簡単に香車を取られない手を指す


上図は、後手横歩取り△8五飛型からの進展で△5二玉とした局面。ソフトの評価値-121で互角。

先手が▲3一銀と打った手に4二の玉が△5二玉とした形です。

駒割りは飛車と銀香の交換の2枚替えですが、▲3一銀と打った手が少し重たいです。

対局中は先手が面白くない展開になったなと思っていました。

ただし、後から検討すると形勢は互角だったようで、先手は3一の銀と2二の馬と6六の桂馬が働くかどうかが大事になってきます。

実戦は△5二玉以下▲7四桂△2二金▲同銀不成△8四飛▲6二桂成△同玉で、ソフトの評価値-1180で後手優勢。

この展開は完全に先手失敗で、早めに▲7四桂を入れないと△8四飛で防がれてしまうと思い跳ねたのですが△2二金が冷静な手で、▲8二桂成としても△3二金で銀が取られそうな形です。

よって▲6二桂成と王手をしたのですが△同玉で後手優勢で、さっぱりした形になって後手玉への攻め手がなくなりました。

最初の形勢が互角だったことから、もう少し粘りのある手があったようです。

▲3一銀では▲3八銀がありました。

この手順は▲3八銀と上がる手ですが、部分的な形としてはよくある手です。

▲3八銀が飛車取りになるので気持ちはいいのですが、後手は飛車を逃げることになります。

▲3八銀に△2五飛成なら▲4六香△3四龍▲4三香成△同龍▲同馬△同玉▲7五歩で、ソフトの評価値-338で後手有利。

この手順は△2五飛成は2三の金にひもをつけた手ですが、後手は4三の地点が薄いので▲4六香とします。

以下△3四龍には▲4三香成から清算して▲7五歩と突いてどうかという展開です。

先手が少し駒損ですが後手玉も不安定で、後手有利ながらも互角に近い形勢です。

後手としては飛車を相手に渡すのは少し気になりますし、取れそうな1九の香車が取れないのはやや不満です。

▲3八銀に△1九飛成なら▲2三馬△2六桂で、ソフトの評価値+466で先手有利。

この手順は▲3八銀に△1九飛成▲2三馬と駒を取り合う展開ですが、次の△2六桂に対する受け方が少し難しいです。

▲3八銀の形で相手の持ち駒に桂馬があると△2六桂というのがよく出ます。

先手の囲いを攻めるのに安い駒で金駒を攻めてきます。

部分的な普通の受けは△2六桂に▲2九歩ですが△3八桂成▲同金△2九龍で、ソフトの評価値-1446で後手優勢。

この手順は最後の△2九龍が△3八龍と△2三龍狙いで、△2九龍に▲2八金打としても△6九角▲6八玉△3八龍▲同金△5八金まで詰みですので先手失敗です。j

△2六桂以下▲2九金△3八桂成▲1九金△4九成桂▲同玉△1六角▲3八桂で、ソフトの評価値+46で互角。

この手順は△2六桂に▲2九金とはじいて受ける手で、龍取りなので後手は決断を迫られます。

▲2九龍に後手が△1七龍と逃げれば龍は取られませんが、先手陣は少し安全になって▲7四桂と活用することができますので、この展開は後手はあまり面白くないようです。

▲2九金には△3八桂成と踏み込みたくなります。

△3八桂成▲1九金△4九成桂▲同玉△1六角で先手玉も守りが薄く危ない形ですが、▲3八桂と打ってどうかという形です。

▲3八桂に△2七銀という手はありますが、▲3九香や▲2九金のような受けがありますので意外と簡単には先手玉は寄らないようです。

▲3八桂以下△3六歩▲3二飛△6一玉▲7四桂で、ソフトの評価値+126で互角。

この手順は▲3八桂に△3六歩と攻めてきたのですが▲3二飛と攻防に打つ手があり、△6一玉に▲7四桂でいい勝負のようです。

これらの展開を見ると▲3八銀は有力な手だったようです。

簡単に香車を取られない手を指すのが参考になった1局でした。