対抗形での居飛車の手の組み合わせ


上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲7八金とした局面。ソフトの評価値±0で互角。

△7六歩と突いた手に7七の金が▲7八金と引いた形です。

最近は三間飛車に急戦策を取ることが多く、少し戦型に幅がでてきたと思っています。

ただし、対抗形で急戦調の将棋の数が少ないので、まだ感覚的になじんでいない部分が多いです。

本局もそんな感じでこういう局面が勝負所なのですが、ここらへんで精度の悪い手を指すと一気に形勢が開いてしまいます。

先手から次に▲7三歩成の狙いがありますので、後手は何かしなければいけません。

最初は△7四同飛が浮かびましたが、角をどこかに打たれると面倒だと思いました。

それで△8八歩と打ちましたが、これが悪かったようです。

△8八歩▲7三歩成△8九歩成で以下変化手順で▲7五角で、ソフトの評価値+920で先手優勢。

この手順の△8八歩はやや苦し紛れに打った手で▲同金とされてもよく分かってなかったのですが、▲7三歩成とするのが自然なようです。

△8九歩成として次に△5七桂狙いで、これでも後手が少し無理っぽいかと思っていましたが▲7五角があったようです。

△5七桂を防がれた上に飛車取りで、△8一飛には▲7四とからと金を働かせる筋で後手が悪いです。

3段目のと金と1段目のと金では3段目の方が活用しやすいので、いくら△7四同飛と指したくないとはいえ△8八歩と打つのでは苦しいです。

△8八歩では△7四飛がありました。ソフトの評価値-73で互角。

この△7四飛は桂馬を取られないようにするにはこれしかありませんが、後手は飛車と桂馬が狭いので先手の持ち駒の角で狙われそうです。

それに対して後手が切り返すことができるかという形になりそうです。

△7四飛に▲8三角なら△7五飛と△8四飛の2通りがあります。

△7四飛に▲8三角△7五飛▲7四歩△8二歩▲7二角成△7四飛▲8二馬△3五歩で、ソフトの評価値+41で互角。

この手順は▲8三角に△7五飛と浮く手で、この手が浮かびづらかったです。

飛車が浮くことで角からいじめられることは少なくなります。

▲7四歩の桂取りに△8二歩が気がつきにくく、▲7二角成に△7四飛と辛抱して▲8二馬に△3五歩の戦線拡大がうまいです。

△3五歩に▲同歩なら△6四角と打つ狙いで、▲同歩と取らなくてもどこかで△6四角と打って先手玉のコビンを狙います。

△7四飛に▲8三角△8四飛▲7二角成△6四角▲7四歩△同飛▲8三馬△7五飛▲8四馬△3五歩で、ソフトの評価値-145で互角。

この手順は後手は飛車を横に使う手で、▲7二角成に△6四角が攻防の手のようです。

桂馬を守ると同時に△3五歩で先手玉のコビンを狙います。

△7四飛に▲7二角なら△7七歩成▲同金△8五桂▲5四角成△同歩▲8五歩△3三桂で、ソフトの評価値-229で互角。

この手順は▲7二角には△7七歩成~△8五桂で、以下角と銀桂の2枚替えですが、後手は角2枚を持ち駒にして△3三桂でいい勝負のようです。

△7四飛に▲6一角なら△8二歩▲7二角成△8五桂▲5四馬△同歩▲8五歩△6六角で、ソフトの評価値-266で互角。

この手順は▲6一角には△8二歩と打って▲8三角成を防ぐのが気がつきにくい手で、▲7二角成とすれば△8五桂と跳ねて以下角と銀桂の2枚替えの展開です。

後手は2枚替えは少し駒損ですが、△6六角が味のいい手なのでいい勝負のようです。

△7四飛に▲8二角なら△8八歩▲同金△9九角▲7八金△7七歩成▲同桂△同角成▲同金△同飛成で、ソフトの評価値-426で後手有利。

この手順は▲8二角は次に▲9一角成の狙いですが、この瞬間が少しぬるいため△8八歩~△9九角で以下角と金桂の2枚替えで後手が指せるようです。

今回の居飛車の指し方は、△7五飛や△3五歩や△6四角や△8五桂や△8二歩や△8八歩~△9九角など自分の気がつかない手が多かったです。

対抗形での居飛車の手の組み合わせが参考になった1局でした。