5筋の攻めに対抗する受け方

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲5八飛とした局面。ソフトの評価値-137で互角。

7八の飛車が▲5八飛として次に▲5五歩のような狙いがあります。

対局中は▲5五歩から5筋の受けに回るのは1手遅れていると思い△5二飛としましたが、感触はあまりよくありませんでした。

後手の飛車が使いづらいということですが、後から調べてみるとソフトの推奨手は2つあってそのうちの1つが△5二飛でした。ソフトの評価値-137で互角。

△5二飛はソフトの推奨手だったのはちょっと意外だったのですが、その後の展開がどうなるかがよく分かっていませんでした。

実戦は△5二飛以下▲5五歩△同歩▲4五歩に△2四角としたのがよくなかったようで、以下変化手順で▲5五銀△4二銀▲5四歩△7九角成▲5九飛で、ソフトの評価値-293で互角。

この手順は▲5五歩~▲4五歩と4筋と5筋を攻める手で、飛車と角と銀と桂馬の4枚で攻めてくるので、穴熊に囲っていても結構嫌な形です。

対局中は△2四角と次に△7九角成とすれば駒得しやすいと思っていたのですが、先手は▲5五銀~▲5四歩と中央を厚くして抑え込むと、△7九角成には▲5九飛と引いてまだこれからの将棋です。

先手は中央が手厚いのでそれに後手が対抗できるかという形ですが、△2四角はソフトの候補手にありませんでしたのであまりいい手ではないようです。

△2四角では△5四銀があったようです。

△5四銀以下▲5五銀△同銀▲同角なら△6七銀▲5七飛△5六歩▲同金△同銀成▲同飛△4五歩で、ソフトの評価値-894で後手優勢。

この手順は▲5五銀から捌きにいったのですが、銀交換してから△6七銀が妙着で以下▲5七飛には△5六歩から金と銀の交換をして△4五歩で後手優勢のようです。

この展開は先手は5五の角と5六の飛の位置関係が悪いです。

△5四銀以下▲5五銀△同銀▲同飛なら、△同飛▲同角△6九飛▲8二飛△8九飛成▲4四歩△5四歩▲4三歩成△同金▲3三角成△同金▲4五桂△4六歩で、ソフトの評価値-685で後手有利。

この手順は先手が飛車交換を目指す手で、後手も△6九飛~△8九飛成と桂馬を補充します。

▲4四歩の取り込みには△5四歩の催促がよさそうで、▲4三歩成~▲3三角成~▲4五桂には△4六歩の攻め合いで、後手が少し指せているようです。

△5二飛の局面図で、先手が仕掛けずに玉の整備や手待ちみたいな手なら、後手は△4二銀~△4三銀を目指したり、△7四歩~△5一角~△8四角~△7三桂のような形を目指すこともありそうで、後手が指し手に困るということはなかったようです。

なお最初の局面図でのもう1つの推奨手は△7四歩でした。ソフトの評価値-137で互角。

この手順は△7四歩と突くのですが、形から言えば△5二飛より△7四歩の方が本筋のように見えます。

△7四歩は堂々とした手で、▲5五歩と突けばそこで△5二飛と回る形で、最初に△5二飛と回った変化手順に合流する可能性が高いです。

手の流れから言うと先手が7八の飛車を▲5八飛としているので、▲5五歩と突く可能性が高いです。

後からでも△5二飛とすれば後手は5筋を受けることができるので、慌てて△5二飛とする必要はなかったとも言えそうです。

ちょっとした手順の違いですが、気がつきませんでした。

5筋の攻めに対抗する受け方が参考になった1局でした。