飛成なら▲7二銀△同角▲同馬まで詰みです。

よって△7二銀と受けたのですが▲9一馬と香車を取る手が何気に厳しいようで、△5四飛として次に△4四飛で桂馬を取りにいきますが、▲5六香が取ったばかりの香車を飛車取りに打つ手で、後手は5一に歩があるため受けがありません。

▲5六香に△4四飛は▲5二銀△同歩▲同とで詰みです。

▲8二金に△3四銀なら▲8八玉△3八成銀▲同金△6三銀打なら▲9一馬△5七飛成▲8一馬△5三龍▲8三香で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は△3八成銀~△6三銀打と粘る形ですが、先手は▲9一馬と香車を補充します。

後手は△5七飛成~△5三龍と粘りにでますが、▲8三香と後手の角の利きを止めた手が▲7二銀以下の詰めろなので先手勝勢です。

玉の逃げ道を塞ぐ手で寄せるのが参考になった1局でした。

角を攻防に広く使う

上図は、先後逆で先手陽動振り飛車からの進展で▲6五銀と歩を取った局面。ソフトの評価値-67で互角。

5六の銀が▲6五銀と歩を取った形です。

先手の陣形がややバラバラで後手が1歩得ですが互角のようです。

後手は2四の歩と4四の角の形はいつでも△2五歩▲同歩△2六歩が狙い筋ですが、現状はまだ駒不足です。

後手は△4一玉型で飛車を渡すと▲2一飛があるので、まだ強い戦いはしづらいようです。

そのような意味で対局中は飛車が逃げる1手かと思っていました。

実戦は△7五飛で以下変化手順で▲4四角△同歩▲7六歩△7一飛▲8二角で、ソフトの評価値+196で互角。

この手順は△7五飛と逃げたのですが、▲4四角~▲7六歩として後手の飛車の働きを抑えるのが自然だったようです。

▲7六歩に対して後手は飛車の逃げ場所がいろいろありますが、△7一飛と下段に引きます。

以下▲8二角ともたれるような角を打ってどうかという展開です。

▲8二角に△7三桂なら▲7四銀△6五歩▲7一角成△同金▲2一飛△3一金▲1一飛成で、ソフトの評価値+757で先手有利。

これは後手の失敗手順で、△7三桂は取られそうな香車を守りつつ銀取りになるので味がいい手のようですが、平凡に▲7四銀と出られると後手が苦しいです。

次は▲6二飛成△同金▲7一角成がありますので△6五歩と受けたのですが、▲7一角成~▲2一飛が激痛です。

▲7四銀に対して△8一飛のような手もありますが、▲7三銀成△9五角▲6二成銀△6八角成▲同金△6二金▲5五角成で、ソフトの評価値+461で先手有利。

この手順は駒割りが角桂と飛車の交換で後手が少し駒損なので先手有利です。

▲8二角に△3一玉▲9一角成△7三桂▲8二馬△6五桂▲同飛△6三歩で、ソフトの評価値+173で互角。

この手順は△3一玉に▲9一角成が自然なようですが、△7三桂~△6五桂で銀を取る手があり、先手の桂香と銀の交換の2枚替えですが互角のようです。

△3一玉には▲5六銀と引いて以下△7三角▲7一角成△同金で、ソフトの評価値+234で互角。

この手順は▲5六銀と引いて飛車を通すのが味のいい手のようで、以下△7三角には▲7一角成と飛車と角の交換をしてやや先手が指しやすいようです。

これらの手順を見ると後手の飛車が抑え込まれる形は先手に選択権があるようで、後手としてはやや面白くない形のようです。

△7五飛では△7七飛成がありました。

△7七飛成▲同桂△6四歩で、ソフトの評価値-5で互角。

この手順は△7七飛成とする手で▲同桂で手が続かないと思っていたのですが、△6四歩という手がありました。

△6四歩は先手の6五の銀を移動させてから△7六歩~△7七歩成を狙う形です。

桂頭を歩で狙うというのはよくある筋ですが、後手の攻めが継続できるかが気になります。

△6四歩に▲2一飛なら△3一金▲1一飛成△6五歩▲6三歩△同銀▲4六香△7六角▲3八金△5五角▲6五桂△5二金で、ソフトの評価値-331で後手有利。

