歩を突くことで駒が前進する

上図は、横歩取り△3三角型からの進展で△5四歩と突いた局面。ソフトの評価値+165で互角。

お互いに横歩を取り合った形で、歩の損得はありません。

△5四歩は▲5五銀を防いだ意味や、4二の角の活用の手です。

対局中は3六の飛車が少し狭いので活用しにくいのが気になってました。

浮き飛車は横や縦に使える反面、自分の駒が利きにいると狭くなるので狙われやすいです。

そのような意味で浮き飛車で戦うのは結構力がいる形だと思っています。

実戦は▲5六歩△3三桂▲5七銀で、ソフトの評価値-129で互角。

この先手の手順は冴えなかったようで、4六の銀を立て直すために▲5六歩と突いた感じで、将来▲5五歩と突くと飛車の横の利きが通るという意味はありますが、それによって後手がどうなるわけでもありません。

先手の飛車が6筋とか7筋に回っても後手の陣形はしっかりしているので、ここは3筋での戦いを考えた方がよかったです。

▲5六歩はあまりよくなかったのですが、次の▲5七銀ではまだ▲3七桂だったようです。

▲3七桂と跳ねると3六の飛車が狭くてまずいと思ったのですが、▲5七銀と引いても5七の銀は使いづらい形なのでいまひとつです。

▲3七桂と跳ねてどこかのタイミングで▲3四歩と突いてどうかという形だったようです。

▲5六歩では▲3四歩がありました。

▲3四歩△同銀▲4四角で、ソフトの評価値+127で互角。

この手順は▲3四歩と突いて4六の銀の動ける範囲を広げます。

本来4六の銀と3六の飛車は3筋で戦うという駒組みだったので、▲3四歩と突く手があったようです。

▲3四歩とついて3筋の駒がほぐれるという意味です。

▲3四歩と突いて△同銀とした形は先手の歩損になりますが、▲4四角とすれば歩を取り返せて角の活用が見込まれます。

▲4四角の局面は互角ですが、気分的には先手がうまくやった感じです。

▲4四角に△3三金なら▲3五銀△同銀▲同角△3四飛▲5三銀△同角▲同角成△同業▲3四飛△同金▲5一飛△5二銀▲8一飛成で、ソフトの評価値+289で互角。

この手順の△3三金は大駒にアタックする金で、基本的に金は接近戦の受けに強いです。

△3三金には▲3五銀と飛車取りに出る手があり、△同銀なら▲同角~▲5三銀の強襲があります。

先に銀損しますが、飛車交換から▲5一飛~▲8一飛成で駒損を回復していい勝負のようです。

普通は敵陣に龍ができれば大成功になるのですが、この局面も互角なのが将棋の難しいところです。

なお、▲3五銀に△4四金と角を取るのは以下▲2四銀△同角▲2二飛△4二角▲2一飛成で、ソフトの評価値+464で先手有利。

▲4四角に△3三歩なら▲3五銀△同銀▲同角△2二飛▲2六飛△2五歩▲4六飛△4三歩▲7七桂で、ソフトの評価値+324で先手有利。

この手順の△3三歩はあまり発展性のある受けではありませんが、駒がぶつかったときに安い駒で受けているので先手に技がかかりにくい形です。

これには▲3五銀から銀交換になるのですが、△2二飛以後の指し手が難しいと思っていました。

△2二飛には▲2六飛があったようで、飛車交換になると後手は5三の地点が弱いので交換はせずに△2五歩と打ちます

△2五歩には▲4六飛として、4筋に飛車が直通する形も後手は危険なので△4三歩とします。

先手は飛車を2筋と4筋に移動させるだけで後手は歩切れになったのが大きく、▲7七桂と遊び駒を活用する手で、先手が少し指せているようです。

▲4四角に△3三角なら▲同角成△同桂▲4四角で、ソフトの評価値+74で互角。

この手順は△3三角として後手は角を捌くことで受けやすい形にする手です。

働きの悪かった後手の角を交換することで、後手の角は攻め駒としても使うことができ局面が複雑になります。

▲4四角と打った局面も難しいのですが、これでいい勝負のようです。

やはり最初の局面から▲3四歩と突くと駒がほぐれてきますので、先手の重たい銀と飛車がうまくいけば捌けていました。

歩を突くことで駒が前進するのが参考になった1局でした。