上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6二同金と馬を取った局面。ソフトの評価値+99978で先手勝勢。
8五に桂馬がいて先手は持ち駒がある程度そろっており、ここで先手の手番なのでうまくいけば後手玉を寄せきれそうです。
しかしこのような局面からの寄せが毎回まずいです。
後からこうすればよかったというのは多く、対局中に手が見えていません。
短い時間ということもあり直感で変な手が浮かべば、また新たに読み直すということがほとんどできません。
よって直感の手がどの程度精度がいいかによって形勢が大きく変わります。
即詰みの前の段階の寄せは簡単そうでも指し手の精度が悪すぎました。
実戦は▲5一角△7二金打で、ソフトの評価値+1614で先手優勢。
![](https://shogiamateur.com/wp-content/uploads/2024/06/240612倶楽部2.png)
この手順の▲5一角はソフトの推奨手ではなかったのですが、ソフトの候補手にあがっていました。
▲5一角は▲7三銀からの詰めろなのでこれでよしと思っていたんですが、手としては必勝に近い形から優勢になってかなり評価値を下げているので、精度はよくありません。
▲5一角に△7二金打とした局面は先手優勢でも仕切り直しという感じです。
△7二金打には▲8四桂△8七歩成▲7二桂成△同銀▲6二角成△9八と▲同玉△8六桂▲8七玉△9八角▲8六玉で、ソフトの評価値+4410で先手勝勢。
さすがにこの手順は先手にとっても怖い展開で、後手から△8七歩成~△9八と~△8六桂は先手の対応によっては詰んでもおかしくないので、読みが入ってないと指せないです。
自分の感覚としては△8七歩成がくる前に後手玉を寄せたくて、次に△8七歩成▲同銀△8六歩の瞬間に後手玉を寄せたいという感じです。
△7二金打で△8四角とされたときの次の手がよく分かっていなかったのですが、▲7三金△同金▲同桂成△同角▲同角成△同玉▲5一角△6二桂▲8五桂△8四玉▲6二角成△8五玉▲6八桂で、ソフトの評価値+99981で先手勝勢。
この手順は△8四角には普通に▲7三金から寄り筋だったようで、このあたりも全く手が見えていませんでした。
▲5一角と打つ筋はどこかででてきそうですが、ちょっと打つタイミングが悪かったようです。
▲5一角では▲7三金がありました。
▲7三金△同金▲同桂成△同玉▲5一角△6二桂▲8五桂△8四玉▲6二角成△8五玉▲6八桂で、ソフトの評価値+99979で先手勝勢。
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この手順は▲7三金から清算するのですが、なぜかこの手が全く見えていませんでした。
7三に玉がいるときに▲5一角と下から角を打つのが急所だったようで、△6二桂には▲8五桂がありました。
特段難しい手ではないのですが、玉を上部に引っ張り込むような寄せなので、寄せきれる自信がないと躊躇します宇。
後手玉が△7六玉~△6六玉~△5六玉のような形になると寄せきるのは大変ですが、最後の▲6八桂が7六からのルートを塞いで先手勝勢のようです。
▲6八桂で▲8六歩△7六玉▲7七金△同成銀▲同銀△6七玉▲6八金△5六玉▲5七銀▲4七玉▲4八金△3六玉は、ソフトの評価値-926で後手優勢。
このように王手をすればとりあえず自玉は詰まされることがないということで追い回すと最悪駒不足になって逆転してしまいますので要注意ですが、心理状態がよくないとこのような展開もありえそうなので気をつけます。
さっぱりした形にして玉を寄せるのが参考になった1局でした。