実戦不足と理解不足だった

上図は、相掛かりからの進展で△9三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+56で互角。

最近指すことが少なかった相掛かりを選択したのですが、たまに指すと感覚を忘れていることがあります。

プロの先生の色々な棋譜を見たりはしているのですが、それは課題をもって見るということはなくただ見ているだけなので、自分なりに理解していないことが圧倒的に多いです。

やはり実戦で自分で考えて指すのが頭に入るようで、本局もそんな感じの理解不足で序盤でうっかりをしたようです。

局面は後手が△7六飛と横歩を取ったので、▲8二歩と打って△9三桂と跳ねた形です。

後手が△7二銀型なので横歩を取れば▲8二歩という手があるのは以前調べていたのですが、次の手が難しいと思っていました。

部分的な形として以前調べたときは▲2四歩として、以下△同歩▲同飛として将来8筋に飛車を回る筋や▲9五歩と後手の桂頭を狙う筋があると理解していました。

それで今回もそのように指したのですが、実戦の途中で何かおかしなことに気がつきました。

実戦は△9三桂以下▲2四歩△同歩▲同飛△3四歩で、ソフトの評価値-165で互角。

この手順は▲2四歩と合わせる形で、飛車を横に活用する筋の手を選択しましたが、△3四歩と突いてきました。

この局面になって初めて気がついたのですが、次の△8八角成が受けにくい形です。

なぜこのような形になったのかなと対局中に思い出しながら指していたのですが、以前自分が調べた将棋は▲6八玉型になっており7八の金にひもがついている形でした。

しかし本局は▲5九玉型の居玉なので7八の金にひもがついていません。

この原因は先手が最初に2筋の歩を交換して▲2八飛としてから、再度▲2四歩と合わせたので1手損になっていたようです。

2筋の交換を保留する前に▲6八玉として後手が△7六飛と横歩を取れば、そこで初めて▲2四歩と突けば問題なかったようです。

何となく2筋の歩の交換をするのが速かったので少し先手の駒組みが遅れているなと思っていましたが、▲8二歩のような戦型を選択するとこのようなデメリットがあったようです。

▲2四歩では▲6六角がありました。ソフトの評価値+28で互角。

この手は▲6六角として角を9三の地点に利かす形ですが、本当の狙いは▲8八銀~▲7七桂のような手を含みにしているようです。

後手がゆっくりした手なら▲8八銀~▲7七桂~▲9五歩のように9筋を狙います。

▲6六角以下△8六飛なら▲8八銀△8二飛▲9五歩で、ソフトの評価値+369で先手有利。

この手順はうまくいきすぎですが、後手が△8六飛~△8二飛とさらに歩を補充すると▲9五歩の桂頭の攻めがあって先手が指せるようです。

▲6六角以下△3四歩なら▲2二角成△同銀▲8八銀△3三銀▲5六銀△7四飛▲8一歩成△同銀▲9五歩△同歩▲8三角△6四飛▲5五銀△8四飛▲6五角成で、ソフトの評価値+87で互角。

この手順は△3四歩と突けば▲2二角成として先手が手損になる形です。

手損になりますが、後手の飛車が△7六飛とあまりいい形でないため、先手は▲8八銀~▲5六銀と金駒を前進します。

△7四飛には▲8一歩成~▲9五歩~▲8三角と打って以下馬を作る展開で、これでいい勝負だったようです。

後手が浮き飛車のような形には、先手か金駒を前進させて相手の飛車にプレッシャーをかける指し方があったようです。

自分が浮き飛車で指すとこのような展開がいやだなと思っていたので、逆をもってもこのような感覚が実戦で浮かぶようになりたかったです。

いずれにしてもこれらは、実戦不足と理解不足で思い出せていないというのが大きな原因のようです。

実戦不足と理解不足だったのが参考になった1局でした。