2筋の香車に受けるかどうか


上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲2六香と打った局面。ソフトの評価値-116で互角。

対抗形から振り飛車側が▲2六香と打って▲2三香成を狙う形はたまにでます。

特に1段目に飛車がある場合はそれに対して居飛車側は受けることが多いのですが、本局のような場合はどうなのかという形です。

駒の損得はなく、次に▲2三香成△同玉▲3一龍がどの程度厳しいのか、また受けた場合はどうなのかが気になります。

対局中は受けた方が無難と思いました。

実戦は△2四歩だったのですが、変化手順で▲6五桂でソフトの評価値+498で先手有利。

この手順は△2四歩と突いて、▲同香なら△2二歩と下から歩を打って受けるつもりでした。

実戦は△2四歩に変化手順ですが▲6五桂と跳ねる手がいい手だったようで、直接的な手ではありませんが次に▲5四歩△同歩▲5三歩の叩きが厳しいです。

遊んでいた桂馬が活用できそうな形で、これは振り飛車の理想的な展開だったようです。

なお△2四歩に▲同香と取るのはあまりいい手ではないようで、▲同香には△2六歩▲同歩△7六歩として将来△2七歩の叩きで勝負するのがよかったようです。

2六に香車がいることで△2六歩の叩きを消しているとも言えます。

△2四歩では△7六歩がありました。ソフトの評価値-83で互角。

この手順は△7六歩と取り込む手で、後手の理想は△7七歩成~△6八とですがさすがに手数がかかるのでこの瞬間の先手の手が気になります。

△7六歩に▲6五桂なら△7七歩成で、ソフトの評価値-193で互角。

この手順は▲6五桂に△7七歩成として攻めを継続します。

△7七歩成に▲5九銀と逃げるのは危険で、△2七桂成▲同玉△2六角▲同玉△3五銀▲2五玉△2四香▲3四玉△4四銀で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲5九銀とすると後手の龍が先手玉を直通する形になるので△2七桂成~△2六角があります。

△7七歩成に▲4五歩なら△3三角▲5九銀△4七銀▲同金△同桂成▲4八銀打△同桂成▲同銀△6七とで、ソフトの評価値-484で後手有利。

この手順は▲4五歩△3三角として後手から△2六角のような手を消してから▲5九銀と受けに回りますが、△4七銀からくいついて後手が少し指せているようです。

ただし、いつでも▲2三香成の筋があるのでこれも結構大変です。

△7六歩に▲2三香成なら△同玉▲3一龍△3二銀▲3六歩△6八と▲2五銀△2四歩▲3四銀△同玉▲3五歩△2三玉で、ソフトの評価値-903で後手優勢。

この手順は▲2三香成~▲3一龍は狙い筋ですが、△3二銀と受けられるとその後が意外と手がありません。

先手の持ち駒は銀と歩なのですがやや駒不足のようです。

以下▲4五歩~▲3六歩として3五の桂馬を取りにいくますが、3六の地点があくと後手から△3六桂のような手もあるので少し指しにくいです。

よって▲2五銀として3六の地点を補強しましたが、△2四歩と催促して後手が少し指せているようです。

本局は2筋を攻められても後手の持ち駒に銀があるのと、4四に角がいるので2二の地点の受けが可能で意外としっかりしていたようです。

今回はややレアケースだったようですが、2筋は受けなくてもいいという形でした。

2筋の香車に受けるかどうかが参考になった1局でした。