上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△8四飛とした局面。ソフトの評価値+408で先手有利。
角換わり腰掛銀の同じ形のときに▲4五歩△同歩▲同銀と進めた展開で、以下先手が▲7五歩と突いた手に8一の飛車が△8四飛として桂頭を守りました。
対局中は少し先手が指しやすいと思っていましたが、指しやすい局面からどのように手を繋げていくかというのが毎回難しいです。
実戦は▲5六角△6五歩▲2四歩△同歩▲3五歩△同歩▲4四歩△5二銀▲7四歩△同飛▲3四歩で、ソフトの評価値-116で互角。で互角。
この手順の▲5六角は7四の地点と3四の地点の両方を睨む角ですが、生角なのはやや不満でぎりぎり攻めが繋がるかどうかが気になっていました。
先手は2筋と3筋の歩を突き捨てて▲7四歩~▲3四歩として攻めの拠点の歩を打ちますが、気持ちよく攻めているというより攻めが止まるとまずいので攻めているという感じです。
ソフトの評価値も接近して、互角ながらも後手に傾いているようです。
先手は自分から動いて、攻めの手が続くか切れるかというのはやや指し手にためがなく単調なような気がします。
▲3四歩以下変化手順で△4四銀▲同銀△同飛▲4五銀△7四飛▲2四飛△3一玉で、ソフトの評価値-230で互角。
この手順は▲3四歩に△4四銀として銀交換から▲4五銀~▲2四飛として、次に▲3三歩成~▲7四飛と飛車をす抜く手と▲2一飛成の両方の狙いでうまくいっているようでも、△3一玉と引くと先手の攻めが重たいようです。
特に△3一玉のような手は見逃しやすいです。
▲5六角では▲7四歩がありました。
▲7四歩△同飛▲8三角△8四飛▲4七角成で、ソフトの評価値+407で先手有利。
この手順は▲7四歩の取り込んで、以下▲8三角~▲4七角成で自陣に馬を作る形です。
先手は慌てて攻めるのでなく、馬を作って手厚く指すのがソフトの推奨する手順だったようです。
たしかに4七の地点を補強すると先手陣は手厚くなりますし、生角でなく馬なので可動域が広いです。
▲4七角成以下△4四歩▲5六銀△6三金なら、▲4六馬△3一玉▲4五歩△同歩▲同桂△4二銀▲2四歩△同歩▲4四歩△同歩▲2四馬で、ソフトの評価値+657で先手有利。
この手順は△6三金はあまりいい形ではありませんが、将来の桂頭を補強した手です。
先手は▲4六馬から▲4五歩と合わせるのがうまい手のようで、▲4六馬としたのは将来▲2四歩と2筋に馬を利かすような指し方です。
たしかにこのような指し方は慌てて指すような指し方でなく、攻めに厚みがあるので歩を使って少しずつポイントを上げるような指し方です。
後手は△4二銀と引いて将来△4四歩で桂馬を取る狙いですが、▲4四歩△同銀として歩で桂馬を取られないようにしているのも何気ないところですがうまい手です。
これらの手順は実戦とは全く違いますが、できるだけ手厚く指して攻めが切れにくい形にするのが大事なようです。
つい攻めとなると勢いとか派手な手などが浮かびがちですが、このような指し方を覚えると棋力も上達しそうです。
ただし、それが局後の検討でなく対局中に見えるかどうかが大事で、そのあたりの手の見え方が毎回難しいです。
馬を作って手厚く指すのが参考になった1局でした。