薄い玉はうまく攻めれば寄る

上図は、角換わりからの進展で△7三同玉とした局面。ソフトの評価値+942で先手優勢。

先手が▲7三歩成と桂馬を取った手に△同玉とした形です。

駒割りは飛車と銀の交換で先手が駒損なのですが、先手の玉が堅いため先手優勢のようです。

ただし、対局中は先手優勢とは思っておらずここから攻めを繋げるのも大変かと思っていました。

ソフトで優勢ということは形勢にかなりの差があるということですが、先手の持ち駒は角と銀と桂と歩なのでやや戦力的にはぎりぎりかにも見えます。

後手玉の右玉は守り駒が銀のみで、飛車も近くにいますが飛車は狙われやすい駒なのでうまく攻めれば玉と飛車が近く方が攻めやすくなります。

実戦は△7三同玉以下▲5六歩だったのですが、以下変化手順で△7五桂でソフトの評価値+546で先手有利。

この手順の▲5六歩は歩を補充して後手の角の利きを止めるので悪くはないと思っていましたが、△7五桂と置かれると少し形勢が接近したようです。

△7五桂は△6七桂成と銀を取るというよりも、7筋の受けの補強という意味合いの手で少しでも玉頭を厚くしておきたいという手です。

△7五桂に▲7六銀右と逃げると△7四歩と打って後手の傷が消えます。

玉頭戦は厚みが大事です。

そのような意味で△7三同玉の瞬間に先手は厳しく攻める手があったようです。

△7三同玉には▲7四歩がありました。

▲7四歩△同銀▲7五歩△同銀▲7四歩で、ソフトの評価値+1023で先手優勢。

この手順は先手の持ち駒に歩が3枚あるので使えるような手ですが、意味は後手の玉を7四の地点に引っ張り出したいということです。

7四の地点に引っ張り出すと、7二の地点に角や銀を打つことで飛車取りかつ6三の地点からも駒が打てます。

よって後手は△7四同玉とは取りづらいのですが、7四の歩が残るとそれが攻めの拠点になります。

▲7四歩に△6二玉なら▲5四桂で、ソフトの評価値+2798で先手勝勢。

この手順は▲5四桂で王手金取りなので普通後手はこの手は選択しません。

▲7四歩に△6三玉なら▲5五桂△6二玉▲5四角△8三飛▲7二銀△5三玉▲6三角成△同飛▲同銀不成で、ソフトの評価値+2329で先手勝勢。

この手順は▲5五桂が王手で飛車の位置が悪いため▲5四角が継続手になり、△8三飛に▲7二銀~▲6三角成で先手勝勢です。

▲7四歩に△7二玉なら▲5四角△6三桂▲7三銀△8三玉▲6三角成で、ソフトの評価値+4376で先手勝勢。

この手順が7四に歩が残ると▲7三銀のような手が生じるパターンです。。

▲7四歩に△8二玉なら▲7三銀△9二玉▲6三角△8三飛▲7六銀右で、ソフトの評価値+4295で先手勝勢。

この手順は△8二玉には▲7三銀の王手が厳しく以下▲6三角~▲7六銀右で駒の入手を図ると先手勝勢です。

▲7四歩に△8三玉なら▲7六銀右△同銀▲7五桂△9三玉▲7六銀△7二歩▲7三銀で、ソフトの評価値+2961で先手勝勢。

この手順は△8三銀には▲7六銀右で攻め駒の応援がいい手で、△同銀には▲7五桂と王手で先着して以下▲7六銀~▲7三銀で先手勝勢です。

▲7四歩に△8四玉なら▲6三角△8三飛▲7二角成△7四玉▲7六銀右△5七歩成▲7五銀△同玉▲7六銀打△8四玉▲7五桂△5三飛▲7三銀△同飛▲8五銀△同玉▲7三馬で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は少し長いですが、▲6三角~▲7二角成と馬を作るのが手堅いようで、以下▲7六銀右から攻め駒を増やして先手勝勢です。

よって▲7四歩に後手は△同玉とします。

△7四同玉以下▲5四角△8二飛▲7六銀右で、ソフトの評価値+1637で先手優勢。

この手順は△7四玉に▲5四角が継続手で、やはり角のラインで飛車を狙うのと同時にいつでも▲6三銀という手があります。

△8二飛と受けた手には▲7六銀と攻め駒を増やすのがうまいです。

角と7六の銀と持ち駒の銀と桂馬の4枚の攻めになります。

本当は持ち駒に歩があればさらにいいのですが、玉の形を崩すために使ったのでそれは仕方ないようです。

先手の理想は▲7六銀以下△同銀▲同銀△7五歩▲6三銀△8四玉▲8五銀△同玉▲7三銀で△8一飛と飛車が逃げれば▲7七桂で詰みというイメージです。

5四に角がいるので▲7七桂でぴったりです。

薄い玉はうまく攻めれば寄るのが参考になった1局でした。