この手順は先手は銀を見捨てて▲2一飛から攻める手でこれは実戦的にはありそうですが、後手は銀を持ち駒にして粘ることができるので後手が指せそうです。

△6四歩に▲7六銀なら△5四角▲6五歩△3一玉▲8三飛△7三桂▲8二飛成△2五歩▲9一龍△7一歩▲3八銀△2六歩▲6九飛△6五桂▲同桂△同歩で、ソフトの評価値-

この手順は▲7六銀に△5四角と生角を打つ形で、敵陣と自陣の攻防の角です。

▲6五歩と銀取りを防いだ手に△3一玉として、▲8三飛に△7三桂~△2五歩とします。

後手は角2枚を盤面広く使って、先手の玉頭を直接狙う△2五歩~△2六歩が実戦的です。

このあたりの後手の指し方は懐が深いというか、微妙なところでバランスを取る指し方がうまいです。

角を攻防に広く使うのが参考になった1局でした。

意外な駒組みから仕掛ける

上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲3五歩と突いた局面。ソフトの評価値-92で互角。

先手があまり見ない形から▲3五歩と仕掛けてきました。

局面によっては居玉で攻める場合や▲6八玉型で攻める場合などがありますが、▲7八玉型は比較的少ない印象です。

角換わり腰掛銀で攻める方がやや急戦形を選択する場合は、自玉の囲いをできるだけ省いて攻めることになります。

見慣れた形での仕掛けに対しては、ある程度見たことがあるのでこんな感じかなと思い出すことはあるのですが、見慣れない形はその場で考えることになります。

対局中は仕掛けは少し無理っぽいのかと思っていましたが、実際に対応を考えるとそうでもないことに気がつき、このような先手の指し方があるのかと少し驚きました。

▲3五歩は攻めるならこの形で、▲4五桂と跳ねる前に3筋の歩を突き捨てて味付けをします。

▲3五歩に△同歩はほとんどない指し方で、部分的な受けは△4四銀になります。

△4四銀は4五の地点を2枚の銀で守る形で、▲3四歩と取り込めば△3六歩と打つのが狙いです。

この攻め方は先手がやや失敗というイメージがあるのですが、局後に気になっていた先手の攻め方です。

実戦は▲3五歩に△4四銀で、以下変化手順で▲3四歩△3六歩▲4五桂△同銀直▲同銀△同銀で、ソフトの評価値-58で互角。

この手順は先手が桂損になりますが、後手は歩切れになっています。

普通は桂損の攻めはやや失敗で、次に△3七歩成とと金を作る手も見えています。

ここで先手の手番なので攻めを継続しますが、これも実際に対応すると意外と大変だったようです。

後手が意外と大変な理由は△3七歩成には▲1五角~▲3七角でと金を取られるため、と金作りが成立しません。

よって後手は先手の攻めに対応するような指し方になります。

△4五同銀に対して先手は有力な手が2つあります。

1つは△4五同銀に▲4八飛です。

△4五同銀以下▲4八飛△4六桂▲3五銀△3七銀▲4七飛△2九角▲5五角で、、ソフトの評価値-31で互角。

この手順は▲4八飛と銀取りにする手で、後手は歩切れなので少しひねった受け方になります。

▲4八飛に△4六桂と金取りに桂馬を打つのですが、次に△5八桂成とはできません。

飛車の利きで△5八桂成には▲4五飛△5一玉▲5八金があります。

よって後手は一時的な受けですが、▲3五銀には△3七銀ともたれるような受け方をします。

歩切れというのは受けるときにやや受けづらく、別の持ち駒で飛車を責めながら受けるという感じです。

△3七銀に▲4七飛に△2九角と飛車を狙いますが、▲5五角がなかなかの手で▲1一角成を受けることができません。

将棋は互角のようですが、攻める方からすれば多少のリスクがあってもそれを承知で攻めているので気分は悪くないはずです。

もう1つは△4五同銀に▲4四角と打つ手です。

