上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲1八香と上がった局面。ソフトの評価値-878で後手優勢。
駒割りは角と金の交換で後手は1二に金を打たされた形で少し苦しいかと思っていましたが、この局面は後手優勢だったようです。
▲1八香は1九の香車が上がったのですが、▲1九飛~▲1四香のような狙いで、後手がゆっくりできない形に見えます。
そのような意味で、▲1八香に△3四金と上がって3五の角を追い払おうとしましたがこの手はあまりよくなかったようです。
実戦は△3四金だったのですが以下変化手順で▲1九飛△3五金▲同角で、ソフトの評価値-129で互角。

この手順は△3四金には▲1九飛と回る手があったようで、△3五金と角は取れますが▲同角で今度は3四の地点が弱く見えます。
後手は4三の金が1枚いなくなると上部が弱くなる形で、△3四歩と打っても▲4四角で▲4五桂とか▲6五歩の龍取りがうるさく後手は忙しいです。
3五の角に働きかけるというのはよかったようですが、その方法が少しまずかったようです。
△3四金では△3四歩がありました。
△3四歩▲4六角引△9九龍で、ソフトの評価値-784で後手有利。

この手順は△3四歩と3筋の傷を消してから△9九龍は香車を補充する手ですが、対局中は全く見えていませんでした。
後手の8八の龍は5八の金を直通する形で睨んだおいた方がいいと思ったからですが、△9九龍と一時的に駒を補充しても龍の働きが少し悪くなるのでこの瞬間に先手からいい手があるかが気になります。
△9九龍に▲1九飛なら△3五香▲4七金△5三銀▲3五銀△同歩▲同角△3四歩▲1三角成△同金▲1四香△8八龍▲7八歩△1四金▲同飛△3一玉で、ソフトの評価値-1477で後手優勢。
この手順は▲1九飛と1筋にプレッシャーをかけてきた手に、△3四歩と打った手の効果で△3五香と受けながら攻めるのが大きいです。
△3四歩~△3五香というのがセットみたいな手で、△3五香では1筋の数の受けということで△1一香もありそうですが、受け一方の手なので相手が安心してしまいます。
△3五香に▲4七銀と引くのは△3七香成▲同角△4五桂で角の両取りになります。
よって形は悪いのですが、▲4七金として上部を手厚くして受けますが、そこで△5三銀が味がいいです。
6四の銀がやや遊んでいたので遊び駒を活用してすることで自陣が引き締まります。
先手は▲3五銀~▲3五同角として1筋を攻めることに活路を求めますが、△3四歩が少し指しにくいです。
▲1三角成~▲1四香として後手玉に詰めろがかかりますが、龍の王手を入れてから△1四金~△3一玉がうまいです。
特に△3一玉は▲1三角成からの詰めろを早逃げで受けた形で、3一に逃げた形は金銀が4枚まとまっておりしっかりしています。
1筋を踏ん張って数の受けをするのでなく、早逃げで1筋を明け渡して△3一玉~△4二玉のルートで、相手の攻めをいなしながら攻め合い勝ちを目指せるという大局観のようです。
1筋をどこまで踏ん張って受けて、どこかで明け渡す受け方をするかというのが面白いところです。
端攻めに対する受け方が参考になった1局でした。