上図は、横歩取り青野流からの進展で△8六桂と打った局面。ソフトの評価値+642で先手有利。
駒の損得はなく△8六桂は後手の狙い筋で、安い駒で金駒を攻めるのがよくある手です。
対局中は後手の龍の利きで受けにくいかと思っていましたが、この局面が先手有利だったのは気がつきませんでした。
このような玉の薄い将棋で受け損なうと形勢に大きく影響します。
実戦は▲7三歩成だったのですが以下変化手順で△7八桂成▲6二と△同金で、ソフトの評価値-673で後手有利。
![](https://shogiamateur.com/wp-content/uploads/2024/06/240618倶楽部の2の2.png)
この手順は、▲7三歩成として△同銀なら7筋の歩が切れるのでそれから考えようと思っていました。
考えがまとまらずに▲7三歩成としたということですが、これが甘い手だったようで△7八桂成と踏み込む手があったようで、以下▲6二とに△同金と進みます。
この局面は後手から次に△7九成桂が厳しいので先手は何か受けることになりますが、▲7六歩と打っても△6九角▲4八玉△4五龍が△4七龍からの詰めろになっていますので先手が悪いです。
このような展開はぼろぼろと駒を取られて勝負どころがなくなっていくパターンで、先手としては最悪だったようです。
やはり安い駒でぼろっと金を取られる形は、玉が薄いとすかすかになるので避けた方がよかったです。
その受け方が分からなかったので▲7三歩成としたのですが、このような局面の直感はやはり大事だったようです。
先手の持ち駒に香車があって、後手は7一に歩があることが分かれば次の手はそんなに難しくはなかったようです。
▲7三歩成では▲7七香がありました。ソフトの評価値+615で先手有利。
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この手順は▲7七香と龍取りに打つ手で、後手の龍の利きを止めるならこれが自然だったようです。
▲7七香に後手は2通りの手があります。
1つは△7八桂成です。
△7八桂成▲7五香△6九角▲4八玉△7九成桂▲7三歩成で、ソフトの評価値+2355で先手勝勢。
この手順は△7八桂成に▲7五香と龍を取るのが分かりやすく、△6九角~△7九成桂で飛車と金銀の交換の2枚替えですが、▲7三歩成が厳しく先手勝勢です。
先手は9一の馬が遠くから自陣に利く形なので、先手玉は意外としっかりしているようです。
もう1つは△4五龍です。
△4五龍▲8六飛成△5五桂▲4八金△4一玉▲7三歩成△5一銀▲6三と△3一玉▲6四馬で、ソフトの評価値+1128で先手優勢。
この手順は△4五龍と桂馬を取られますが▲8六飛成で桂馬を取り返すことができ、△5五桂で4七の地点を狙いますが▲4八金で受かっているようです。
後手は△4一玉と早逃げしますが、▲7三歩成~▲6三と~▲6四馬と駒を活用できる筋で先手優勢です。
なお△4一玉で△7二歩としても▲7三歩成△同歩▲同香成で香車が活用できるのでこれも先手が指せていたようです。
これらの手順を比較すると分かりますが、玉の薄い形で受け方を間違えると将棋がだめになりやすいですが、精度のいい手を選択すると攻守のバランスがとれて形勢もそれなりに保てているようです。
受けに回る局面も、攻めのときと同様に腰を据えて読めるようにして形勢を損ねないようにしたいです。
龍の利きを香車でとめるのが参考になった1局でした。