上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5五歩と打った局面。ソフトの評価値+60で互角。
この局面は後手が5筋と6筋を手厚く攻めるという形で、対局中は先手が大失敗して全然だめな局面と思っていました。
後手の飛車と角と銀の圧力の方が先手の陣形より働いていると思っていたのですが、この局面が互角だったのは全く意外でした。
だいぶ前に似たような将棋をみたときに、振り飛車が一方的に攻め切って勝った記憶が残っていて、このような形になるのは居飛車が悪いという先入観がありました。
先手としては受け損なったら敗勢みたいな形勢になりそうなので、ここは慎重に対応しないといけません。
実戦は▲9八玉だったのですが、以下変化手順で△5六歩▲同銀△6六歩▲同金△6五歩で、ソフトの評価値-658で後手有利。

この手順の▲9八玉は後手の角のラインから先手玉をずらした受け方です。
やや非常手段的なところはありますが、先手は攻めができないので何か受けに回るしかありません。
しかし▲9八玉はよくなかったようで、△5六歩~△6六歩の取り込みがありました。
△5六歩には▲同銀でも▲同金でも少し形が崩れるのですが、▲5六同銀に△6六歩が自然の取り込みで▲同金に△6五歩が意外と厳しいです。
先手としては後手の攻めをできるだけ受け止めて、反撃のチャンスを待つしかなさそうです。
△6五歩以下▲5五歩△6六歩▲5四歩△5七金▲6五銀打△7三桂で、ソフトの評価値-669で後手有利。
この手順は△6五歩に▲5五歩と受けに専念しますが、△6六歩▲5四歩と金駒を取り合ってから△5七金が厳しいです。
後手は4段目に歩が伸びて△5七金と打てば△6七歩成のような手が可能になりますので、これは後手がうまくいったようです。
後手としては金駒を持ち駒してそれを敵陣に打ち込んで、しかもと金ができるような展開は理想的です。
先手は2九の桂馬が攻めに使えておらず、また将来▲2四飛と活用できても後手が1段飛車なので▲2一飛成がすぐにできません。
▲9八玉では▲6五歩がありました。ソフトの評価値-38で互角。
▲6五歩に△7三桂なら▲5五歩△同銀▲5六歩△6六歩▲同金△同銀▲同銀△4六歩▲6四銀で、ソフトの評価値+4で互角。
この手順の△7三桂に▲5五歩は顔面受けみたいな受け方で、△同銀▲5六歩に△6六歩で後手の攻めが続くかどうかという展開です。
△6六歩には▲同金として以下△同銀▲同銀△4六歩に▲6四銀と打っていい勝負のようです。
自分は△5五銀の形のときに△6六歩と打たれるのは先手がもたないというイメージがあったのですが、▲同金とすると意外と粘り強い形のようです。
この形は先手の飛車のコビンが開いてないのも受けに役立っているようで、コビンが開いているとどこかで△5五角と出る手が飛車取りになることがありますが、開いていないのでそれは気にする必要がありません。
▲6五歩に△5六歩なら▲3三角成△5七歩成▲2四馬△6七と▲同金で、ソフトの評価値-49で互角。

このような受け方は初めて見たのですが、△5六歩▲3三角成としたときに△同桂でなく△5七歩成と銀を取ります。
△5七歩成に▲同金は△3三桂で先手が銀損になりますので▲2四馬としましたが、以下△6七と▲同金という展開です。
角と金銀の2枚替えで普通は駒損する先手が悪いのですが、この局面は不思議にも互角のようです。
先手の馬は▲5一馬や▲6八馬とする含みがあります。
どちらかというと▲6八馬と自陣に馬を引いて受けに使いたい感じですが、それで後手の手に対応できるかという形のようです。
不本意な展開も互角だったのが参考になった1局でした。