△4五同銀以下▲4四角△3七歩成▲1一角成△2八と▲2一馬で、ソフトの評価値-195で互角。

この手順は△4五同銀に▲5五角と打つ手で、これが意外と受けにくいです。

▲5五角に△2二銀とか△2二桂とすれば▲1一角成を防げるのですが、壁になる受け方で▲4八飛と回られると次の▲4五飛が受けにくいです。

これは後手の歩切れをついています。

よって▲5五角に後手は△3七歩成から飛車を責める形ですが、先手は飛車を見捨てて▲1一角成~▲2一馬という展開です。

▲2一馬の時点の駒割りは飛車と香車の交換で後手が大きく駒得していますが、先手から次に▲4四桂のような手がうるさいです。

先手が少し無理気味に攻めてこの展開なら仕掛けた価値はありそうで、▲2一馬に△8六桂のような手がとんできますがそれでも十分勝負形のようです。

先手の駒組みからの仕掛けは、ひょっとしたら成立しているのかもしれません。

機会があれば今度は逆をもって試してみたいと思います。

意外な駒組みから仕掛けるのが参考になった1局でした。

早繰銀に早繰銀で対抗する

上図は、角換わりから後手△3三金型からの進展で△7三銀と上がった局面。ソフトの評価値+48で互角。

後手が△3三金型に組むのは少ないので、△3三銀型との違いが自分自身あまり分かっていないという感じです。

△3三金型には▲3七桂~▲4五桂と跳ねやすいというのは分かりますが、後手も△2二銀~△4二玉の構えであれば簡単ではありません。

△3三金型は見た目はありがたいようでも、実際は咎めるのが大変という感じです。

実戦は▲4六歩△6四銀▲4七銀△4二玉▲6六歩△7五歩で、ソフトの評価値-42で互角。

この手順は先手は▲4六歩~▲4七銀と構えたのですが、後手は△6四銀~△7五銀と動いてきました。

後手の早繰銀に対して、先手は継ぎ歩で対抗するというのがよくあります。

△7五歩に▲同歩△同銀▲2四歩△同歩▲2五歩という指し方です。

これは部分的にはよくある指し方ですが、本局に関して言うと先手の駒組みに2つ課題があったようです。

1つは▲6六歩と突いているので、後手が△7五銀と進出すると△7六歩という手が生じます。

先手の銀が逃げると△6六銀と進出して6六の歩が取られます。

後手に△6六銀と取らせるような指し方も見たことがありますが、先手はそれに対抗する手段を用意しているかどうかです。

自分としてはどこかで飛車が▲2五飛~▲6五飛として後手の銀を取ることができないかなどと思い浮かべていましたが、▲6五飛には△7四角のような筋もあり、ちょっとした形の違いで成立するかどうかを調べていませんでした。

もう1つは先手は居玉のままで継ぎ歩をするときに、王手飛車の筋があるかどうかです。

先手の飛車が2四に出たときに△1五角の王手飛車があるかということですが、先手は▲1六歩と突いていれば問題ありません。

また▲3七歩型であれば△1五角が王手にならないのでこれも問題ありません。

先手が▲5九玉で▲3六歩で▲1七歩の形だと、▲2四飛と出たときに△1五角の王手飛車があるので、対局時にこの形が瞬時に成立するかどうかを見極める必要がありました。

▲2四飛と出たときというのは、先手が継ぎ歩で▲2四歩と取り込んだときに△同銀や△同金が成立する可能性があるということです。

ここら辺を後手が仕掛けるときに先手がどのような駒組みで対応するかをあらかじめイメージしておかないと、相手の手に少し遅れたということになります。

また継ぎ歩で分かったのは後手が△3三金型だと先手が▲2四歩と歩を取り込んでも△2二歩と打って受けることができ、これが△3三銀型との違いでもあるようです。

評価値を見る限り△7五歩の局面が決して先手が悪いということはありませんが、本局の先手の指し方はやや方針をまとめるのが難しく、ある程度理解して指さないといけない形だったようです。

