飛車の打ち込みに対する受け方


上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△4七歩と打った局面。ソフトの評価値+727で先手有利。

駒割りは飛車と金銀の交換に2枚替えで先手駒得です。

ただし、△4七歩と打った局面は後手の持ち駒に飛車と角がありいつでも先手陣に打ち込む筋があるので、先手としても気を使います。

実戦は▲4七同角△4六歩▲5六角△2八飛▲3八銀で、ソフトの評価値+1137で先手優勢。

実戦の手順は△2八飛に対して▲3八銀の受けが少し甘かったようで、▲3八銀では▲3九金△2六飛成▲1七銀△2七龍▲2八歩で、ソフトの評価値+2104で先手勝勢。

▲3九金とすれば後手の飛車が取れていた形なので、この手を選択した方が分かりやすかったです。

なお、▲4七同角はソフトの推奨手だったのですが、▲4九金もあったようです。

▲4九金△2九飛▲7一金△6一金▲同金△同玉▲3九歩で、ソフトの評価値+796で先手有利。

この手順の▲4九金は一段金になりますので、飛車の打ち込みには強くなりますが5六の角の利きがなくなります。

角の利きがなくなったので△2九飛と打ってきたら、このタイミングで▲7一金が見えづらいです。

▲7一金は▲4二銀の詰めろですが、後手は△6一金とすると詰めろがほどけます。

以下▲6一同金△同玉に▲3九歩と打って受けて、後手の手番になりしかも持ち駒に金が増える形になります。

▲3九歩に△4八歩成なら▲2九角△4九と▲8三銀で、ソフトの評価値+3350で先手勝勢。

この手順は△4八歩成には▲2九角と飛車を取る手があり、△4九とは先手玉に詰めろでなく▲8三銀と打つと▲7一飛以下の詰めろ飛車取りなので先手勝勢です。

▲4九金以下△7二玉なら▲4二と△6三銀▲4三歩成で、ソフトの評価値+1006で先手優勢。

この手順は△7二玉と早逃げして▲8三銀の筋を消したのですが、▲4二と~▲4三歩成でと金2枚を寄せていくことで方針が分かりやすくなります。

なお最初の局面図の△4七歩では△3九飛も気になります。

△3九飛▲4三歩成△同銀▲4九歩で、ソフトの評価値+1102で先手優勢。

この手順は△3九飛は△5九角や△1九飛成の筋があり、両方を防ぐのは難しく見えます。

△3九飛に▲5九銀と金駒を打って受けるのは安全なようですが、△4七歩▲同角△1九飛成で、ソフトの評価値-465で後手有利。

このあたりが将棋の難しいところで、金駒を打って自陣を安全にすると手持ちの持ち駒が少なりなり攻めの手がなくなってきます。

△4七歩に▲同角の形は△4六香のような狙いもあり先手が指しづらくなったようです。

△3九飛には▲4三歩成が浮かびにくい手で、△同銀とさせて▲4九歩と打ちます。

4筋の歩を成り捨てることで▲4九歩と底歩で受ける形ですが、3二のと金が取られそうで先手失敗にも見えます。

しかし△3二銀には▲2八銀とすれば後手の飛車が取られてしまいます。

▲4九歩に△1九飛成とすれば飛車は取られませんが、▲4二金は少し重たくて▲8三銀△8四飛▲7四金で飛車を取りにいきます。

▲7四金に△同飛▲同銀成は次に▲4一飛△5二玉▲4二との詰めろになります。

△7四同飛以下▲同銀成△3二銀▲7一飛△6一金打▲9一飛成△4七歩▲同角△4六香▲6四香△4七香成▲6二香成△4二玉▲6一龍△5九角▲7九玉で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は△3二銀とと金を取られますが、先手は飛車を持ち駒にしたので▲7一飛~▲9一飛成が厳しいです。

後手も△4七歩から攻め合いにいきますが、▲6四香からの攻めが早く先手勝勢のようです。

飛車の打ち込みに対する受け方が参考になった1局でした。