無駄な手なく攻めを継続する

上図は、相居飛車で後手雁木からの進展で▲5六銀と出た局面。ソフトの評価値-590で後手有利。

最近の自分の指した棋譜を色々調べて分かったのですが、以前より対抗形の将棋より相居飛車の将棋はかなり勝率が悪いという印象です。

具体的に勝率の比較まではしていませんが、相居飛車の将棋は内容もさることながら有利の局面を維持できず気がついたら悪くなっていて以下ずるずるという感じです。

対抗形は居飛車が持久戦模様にすればある程度似たような形になりやすいのですが、相居飛車は戦型の幅が広く局面の急所がどこかという嗅覚が乏しいです。

また部分的な手を覚えても、それを実戦で次に生かすとなるとなかなか似たような局面になることはなく、気がついたら忘れているということも多いです。

一言で言えば実戦不足ということになりますが、ソフト相手に将棋を指そうという気は起きません。

ソフト相手だと棋力の差が大きすぎてまず技がかかるという展開にはなりませんが、人間相手だと技がかかりやすそうな局面になってそこでいい手が指せるかどうかを実際に確認することができます。

実戦を通じて、少しくらいよさそうな局面で正確に指せるかどうかの確認をして棋力を向上させるのが理想です。

局面図は▲5六銀と4七の銀が上がったのですが、ここは後手のチャンスだったようです。

ただし実戦はそれに気がつかず少しぼんやりした展開になりました。

実戦は▲5六銀以下△3一玉▲4八飛△7六歩▲同金△7五銀▲同金△同飛▲7六歩△同飛▲4五歩△同歩▲同飛で、ソフトの評価値-703で後手有利。

この手順の△3一玉ですが、部分的には玉を深く囲う手で悪くはないのですが、本局においては少しぬるかったようです。

先手が▲4八飛に△7六歩~△7五銀としたのですが、この△7五銀も少しおかしかったようで、金と銀の交換はいいのですが▲7六歩△同飛として7筋の傷が消されました。

その後先手が▲4五歩~▲4五同飛と捌いてきましたが、この局面もまだ後手がよかったようです。

次に先手から▲8五飛があるのでそれを受ければよかったのですが、その受け方が見えていませんでした。

ソフトは▲4五同飛には△7四飛で、ソフトの評価値-666で後手有利。

この△7四飛という受け方が短い時間だと見えておらず、△7三桂▲6七銀と進むと難しいと思って受けるのはよくないと思ってしまいました。

普通は▲8五飛~▲8一飛成とダイレクトに桂馬を取られて王手になるような展開はまずいと考えるのですが、その受けができないというあたりがいまひとつセンスがなく、いい局面でもものにできない原因かと思っています。

なお最初の局面図の△3一玉では△7六歩がありました。

△7六歩▲同金△7五歩▲8五金△7六歩で、ソフトの評価値-618で後手有利。

この手順は△7六歩と取って▲同金に△7五歩と打ちます。

▲8五金に次の△7六歩が全く見えていませんでした。

△7六歩で△8五同銀▲同桂で、次に▲6一銀の割打ちの銀があるので面倒くさいと思って指せなかったです。

△7六歩と突けば確実に桂得になりそうですが、これはちょっとした罠がありました。

△7六歩以下▲7四金△7七歩成▲7三歩△7八と▲同飛で、ソフトの評価値-37で互角。

この手順は興味深いのですが、自分は▲7四金には△7七歩成と桂馬を取る手だと思っていました。

しかしソフトは△7七歩成に▲7三歩として、以下△7八となら▲同飛でほとんど互角になります。

後手が金と桂馬の駒得をしても、後手の飛車が抑え込まれそうで互角というのは意外でした。

▲7四金には△同飛▲8五桂△7五金で、ソフトの評価値-779で後手有利。

この手順は▲7四金には△同飛として▲8五桂に△7五金も見えませんでした。

△7五金ではつい△7七金としがちなのですが▲8六銀で、ソフトの評価値-368で後手有利。

このあたりの手の流れを見ていると、やはり自分よりはるかにソフトの方が将棋の筋がいいです。

無駄な手なく攻めを継続するのが参考になった1局でした。