▲4六歩では▲3六歩がありました。

▲3六歩△6四銀▲3七銀で、ソフトの評価値+31で互角。

この手順は早繰銀には早繰銀で対抗する形で、相早繰銀になります。

本局の実戦の進行と違い先手は方針が分かりやすくなるので、王手飛車のラインを気をつけるというのと、相手が動いてきたら継ぎ歩で対抗するというのが分かりやすいです。

また先手は▲6七歩型なので後手から△6六銀と出られる心配がありません。

そのような意味で先手は▲1六歩と突いて王手飛車のラインを消して▲4六銀と出るイメージです。

これはこの戦型のイロハになるようですが、あまり自分は理解しておらずに指していたようなので今後はこの戦型にも意識して棋譜を見る必要があるようです。

早繰銀に早繰銀で対抗するのが参考になった1局でした。

受けながら飛車交換を目指す

上図は、後手1手損角換わりからの進展で△4六歩と突いた局面。ソフトの評価値+432で先手有利。

後手が△3六歩と1歩を使って▲同銀に△4六歩と動いてきました。

後手が1歩損ですが飛車を活用できそうな形で先手は油断できません。

受け損なうと先手不利になりそうな形なので、ここが勝負所だと思っていました。

実戦は▲5八金△5四角▲1八角で、ソフトの評価値-40で互角。

この手順は△4六歩に▲5八金と受ける手で、以下△5四角▲1八角という展開で対局中は何か重たいような受け方をしていると思っていました。

先手がぎりぎりのところで耐えているといった感じで、後手に歩があれば△3五歩で決まりなのですがないので何とかなっています。

ただし指し方としてはあまりスマートでなく、後手にうまい手があれば先手がまずいような局面です。

△4六歩と突いたときにソフトの指し方が気になります。

▲5八金では▲4六同歩がありました。

▲4六同歩△同飛▲4八飛で、ソフトの評価値+463で先手有利。

この手順は▲4六歩と歩を取る手ですが、対局中は全く浮かびませんでした。

△同飛に△3六飛と△4九飛成の両方を受けるのが難しいと思っていたのですが、そこで▲4八飛とぶつける手があったようです。

自分はこのような手が昔から全く見えなくて、その影響で何か重苦しい受け方をすることが多かった気がします。

▲4八飛に△3六飛なら▲2七角△5四角▲3六角△同角▲3一飛△6二玉▲4二飛成△5二銀打▲2一飛成△4一歩▲3一龍上で、ソフトの評価値+399で先手有利。

この手順は興味深いのですが、△3六飛で先手は先に銀損するのですが▲2七角があります。

後手は△5四角としますが、以下先手は2枚飛車から攻める展開になります。

2枚飛車で敵陣に龍を2枚作る形で、攻めとしては理想的で相当形勢がよくなったかと思ったのですが、意外にも有利の段階でまだこれからのようなところがあります。

▲4八飛に△4七歩なら▲同銀△4二飛▲3八銀で、ソフトの評価値+1327で先手優勢。

この手順は後手は△4七歩と打って飛車交換を拒否した手ですが、先手は▲同銀~▲3八銀と自然に指して先手優勢です。

▲4八飛に△同飛成なら▲同金△3九飛▲3一飛△4一歩▲4九歩△3六飛成▲2一飛成△6五角▲1一龍△2九角成▲3七香△4六龍▲3四香△同金▲3一龍で、ソフトの評価値+634で先手有利。

この手順は飛車交換をしてから△3九飛と打つ手で、先手はどこかで受ける形になりますが受ける前に▲3一飛と打つのが鋭いです。

▲3一飛に△4二玉とするのは▲6一飛成がありますので、後手は飛車にアタックする受け方がありません。

よって△4一歩と打ったのですが、このタイミングで▲4九歩と受けに回ります。

△3六飛成と銀を取られますが、先手は▲2一飛成~▲1一龍で桂馬を香車を取り後手は△6五角~△2九角成を桂馬を取ります。

この瞬間は駒割りは銀と香車の交換で後手が少し駒得ですが、▲3七香が継続手で4八の金が守りだけでなく攻めにも役立っているようです。

以下▲3四香で銀を取り返し駒の損得はなくなりましたが、敵陣に龍を作っている先手が指せているようです。

このような展開だと実戦の重たい手順と全く違う形で、はるかにこちらの方がいいです。

後手玉が薄いので飛車の交換を目指すというのが大事なようで、ここに目がいくかどうかで全く展開がちがうようです。

本局の変化手順は▲4八飛に△3六飛は▲2七角がうまい切り返しがあった例ですが、ちょっとした形の違いで成立するかどうか全く変わってくるので、このあたりの指し手は本局限定という感じです。

