相手の攻めを見切って決めにいく

上図は、横歩取りからの進展で△8五飛と打った局面。ソフトの評価値+2234で先手勝勢。

先手が桂得して持ち駒に飛車があるので先手がいいです。

先手は1一に馬がいて8八の地点に利いていますが、いつでも後手から△8八歩成▲同銀△6七角成▲同金△8八飛成のような筋が気になります。

対局中に形勢がいいと思っているとつい安全に指したくなります。

それがいい方向にでればいいのですが、決めるべき局面で決めにいかないと手数が伸びて少しずつあやしくなることがあります。

本局は△8五飛に▲6八玉と安全に指したつもりが疑問手だったようで、ソフトの評価値+1420で先手優勢。

▲6八玉には△3三桂と跳ねて、取れる形の桂馬に逃げられて先手はだいぶ損をした感じです。

▲6八玉では▲1二飛がありました。ソフトの評価値+2254で先手勝勢。

この手順は▲1二飛として局面を決めにいきます。

先手の狙いは次に▲2一馬から飛車と馬を使って相手の金駒を取りにいきます。

後手はこれが分かっていても受ける手がないようで、▲1二飛に△3三桂としても▲同馬と取られてしまいます。

▲1二飛以下△5一金▲2一馬△8八歩成▲3一馬で、ソフトの評価値+2957で先手勝勢。

この手順の△5一金は受けに回った手ですが、▲2一馬と桂馬を補充します。

先手の馬の利きがそれたことで△8八歩成として、▲同銀なら△6七角成▲同金△8八飛成を目指します。

それでも先手がいいのですが、△8八歩成に▲3一馬とするのが早いようです。

相手の攻めを見切って決めにいくことで局面を分かりやすくする方向にもっていきます。

▲3一馬に△7九となら▲3二飛成△4二銀▲同馬△同金▲4一銀△6一玉▲4二龍で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は△7九とには▲3二飛成以下寄せが決まる展開で、▲4二龍となった局面は後手は受けなしです。

△1五角や△8六角の王手龍取りで龍を抜く筋もありませんので受けがありません。

▲3一馬に△7八となら▲3二飛成△6一玉▲6四桂△同歩▲6三銀△5二金打▲4一馬で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は▲3二飛成△6一玉に受けに回るのでなく、▲6四桂~▲6三銀と決めにいきます。

どちらも詰めろなので後手は受けるだけになりますが、△5二金打としても▲4一馬で後手は金駒がありませんので受けがありません。

最近将棋を指していると、勝勢の局面から甘い手を指して形勢が振り出しに戻るということがよくあります。

決めに行く局面で甘い手を指すともつれることがあるので気をつけていはいるのですが、そのときの心理状態などでうまく指せないことがあるので、ここらへんを乗り越えたいです。

本局は強い人から見れば当然の手の流れでしょうが、自分には指せなかったのでこの局面を取り上げました。

相手の攻めを見切って決めにいくのが参考になった1局でした。