急所の歩を突いて相手の駒組みを崩す


上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲8六同歩と取った局面。ソフトの評価値-746で後手有利。

対局中は先手陣が少しバラバラなので何かうまい手がありそうな気もしましたが、見つけることができませんでした。

実戦は△3三桂▲3五歩で、ソフトの評価値+37で互角。

この手順は△3三桂と跳ねて△4五歩や△4五桂を狙ったのですが、▲3五歩と後手の角の利きを止められて逆に後手の桂頭を狙われる形なので後手が少し損をしたようです。

△3三桂と跳ねたことで後手の角は可動域が狭くなり、大駒は接近戦に弱いので先手の金の圧力に押されそうです。

最悪後手は角と金の交換になりそうな感じなので、あまりうまくいってないようです。

△3三桂では△4五歩がありました。

△4五歩▲同桂△8六飛で、ソフトの評価値-817で後手優勢。

この手順は△4五歩と突く手ですが、先手は▲4五同桂とするしかありません。

4六の金には6八の角のひもがついているので技がなさそうですが、ここで△8六飛がありました。

普通は△8六飛のような手はないのですが、▲同角なら△4六角▲1七玉△7九角成で、ソフトの評価値-2950で後手勝勢。

この手順は△4六角とすると王手飛車取りになりますので、駒得が大きく後手勝勢です。

△8六飛に▲3五金なら△同歩▲8六角△3六歩▲6九飛△4六角▲1七玉△3七歩成で、ソフトの評価値-4595で後手勝勢。

この手順の▲3五金ははっとする手ですが、堂々と△同歩とする手があり▲8六角で火飛車を取られますが△3六歩が次に△7九角成の飛車取りで、▲6九飛には△4六角~△3七歩成で後手勝勢です。

△8六飛以下▲3五歩△8八飛成▲5八金△4四歩で、ソフトの評価値-935で後手優勢。

この手順は▲3五歩として後手の角の利きを止める手ですが、△8八飛成と後手だけ飛車が成れて理想的な形です。

しかも▲5八金に△4四歩と打って桂馬を取れる形になりました。

平手の将棋でなかなかこのようなことにはなりませんが、うまく急所に技がかかると勝負所がなくなるような形勢になります。

△4四歩以下▲2五歩△3五角▲同金△同歩▲3三歩△同桂▲同桂成△同銀▲3七歩△3二金で、ソフトの評価値-878で後手優勢。

この手順は自分にとっては意外だったのですが、▲2五歩の角取りに△3五角とするのが気がつきません。

△3五角とすると角と金の交換になり後手は大駒が1枚なくなるのですが、3五の歩と4六の金が後手玉に近い形なので、その駒を消すことで後手玉しっかりするようです。

また▲3三歩に△同桂から桂交換になるのもやや意外で、後手は△4四歩と打っていた形なので桂得を目指したかったのですが、桂馬の交換でも後手よしの判断が冷静なようです。

後手の方が玉がしっかりしているのと、飛車が成れているのが大きいようです。

飛車が成れたら安全勝ちを目指そうとか確実に駒得しようという考え方になりがちですが、安全重視で指そうとすると駒が伸びないことがあるので、そのような局面でも精度のいい手を指すのが大事なようです。

急所の歩を突いて相手の駒組みを崩すのが参考になった1局でした。