受けながら飛車交換を目指すのが参考になった1局でした。

角換わり腰掛銀の仕掛け方

上図は、先後逆で角換わりからの進展で△6五歩と突いた局面。ソフトの評価値-198で互角。

先手が早い段階で▲2二角成としたため、実質的には先手と後手が変わったような展開です。

基本的に自分から角換わりの将棋にすることはないのですが、相手が角交換をすると自ずとそのような展開になります。

そのため角換わりの将棋も見ておかないと感覚がなじまないことがあるので、このあたりは気をつけています。

対局中は後手番だったのが実質先手番になり、角換わり腰掛銀から先に仕掛ける形になったのでまずまずかと思っていましたが、ここからが毎度のこと難しいところです。

△6五歩に先手も手が広いところですが、受けに回るなら▲6五同歩や▲6八飛が浮かびます。

対局中は相手の方は▲4五歩は多分指さないように思っていました。

先手は角交換腰掛銀の▲5八金~▲4七金とやや旧型のような指し方で、相手の手にのって指すような感じがしたので、ここで攻め合いは何となくなじまないかと思っていました。

ただし、局後のソフトの検討では△6五歩には▲4五歩を推奨していました。

△6五歩に▲4五歩なら△6六歩▲同銀△8六歩▲同歩△4五歩▲同桂△4四銀▲4六歩△8五歩▲同歩△6五歩▲7七銀△8五桂で、ソフトの評価値-210で互角。

この手順は△6五歩に▲4五歩と攻め合いに出た手で、以下△6六歩~△4五歩と自陣に手を戻す形で、後手は△8五歩と継ぎ歩をしてから△6五歩~△8五桂の攻め方が鋭いです。

形勢はそれでも互角のようです。

△6五歩に▲6八飛なら△2二玉▲6五歩△同桂▲同銀△6七歩▲同飛△5八角で、ソフトの評価値-642で後手有利。

この手順はうまくいきすぎですが、▲6八飛に△2二玉は対局中は多分指せなかったと思います。

▲6五歩と歩を取れば△同桂が盲点で、▲同銀には△6七歩~△5八角が狙い筋で先手の▲4七金型の欠点をついています。

実戦は△6五歩以下▲同歩△7五歩▲6六銀で、ソフトの評価値-270で互角。

この手順は昭和や平成の頃の角換わり腰掛銀によく出る指し方で、▲6五歩と歩を取れば△7五歩が攻めの形です。

△7五歩のような手に▲同歩と応ずることはほとんどなく、△6五桂で後手の攻め駒に勢いがついてきます。

△7五歩に▲6六銀が受けの形で、相手の方はじっくりとした受け将棋のような印象をうけました。

実戦は▲6六銀以下△9五歩▲同歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛で、ソフトの評価値-167で互角。

この手順は後手は△9五歩の突き捨てから8筋の歩を交換する形で、攻め合いの形でなく後手が先に動く形になったのでまずまずかと思っていました。

ただし、△9五歩はソフトの候補手にありましたが推奨手ではありませんでした。

ソフトは△9五歩では△4九角を推奨していました。

△4九角▲6七角△同角成▲同銀△9五歩▲同歩△7六歩で、ソフトの評価値-217で互角。

この手順は△4九角と敵陣に打つ手で、先手は▲4七金型なのでこのような手が生じます。

先手は▲6七角と合わせて以下△同角成~△9五歩~△7六歩とする手です。

先手の5六の銀が▲6七銀と引く形になったので、先手玉の守りは少し堅くなった印象がありますが、先手からの攻め合いにはなりません。

先手はもたれるような指し方で相手の手をけん制するような感じになりそうです。

後手としては攻めの手を継続できるかがポイントになりそうです。

△7六歩以下▲同銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七金△8一飛▲8六歩△7五歩▲同銀右△6五銀で、ソフトの評価値-377で後手有利。

