阪田流向かい飛車の受け方

上図は、後手阪田流向かい飛車からの進展で△2四歩と突いた局面。ソフトの評価値+222で互角。

対局中は▲2四同歩が自然ですが、▲3七桂が浮かびました。

あまりこのタイミングで桂馬を跳ねるのは見たことがないのですが、△2五同歩に▲同飛△同飛▲同桂が金当たりになるので手の流れがいいかに見えました。

また△2四歩に▲同歩△同金に、先手は2筋をどのように受けるかがいまひとつ分からなかったので▲3七桂と跳ねました。

実戦は▲3七桂△2五歩▲同飛△2四金で、ソフトの評価値+133で互角だったのですが、△2四金で△2五同飛▲同桂△3二金で、ソフトの評価値-94で互角。

この手順は▲3七桂△2五歩▲同飛△2四金だったのですが、△2四金で△2五同飛があったよで▲同桂に△3二金引が渋いです。

お互いに持ち駒に飛車と角があって、金駒が低い形で大駒が使いにくい形です。

△3二金と引いた形は次に△2四歩と桂馬を取る手があり、▲1三桂不成と1筋に活用する筋はありますが、先手が駒損しそうです。

先手の手の流れはよさそうでも△3二金と引いた形は先手は忙しいです。

▲3七桂では▲2四同歩がありました。

▲2四同歩△同金▲7七角△3三角▲3七銀で、ソフトの評価値+211で互角。

この手順は▲2四同歩として△同金に▲7七角と自陣角を打ちます。

▲7七角としたのは角を先着することで、後手の持ち駒の角を使わせて△5五角とか△6四角のような手を消した意味があります。

後手は△3三角と合わせましたがそこで▲3七銀が少し指しにくいです。

この先手の陣形で悩むのは、後手の2筋の攻めに3七の地点に桂馬を跳ねて受けることができるかが最初に気になります。

▲3七桂と跳ねる形は桂頭が狙われやすいので、▲4六歩~▲4七銀~▲3七桂と組むのが理想的かと思っています。

しかし△2四同金と出た局面で▲4六歩~▲4七銀~▲3七桂を目指すのは、手数がかかりすぎるので後手が2筋から動くのが気になります。

△2四同金▲4六歩△4二銀▲4七銀△2五金▲3八金△2六金▲2七歩で、ソフトの評価値+131で互角。

この展開は先手は▲4六歩~▲4七銀を目指したときに、後手が速い段階で△2五金~△2六金と2筋にプレッシャーをかける展開です。

この場合は先手は▲3八金と金を右側に受けることになります。

2七の地点を受ける駒が飛車だけでは1枚足らないので、▲3八金として△2六金に▲2七歩と辛抱します。

▲2七歩に△2五金が自然で以下▲3七桂△2四金▲2六歩で一応受かっているようです。

ただしこの手順で気になるのは▲2七歩に△同金という手がたまに生じます。

厳密に言えば無理筋なことが多いのですが、確認はしておいた方がよさそうです。

▲2七歩△同金に▲同金△3九角▲3八金打△2八角成▲同金引△同飛成▲同金△4八飛▲5八銀△2八飛成で、ソフトの評価値-154で互角。

この手順は▲2七歩△同金に▲同金としたのですが、△3九角がうるさく▲3八金としますが、△2八角成から飛車を取って後手もそれなりに手が続くようです。

▲2七歩△同金▲同飛△同飛成▲同金△4八飛▲5八銀△2六歩▲3七金△2八飛成▲2二飛で、ソフトの評価値+911で先手優勢。

この手順は△2七同金には▲同飛と飛車交換で飛車を捌くのがいいようで、後手の飛車の先着は嫌な形ですが、先手が駒得しており先手優勢のようです。

よって▲4六歩~▲4七銀もありそうですが、金を3八に使う形なので玉を堅くしづらいところがあり一長一短です。

先手は手数をかけずに受けるには、▲7七角△3三角に▲3七銀と最後の局面図のように▲3七銀型で受けに使うのもありそうです。

▲3七銀に△2五金なら▲2六歩△2四金▲4六銀で、ソフトの評価値+167で互角。

この手順は▲3七銀に△2五金とプレッシャーをかけにきましたが、▲2六歩と手堅く受けて△2四金に▲4六銀が味がいいようです。

先手はどこかで角交換して△3三桂の形で▲3五歩と桂頭を攻める感じです。

阪田流向かい飛車の受け方が参考になった1局でした。