銀を重たく打ってもたれて指す

上図は、後手ゴキゲン中飛車からの進展で△2五歩と打った局面。ソフトの評価値+1191で先手優勢。

後手が2筋を受けた形で、対局中は駒の損得はありませんが先手が指しやすいと思っていました。

後手の角の働きが悪いということですが、ここから先手がどのように優勢から拡大するかという場面です。

2四の歩が攻めの拠点としてあるので、この歩をうまく活用したいです。

実戦は▲2三歩成△同金▲3二角だったのですが変化手順で△4五桂で、ソフトの評価値+567で先手有利。

この手順は▲2三歩成~▲3二角と打って、後手の2三の金の働きが悪いので先手がよくなったと思っていました。

しかしこの手順はよくなかったようで、▲3二角には△4五桂と跳ねる手がありました。

次に△5七桂成と金を取られるのはまずいので▲4七金としますが、以下△3三金▲1四角成△4六角▲同金△1四香▲4五金△5六飛で、ソフトの評価値+571で先手有利。 

この手順は、△3三金とすると先手の角は▲1四角成とするしかなく、以下△4六角~△1四香で後手の角が捌けてしまいます。

▲4五金と桂馬を取っても△5六飛と活用されると、先手は桂得ですが4五の金の形が悪くだいぶ評価値を落としていたようです。

普通は▲2三歩成△同金と金を中央から反対側の遊び駒にさせるのは大きいのですが、本局に関して後手の返し技があったのでよくなかったようです。

▲2三歩成では▲2三銀がありました。

▲2三銀△4二金▲3四銀成△5四飛▲3五歩で、ソフトの評価値+978で先手優勢。

この手順は▲2三銀と重たく打つ手で、ぱっと見は相手の玉と反対側の手なので少し浮かびにくいです。

▲2三銀に△4二金と寄るのは振り飛車によくある手で、2三の銀を重たくしようとする手です。

▲3四銀成に△5四飛と浮くのは中飛車によくある手で、先手の3四の銀が少し受けづらいようでも▲3五歩がありました。

この先手の手順はもたれるような指し方でいまひとつ先手のよさが分かりにくいのですが、次の▲2三歩成が厳しいです。

▲3五歩以下△2四角▲2二角△4五桂▲4七金△3四飛▲同歩△3七銀▲2五飛△4六銀成▲2四飛△4七成銀▲5五角成で、ソフトの評価値+2428で先手勝勢。

この手順は△2四角と捌く手で、▲同成銀なら△同飛で後手も頑張れますが▲2二角とするのがうまいようです。

次に▲1一角成から香車を補充してゆっくり指せば優勢を拡大できるという意味で、後手は△4五桂~△3四飛~△3七銀と暴れてきますが、▲2五飛と飛び出すことができれば以下先手優勢から勝勢のようです。

▲3五歩以下△2四角▲2二角△3四飛▲同歩△3七銀▲3三歩成△2八銀不成▲4二と△3八飛▲5五角成で、ソフトの評価値+2317で先手勝勢。

この手順は後手は先に△3四飛としてから△3七銀とする手ですが、▲3三歩成と飛車を捨てて桂馬を取る手が鋭いです。

後手は△2八銀不成と飛車を取りますが、▲4二と~▲5五角成が次に▲7四桂と打つ狙いがあり先手勝勢です。

▲3五歩以下△2四角▲2二角△3六歩▲1一角成△3七歩成▲1八飛△2六歩▲1二馬△2七歩成▲6八飛で、ソフトの評価値+1007で先手優勢。

この手順は△3六歩と垂らす手で、やはり後手も歩を使って細かな攻めをしないと手が続かないようです。

△3六歩に▲1一角成△3七歩成とと金を作らせる展開で、▲6八飛の局面は先手がようさそうですが、と金が働く可能性もあり油断できません。

▲3五歩以下△2四角▲2二角△3六歩▲4七金△1五歩▲1一角成△1六歩▲同香△1五歩▲5五歩△6四飛▲5四桂で、ソフトの評価値+1644で先手優勢。

この手順の△3六歩に▲4七金が△3七歩成を防ぐ手ですが、なかなか浮かびにくい手です。

しかし焦らずに指すというのも大事みたいで、後手の△1五歩も同じような意味合いの手です。

やはり焦らずに指して相手に動いてもらいチャンスを見つける指し方のようです。

銀を重たく打ってもたれて指すのが参考になった1局でした。