この手順は▲7六同銀に後手は8筋の歩を交換する手で、以下▲8七金~▲8六歩と先手は辛抱します。

後手はどこに争点を求めるかですが、△7五歩▲同銀右に△6五銀として銀が捌けそうな形になったので後手が少し指せているようです。

やはり攻めるときはどのようにして攻めの争点を作るかが大事なようです。

角換わり腰掛銀の仕掛け方が参考になった1局でした。

盤面全体を見て飛車を打つ

上図は、先後逆で先手ひねり飛車からの進展で▲8六同角と飛車を取った局面。ソフトの評価値-602で後手有利。

銀交換の後に8六の地点で飛車交換になった展開です。

駒の損得はありませんが意外にもこの局面は形勢に差があったようで、後手は大駒の交換の後の貴重な手番です。

先手玉より後手玉の方が戦いより遠い位置にいるので、後手が少し得をしています。

ただし、自分の棋力ではそんなに後手有利という感覚はなく、後手は6三の金が浮いており狙われやすい形で、先手からの飛車打ちも見えているので次の手は大事だと思っていました。

自分はつい持ち駒に飛車があると敵陣に打つことばかりを考えて、あまりそれ以外のところに目がいかないことがあり本局もそんな感じに進みました。

実戦は△6九飛▲6四歩で、ソフトの評価値-466で後手有利。

この手順は△6九飛と打つ手ですが、△6五飛成と△9九飛成の両方の狙いがあり打つならここしかないかと思っていました。

ただし、次の▲6四歩がなかなかの手でこのような手がなかなか見えません。

後手の6三の金は3段目の金なので△6二金と引くと2段目の金になり少ししっかりした形になるのでありがたいと思っていたのですが、以下▲8二飛△6一歩▲6八金△7九飛成▲6三歩成△同金▲4一銀で、ソフトの評価値-96で互角。

この手順は6三の金を守ることに意識すると先手からどんどん攻める形になり、▲6八金と一旦自陣に手を入れてから▲6三歩成~▲4一銀がうるさいです。

このような展開になると有利が吹っ飛んで互角になりました。

ソフトは▲6四歩には△同金▲同角△6五飛成で、ソフトの評価値-466で後手有利だったようですが、金と桂馬の交換なので後手がやや不満です。

なお最初の局面図では、ソフトは△6九飛でなく△6五飛を推奨していました。

△6五飛で、ソフトの評価値-572で後手有利。

この飛車打ちは△8六飛と△6五飛の両取りですが、敵陣に打つ飛車でなく生飛車なので駒を取っても龍になれません。

そのような意味で少し打ちにくい手です。

先手は角取りなので角を守る手を考えるのが自然です。

△6五飛に▲7七角なら△7六銀▲5九角△6六歩▲6八歩△6五銀▲6一飛△5四銀▲5二銀△8九飛成▲7九歩△7四金で、ソフトの評価値-1060で後手優勢。

この手順は△6五飛▲7七角に△7六銀と打つのが盲点です。

自分の感覚では△7六銀で△6五飛が浮かぶのですが、▲8二飛と打つ手が少し気になります。

後手は8筋から飛車がいなくなると▲8二飛の筋が生じます。

これでも後手が少し指しやすいようですが、△7六銀と打って角取りと△6五銀の両方を狙います。

△7六銀に▲5九角と逃げたのですが、△6六歩が何気に手厚い手で次は△6七歩成があるので▲6八歩に△6五銀とします。

△6五銀▲6一飛に△5四銀が味にいい手で、金駒で盤面を制圧する指し方です。

以下▲7二銀に△8九飛成~△7四金で後手優勢です。

△8五飛に▲8七歩なら△6五飛▲6七歩△2五飛▲6一飛△2八飛成▲6三飛成△2六桂▲3九金打△1九龍▲2八銀△3八桂成▲同金左△1八龍で、ソフトの評価値-1021で後手優勢。

