上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲5二金と打った局面。ソフトの評価値+252で先手有利。
▲5二金は次に▲4一龍からの詰めろで、後手は受けるのが難しいので全然ダメかと思っていました。
局後の検討でこの局面が先手有利とはいえ、互角に近い形勢だったのは驚きました。
全く形勢判断ができておらず、終盤力が弱いようです。
後手から△5八歩成はありますが、先手玉に即詰みはないので後手は受けに回るしかなさそうです。
実戦は▲5二金以下△3一金▲4一金打△5八歩成▲同飛△5五香▲4二金寄で、ソフトの評価値+1588で先手優勢。
この手順の△3一金は詰めろを消した手ですが、▲4一金打と数の攻めで後手は受けが難しくなりました。
先手は龍と2枚の金が働いており、王手で▲8三龍と銀を補充する手も回りそうで後手に手番が回ってこない形です。
先手有利の局面が数手でこのような展開になるのは、やはり後手の指し手のどこかがまずいです。
△3一金では△5一金がありました。ソフトの評価値+331で先手有利。

この手順は△5一金と打って詰めろを消す手ですが、5一の金は捨て駒になります。
△5一金に▲同金なら△5八歩成▲同飛△5五香で、ソフトの評価値-1223で後手優勢。
この手順は▲5一同金と取った手が詰めろでないため、△5八歩成▲同飛△5五香で今度は先手玉に詰めろがかかって後手優勢になります。
普通は△5一金のただで金を取られるような受けはないのですが、▲5一同金が成立しないのが大きいです。
よって先手は▲4二金と王手で角を取ります。
△5一金以下▲4二金△同金で、ソフトの評価値+281で互角。

この△4二同金の局面で驚いたのが、これで意外と後手玉がしっかりしているようです。
△4二同金以下▲6四角△5八歩成▲同飛△5三香で、ソフトの評価値-740で後手有利。
この手順は▲6四角は▲3一金や▲4二角成から後手玉に迫るを狙っていますが、以下△5八歩成▲同飛に△5三香と受けて後手が有利のようです。
△5三香では△5三歩のような受けが浮かびますが、▲5四飛△同歩▲4二角成△同玉▲3一銀△5二玉▲4三金△同玉▲4一龍△5三玉▲4二龍△6三玉▲6四金まで詰みです。
この手順は▲5四飛~▲4二角成~▲3一銀で以下後手玉が詰んでいるようです。
△5三香と受けたのは▲5四飛なら△同香が王手になります。
数手前まで後手玉はかなり危険な形だったのが、△5一金からの数手でしっかりした玉になったのは意外でした。
なお△5一金と打って受けるのが大事で、△5一金の受けでは△5一香や△5一桂や△5一銀などがありそうです。
しかしこれらは▲4二金とされたときに、どの駒でも後手玉の守りが薄いです。
△5一香なら▲4二金△同玉▲6二金△4一金▲5一金△同金▲6四角で、ソフトの評価値+1964で先手優勢。
△5一桂なら▲4二金△同玉▲6四角△5三香▲同角成△同龍▲5一龍で、ソフトの評価値+99984で先手勝勢。
△5一銀なら▲4二金△同銀▲4一角△3三玉▲8三龍△5三香▲3二金△4四玉▲4二金△5八歩成▲同飛△6六桂▲5三龍△同玉▲5二角成△4四玉▲4三金△同銀▲5三飛成△3五玉▲3六銀△2六玉▲2七銀打△1五玉▲1六香まで詰みです。
これらの手順は受け方が悪いと後手玉が寄せられるパターンで、やはり△5一金と打って▲4二金に△同金の形で耐えるのが大事なようです。
意外な受け方で耐えるのが参考になった1局でした。