上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3五桂と打った局面。ソフトの評価値-2288で後手勝勢。
局面は終盤戦なので駒の損得はほとんどありません。
△3五桂は詰めろで、次に△4七桂成▲同玉△5八龍▲3七玉△3六歩▲同玉△4七銀▲3五玉△2三桂▲2四玉△1四金まで詰みです。
ただし、実戦は後手玉もそれなりに危険でこの瞬間が先手の手番なので怖い形だと思っていました。
一方ソフトは、この局面はすでに大差で後手が間違えなければ先手玉を寄せきれるような局面のようです。
人間の感覚とソフトの評価値は読みの量が全く違うのでこのあたりを少しでも埋めたいと思いますが、棋力の差が大きすぎて無理みたいです。
ソフトは△3五桂に▲3四銀を推奨していました。
▲3四銀と打てば、どこかで△2三桂と王手をした形にときに▲同銀成とするあやがあります。
玉頭戦は盤上に駒を埋めて少しでも手厚い形にするとそれだけで複雑な変化が生じることがあります。
▲3四銀には△4七桂成▲同玉△3五桂▲3六玉△3八龍▲3七歩△2三銀で、ソフトの評価値-4725で後手勝勢。
この手順の△4七桂成~△3五桂と決めにいきますが、▲3六玉で▲3七玉なら△3八龍▲同玉△4七銀▲3七玉△3八金まで詰みです。
よって▲3六玉と逃げたのですが、△3八龍と下から追います。
△3八龍に▲3七歩としましたが、▲3七桂なら△2七龍▲3五玉△3六金▲2四玉△1五銀まで詰みです。
よって▲3七歩と受けて△3六金の筋を消したのですが、次の△2三銀がなかなか見えづらいです。
△2三銀に▲同銀成なら△同玉▲3一龍△4七龍▲3五玉△3四銀まで詰みです。
変化はありそうですが、このような手の流れなら後手が勝てそうです。
なお実戦は△3五桂に▲5七金としたため△4七桂成で、ソフトの評価値-99990で後手勝勢。
この形での△4七桂成と進めば先手玉が寄りのようです。
△4七桂成に▲同金なら△2八銀▲3六玉△3五歩▲同玉△2三桂▲2四玉△1四金まで詰みです。
△4七桂成に▲同玉も△3六銀▲同玉△3八龍▲3七桂打△3五歩▲同玉△2三桂▲2四玉△1四金まで詰みです。
対局中は最初の局面図の△3五桂には▲3三銀が気になっていました。
▲3三銀△同桂▲同歩成で、ソフトの評価値-1814で後手優勢。

この手順の▲3三銀に△2三玉なら▲2四銀成以下詰みなので取る1手ですが、△3三同金としますと▲5二龍~▲3三歩成で金を2枚取られます。
さすがにそれはまずいので▲3三銀には△同桂としますが、▲同歩成の対応が気になります。
▲3三歩成に△同玉なら▲3一龍△3二金打▲2二角△3四玉▲8八角成△4七桂成▲同玉△3五桂▲5七玉△3一金▲6七玉で、ソフトの評価値-822で後手優勢。
この手順は▲3一龍~▲2二角~▲8八角成でお互いの飛車が持ち駒になると戦いが振り出しに戻るようです。
▲3三同歩成以下△同金▲5二龍で、ソフトの評価値-2024で後手勝勢。

この手順は△3三同金とすると▲5二龍と金を取られます。
しかもそれが王手になるのでぱっと見で油断できない形です。
▲5二龍以下△4二金▲4一角△2一玉で、ソフトの評価値-3256で後手勝勢。
この手順は△4二金と手堅く打って▲4一角には△2一玉と深く引きます。
先手は2筋に歩が使えないことや、持ち駒の桂馬が1枚しかないのでこれで後手玉が寄らないようです。
▲5二龍の局面をじっくり見れば後手玉は寄らないと分かりそうですが、対局中はぼろっと金を取られるようではまずいと思っていました。
よって▲3三銀と打たれたら正確に対応できたかは不明ですが、将棋にはこのようなことがよくありそうです。
実戦に出ない変化手順が参考になった1局でした。