この手順は△8五飛に▲8七歩と打ち△6五飛に▲6七歩と辛抱する手ですが、△2五飛と回る手がありました。

先手は歩切れなので▲2七歩と打つことができません。

以下後手は△2八飛成を実現したのに対して先手は▲6一飛~▲6三飛成と金を取りますが、△2六桂に▲3九金打と使わせる展開で後手が指せているようです。

ややレアケースな飛車の使い方ですが、相手の持ち駒に歩が少なかったもうまくいく要因だったようです。

盤面全体を見て飛車を打つのが参考になった1局でした。

攻め急ぐ前に自陣に手を入れる

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△9二歩と受けた局面。ソフトの評価値+832で先手有利。

駒割りは飛桂と銀の交換で先手が駒得しており、後手は歩切れなので先手が少し指せているようです。

9筋を詰めたのは大きいのですが、後手から次に△6八歩成が見えているので先手がどうするかという局面です。

△6八歩成とされてもまだ先手玉に詰めろがかかるわけではなく、先手は3八に飛車がいるので意外と簡単に詰めろはかかりません。

ただし先手の攻め駒も少し不足気味で、うまい手があれば後手玉が寄りそうな気もしますが微妙です。

対局中は先手は受けてもかえって危ないと思って攻めることにしました。

実戦は△9二歩以下▲9三桂△同歩▲同歩成△同香▲同香不成で以下変化手順で△8二銀打で、ソフトの評価値+516で先手有利。

この手順は9筋から攻める手で、後手は金銀4枚で守っていますが9筋が薄いのでそこを攻めるのは自然な感覚です。

▲9三桂以下▲9三香不成として次に▲9一飛を狙うことにしました。

▲9三香不成に△6八歩成と攻め合いにきましたが、▲9八香△9五歩▲同香△8二玉▲6八金△同成桂▲同飛△同馬▲8五桂で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順はうまくいきすぎたのですが、△6八歩成には▲9八香と9筋に香車を足すのが次に▲9二香成の詰めろで、以下△9五歩~△8二玉とあやを求めますが、▲6八金~▲同飛で桂馬を入手してから▲8五桂で後手受けなしで先手勝勢です。

このように急所にはまればうまくいくのですが、▲9三香不成には△8二銀打とまだ大変だったようです。

△8二銀打以下▲9八香△9三銀▲同香成△9二歩で、ソフトの評価値+580で先手有利。

この手順は▲9八香には△9三銀とあっさり清算するのが盲点で、以下▲同香成に△9二歩が意外としぶとい受けです。

先手は攻めを繋ぐなら▲9四歩としますが、△9五香で先手は歩の合駒ができず、飛車や銀の合駒や▲9七桂では先手は逆転模様になります。

これらを見ると先手は相手が少し甘い手を指せばうまくいきますが、正確に指されると結構大変なようです。

▲9三桂では▲6七金左がありました。ソフトの評価値+951で先手優勢。

この手順は▲6七金左とと金の卵の歩を取る手です。

後手はと金を作るのが楽しみだったのでそれを無くして先手は清算しようとします。

ただし、この瞬間が後手の手番なので何かうまい手があるかが気になります。

▲6七金左に△4九馬なら▲5七金△3八馬▲9三桂△同歩▲同歩成△同香▲同香成△9二歩▲同成香△同玉▲9八香△9三香▲同香成△同玉▲9八香で、ソフトの評価値+3145で先手勝勢。

この手順はうまくいきすぎですが、△4九馬なら▲5七金とあっさり飛車を渡すのがうまく、後手は△3八馬としても馬が遊ぶ形なので▲9三桂から寄せきることが可能です。

▲6七金左に△同成桂なら▲同金△4九馬▲6八飛△7八銀▲7七金△8九銀成▲同玉△8五桂▲9三桂△同歩▲同歩成△9七桂打▲同香△同桂成▲同銀△9三香▲8五桂△9二歩▲9三桂成△同歩▲8五桂で、ソフトの評価値+1513で先手優勢。

この手順は△6七同成桂~△4九馬ですが、▲6八飛がしっかりした受けの形です。

後手は△7八銀~△8九銀成~△8五桂とあやを求めますが、やはり▲9三桂からの攻めが厳しいようです。

先手は自陣がだいぶ安全になると攻めに専念できるのが大きいようです。

攻め急ぐ前に自陣に手を入れるのが参考になった1局でした。

攻め急ぎでなく受けに回って持ち駒を増やす

上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲6四桂と打った局面。ソフトの評価値+459で先手有利。

