少し作戦負けの局面からの指し方

上図は、相居飛車からの進展で△9四歩と突いた局面。ソフトの評価値-104で互角。

この局面の先手の駒組みは7六の銀が浮いているのと、2五の中段飛車がやや受け一方の形です。

また3八の銀が低い陣形で構えており活用しづらい形なので、やや先手が作戦負けみたいです。

3八の銀を活用するなら4六の角を移動してから▲4六歩から▲4七銀とかですが手数がかかります。

また▲3七銀と上がる手は4六の角と2五の飛車との位置関係が悪く、それなら3八の銀のままの方がよさそうです。

そのような意味でこの局面の先手の指し方は難しいと思っていましたが、とりあえず▲3七桂としました。

実戦は▲3七桂だったのですが、以下変化手順で△8六歩▲同歩△同飛▲8七金△8四飛▲8六歩△5五歩で、ソフトの評価値-238で互角。

この手順は▲3七桂とした手に、変化手順で後手は8筋の歩を交換してから△5五歩と突く手です。

先手は7六の銀にひもをつけるため▲8七金としましたが、相手の攻め駒の近いところでの受け方としては空中分解するような危険な形です。

▲8六歩に△5五歩が味がいい手で、これで先手の角と飛車の両方の利きが止まります。

また▲5五同歩とすると△7五銀とぶつけられて戦いを起こされますし、将来△5六歩のような垂れ歩も生じますので先手はまとめづらいです。

このような形だと6八の玉はかなり薄く、3八の銀と4九の金がほとんど守りに役立っていません。

部分的な形では先手の玉の位置は6八でなく、相手の攻め駒から遠く金銀の連結のいい3九の位置がいいくらいです。

▲3七桂では▲6七銀がありました。

▲6七銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8四飛▲5八玉△7四飛▲7七歩で、ソフトの評価値-77で互角。

この手順は浮き駒である7六の銀を▲6七銀と引いて使う形です。

これで銀にひもがつきましたが、後手から△7五銀とされたときの対応が気になります。

▲6七銀に△7五銀なら▲3七桂△8六歩▲同歩△同銀▲5八玉で、ソフトの評価値-128で互角。

この手順は▲6七銀に△7五銀なら▲3七桂と跳ねて桂馬を活用します。

後手が8筋の歩の交換から△8六同銀とすれば▲5八玉と早逃げをするのがしぶといです。

6八の玉のままで踏ん張ると△8七銀成とした形が次に△7八成銀で王手になります。

▲5八玉に△8七銀成は▲8五歩△同飛▲同飛△同桂▲8七金があります。

よって▲6七銀に△8六歩から歩の交換をしました。

以下▲5八玉△7四飛に▲7七歩と下から歩を打って受けます。

▲7七歩はあまりいい形ではありませんが、▲7六歩と打っても△7五歩で合わせられますので仕方ないようです。

▲7七歩以下△3四歩▲3七桂△8四飛▲4八玉△5三銀引▲2九飛△4四銀▲5八金で、ソフトの評価値-205で互角。

この手順の先手の駒組みは苦心の手ですが、▲4八玉と後手の攻め駒から遠い位置に早逃げして▲3七桂~▲2九飛型に組みます。

2九飛型で飛車の横の利きをいかすために▲5八金と上がります。

形勢は互角で少し後手持ちのようですが、実戦的にはまだこれからのようです。

少し作戦負けの局面からの指し方が参考になった1局でした。