手待ちにならないように意識する

上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲6八玉とした局面。ソフトの評価値+100で互角。

後手が△8四飛の形の時に△8八角成と後手から角交換をして、その後▲6六角の飛車取りに飛車を横に使った展開です。

毎回のことですが、相掛かりで先手が棒銀模様にこられるときの後手の対応がまずくだいだい作戦負けになることが多いです。

色々と受けの手筋などは覚えたつもりでも、いざ久しぶりの棒銀模様の受けになると手の組み合わせがなかなか思い出せず、気がついたら我流の指し方のようになってしまいます。

受け方がまずいということですが、気がついたら手待ちみたいな手しかなく手損になるというケースです。

無理に動いたら墓穴を掘るということでの手待ちですが、作戦的には全く冴えません。

特に後手は浮き飛車で使いにくく、先手の角と銀に抑え込まれて可動範囲が狭いです。

実戦は▲6八玉以下△4二玉▲4六歩△5二玉▲7九玉△4二玉▲5六銀△5二玉▲5八金△3四飛▲4五銀△6四飛▲8八玉で、ソフトの評価値+253で互角。

この手順の後手は△4二玉と△5二玉の手待ちが多く、たまに△3四飛のような手もありましたが、全く駒組みが進んでいないという感じです。

それに対して先手は矢倉に入城してしっかりした構えになっています。

対局中は後手は相当な作戦負けかと思っていたのですが、評価値を見てみるとほとんど互角だったのが驚きました。

後手は手損で玉も中住まいで薄いのですが、先手はやや駒が偏りすぎというでそこまで形勢に差がないということかもしれません。

ただし、後手の作戦としては特に狙いもなさそうなので、相手が十分の態勢になって動かれたらどうしょうもないという感じです。

最初の局面図の△4二玉で△6五飛がありました。ソフトの評価値+100で互角。

この手順の△6五飛ですが、先手の銀が4五にいるときに銀取りになります。

後手としては飛車が4段目より2段目の方が狙われにくいのでそちらの方が安全なのです。

△6五飛には▲5六銀と▲3四銀が気になります。

△6五飛に▲5六銀なら8五飛で、ソフトの評価値+43で互角。

この手順は、後手の飛車が8筋に移動できれば△8二飛のような形になり、以下部分的には△7四歩~△7三桂のような駒組みが可能になります。

歩越し飛車のような4段目の飛車は4段目に歩を突くとさらに可動範囲が狭くなり、相手の金駒に取られやすくなります。

よって△8二飛の形を目指せるのは後手としてはうれしい展開です。

△6五飛に▲3四銀なら△3六歩で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順の▲3四銀には△3六歩が鋭い手で、気がつきにくいです。

普通は▲3四銀に△同銀ですが、▲1一角成△3三桂▲2一馬△4二金▲2四歩で、ソフトの評価値+207で互角。

これは▲1一角成とすると銀と香の交換で後手が少し駒得ですが、▲2一馬に△4二金という受け方になります。

△4二金という形が悪いというわけではなさそうですが、次の▲2四歩に△同歩▲同飛△2三銀打の受け方になりそうです。

▲3四銀に△3六歩を突き捨てると、以下▲同歩には△3四銀▲1一角成△3三桂▲2一馬△3一歩で、ソフトの評価値+16で互角。

この手順は3筋の歩を切っていると△3一歩と底歩で受けることが可能になり、今度は▲2四歩と突かれても3二に金がいるため、△同歩▲同飛△2五飛のような別の受け方が可能なようです。

このようなところはちょっとした手の組み合わせみたいなところはありますが、やはり対局中は何気ないところでも何か手がないかと考えることが必要だったようです。

手待ちにならないように意識するのが参考になった1局でした。