対局中は▲6四桂が見えておらず、指されてみると後手玉だだいぶ狭いです。

先手は5五の馬と6五の銀と5四の歩と3二の成桂と6四の桂馬の5枚の攻めで、受けてもきりがないのかと思っていました。

実戦は▲6四桂以下△3七歩▲同玉△4八角▲2七玉で、ソフトの評価値+337で先手有利。

この手順の△3七歩~△4八角は狙い筋の1つでこれもあったようですが、やや形を早く決めすぎたとも言えそうです。

後手が先手玉を攻めるのはまだ駒不足ですが、金駒が1枚でも入ると状況が変わってきます。

後手陣は危ない形ですがまだ即詰みはなく、後手玉を寄せるまでにはもう少し手数がかかります。

また先手が攻めるということは後手の持ち駒が増える可能性が高いです。

そのような意味で後手は受けに回って苦しいところですが、カウンター狙いでもう少し辛抱する手はあったようです。

△3七歩では△6二金がありました。ソフトの評価値+567で先手有利。

この手順の△6二金ですが、金を逃げただけで相手の攻め駒は盤上に多くなったのでかなり危険にも見えます。

先手の持ち駒に飛車があれば▲4一飛の1手詰めなので、気分的には先手はうまく指せていると思いますが、これから後手玉を具体的に寄せるとなるとそれなりに大変です。

先手は早く勝ちを決めたいと意識すると厳しく攻めることになりますが、それが後手の狙いでもあるようです。

対局中にそこまで余裕があれば大したものですが、それは対局後の検討だからできるのであって実戦でするのは勇気がいります。

それでもそれを少しずつ乗り越えていくと、意外と中終盤の指し手に幅が広がるかもしれません。

△6二金以下▲3三成桂△同桂▲5三銀△2六歩で、ソフトの評価値-488で後手有利。

この先手の手順はソフトの推奨する手ではありませんので、あまりいい手ではない可能性が高いです。

この手順は自分にとって不思議なのですが、先手は▲3三成桂と銀を取ってから▲5三銀と打ち込みます。

攻めっ気が強い人はこのような手順で後手玉に迫ると思いますが、意外にもこの展開は先手にとってよくありません。

普通に考えると▲3三成桂は銀と桂馬の交換で先手が駒得をしており、相手の金駒を取って守りが少し弱体化しているので先手がポイントを上げているように思います。

また▲5三銀の打ち込みはさらに後手陣を薄くするためによくある手で、このようにかさにかかって攻めてくる場合は攻めている方に勢いがあります。

ところが不思議なことに▲5三銀と打った局面は、なぜか後手の方に評価値が上がっています。

これが将棋の面白いところで、心理的には後手は攻められているのですが実は形勢は後手の方に傾きかけています。

後手は持ち駒に桂馬は入っただけですので大きな戦力増にはなっていないはずですが、先手が▲5三銀と打った形なので将来その銀も後手の持ち駒になる可能性が高いです。

▲5三銀は後手の質駒になるという考えです。

そのように考えると、後手の持ち駒は最初の局面図の角銀歩から角銀銀桂歩になる可能性が高くなります。

▲5三銀に後手は△2六歩と垂らすのですが、このような手が実戦的には結構うるさいです。

△2六歩に▲3四歩なら△2七銀▲同飛△4九角▲4七玉△2七歩成▲6二銀成△同玉▲7二桂成△5二玉▲5三金△4一玉▲3二銀△同玉▲4三金△同玉▲3三歩成△同玉▲4五桂△3二玉で、ソフトの評価値-5940で後手勝勢。

この手順は▲3四歩と力をためた手ですが、後手は△2七銀~△4九角が強烈です。

後手は銀を渡して飛車を取る手順で、以下▲6二銀成から後手玉が寄るかどうかという将棋になります。

結果的に後手玉は不詰みだったようですが、玉の逃げ方によっては詰む手順もありますのでこのあたりは際どいです。

△2六歩には▲同飛や▲同金でまだこれからの将棋のようですが、実戦よりははるかによかったようです。

攻め急ぎでなく受けに回って持ち駒を増やすのが参考になった1局でした。