5三の地点で攻めを継続する

上図は、横歩取り青野流からの進展で△7二銀と上がった局面。ソフトの評価値+412で先手有利。

先手が▲8三角と打った手に△7二銀と上がった形です。

この局面は以前調べたのかもしれませんが、投稿した内容を振り返ってまで同じような局面があったかとか調べることはしていません。

その局面で精度のいい手が指せるかが大事で、以前調べたかどうかを思い出せないということは忘れているということなので、この局面を調べてみます。

この局面は先手有利だったのは気がつきませんでした。

実戦は△7二銀に▲7四角成としましたが、変化手順で△1九角成ならソフトの評価値+15で互角。

この手順は▲7四角成と馬を作る手で手厚いのですが、後手も△1九角成として香車を補充します。

後手玉も結構怖い形ですが、先手もすぐに決め手があるかというとそんなことはないようです。

香損は後からじわっと効果を発揮されそうで、後手は馬の利きもあり簡単ではなさそうです。

先手は2枚の桂馬が中央に働いていますが、先手の攻めは桂馬2枚に対して後手は5三の地点は3枚利いているので、数の攻めでは簡単に後手はつぶれないように見えます。

しかし▲7四角成では▲5三桂成左がありました。

▲5三桂左成△同銀▲同桂成で、ソフトの評価値+379で先手有利。

この手順は▲5三桂左成と殺到する手ですが、銀と桂桂の交換で先手は少し駒損になります。

一般的には駒損する方は、ゆっくりした展開になると駒損が響いて戦力不足になることがあるので、どんどん攻めを継続することになります。

▲5三同桂成に後手は△同角か△同玉になります。

△5三同角なら▲8二飛△6四角▲7二角成△8二角▲同馬△8六桂▲8八金△7六桂▲5五馬△8八桂成▲同馬で、ソフトの評価値+616で先手有利。

この手順は△5三同角には▲8二飛が相手の玉が2段目にある場合にある手で、以下△6四角には▲7二角成~▲8二馬とします。

後手は△8六桂~△7六桂もうるさい攻めで、後手の持ち駒に飛車があるので受け方と間違えると先手は悪くなりそうです。

△7六桂には▲5五馬がいい手で、以下△8八桂成▲同馬で意外と飛車の打ち場所がないようです。

以下△8七歩▲同馬△8九飛なら▲8八銀打で、ソフトの評価値+1356で先手優勢。

△5三同玉なら▲7二角成△同金▲5一飛△5二歩▲8一飛成△9四角▲4五桂△4四玉▲5六銀で、ソフトの評価値+958で先手優勢。

この手順は△5三同玉には▲7二角成~▲5一飛がありました。

後手は守りが薄いので、飛車を打ち込む形になり駒を補充する展開になるのが先手のりそうです。

▲8一飛成に後手は△9四角として▲7二龍を防ぐと同時に△6六桂を狙ってきました。

それに対して▲4五桂~▲5六銀が興味深い指し方です。

▲5六銀は4五の桂馬にひもをつけた手ですが、△6六桂と打たれても問題ないと言っています。

普通は△6六桂と打たれないように受けるのかと思っていたのですが、打たせてもいいということを考えるのが最初から違っています。

▲5六銀以下△6六桂▲6九玉△7八桂成▲同銀△3五歩▲2一龍△7六桂▲7七銀△3一金▲3三銀△3四玉▲3一龍△同角▲4六桂△2五玉▲1六金△1四玉▲2六桂△同飛成▲同金で、ソフトの評価値+5188で先手勝勢。

この手順は△6六桂に▲6九玉と低く逃げて耐えているようです。

その後も△7六桂と詰めろをかけますが、▲7七銀として△3一金には▲3三銀~▲3一龍~▲4六桂で後手玉が寄っているようです。

この寄せも簡単ではありませんが、これくらいの切れ味がないと終盤で勝ち切るのは難しいようです。

少しでも指せるように力をつけたいです。

5三の地点で攻めを継続するのが参考になった1局でした。