上図は、角交換振り飛車からの進展で△4二歩と打った局面。ソフトの評価値+873で先手優勢。
先手が▲4一飛と打った手に△4二歩と打った形です。
対局中にこの局面で気になることが3つありました。
1つ目は次に△3一金打とされると飛車が取られる形です。
厳密には△3一金打には▲6一飛成として玉の守りの金との交換になりますが、現実的に飛車を渡すのは少し嫌な形です。
2つ目は後手から△3六角成とされると、△3五馬の筋と△4六馬の王手飛車の筋のどちらかが受けにくくなるということです。
できれば3五の銀は取られたくありません。
3つ目は7四の地点に空間があいているので、どこかで▲7四桂と王手が打てないかということです。
▲7四桂と打ったからと言ってまだ後手玉が寄り形にはなりませんが、後手玉を直接攻めるという意味では大きな手かと思っていました。
これらのことを気にしながら次の手を指したのですが、数手で逆転したようです。
実戦は△4二歩以下▲4六歩△5六銀▲7四桂△7三玉で、ソフトの評価値-177で互角。

対局中は▲4六歩と先着して先手玉のコビンを閉めて、△5六銀の瞬間に▲7四桂と打つことができてまずまずかと思っていました。
しかし、この手順は全くよくなくて、後手から次に△6七銀成~△5六角成の筋があります。
また7四の桂馬も将来的に取られそうで、その前に▲8二角のような手はありそうですが、まだ後手玉を寄せるという形にはなりません。
▲4六歩~▲7四桂はかえって先手が忙しくなった感じで、別の手を選択した方がよかったようです。
▲4六歩では▲1一飛成がありました。ソフトの評価値+914で先手優勢。

この手順は▲1一飛成として香車を補充する手です。
部分的な手としては普通ですが、後手から有力な手がいくつかあります。
▲1一飛成に△3六角成なら▲7四桂△7三玉▲8二角△6三玉▲3九香△4七馬▲9一角成△7四馬▲8一馬△3一歩▲8二馬△5六銀▲同金△同馬▲1四龍で、ソフトの評価値+2055で先手優勢。
この手順は△3六角成の瞬間に▲7四桂~▲8二角とする手で、△6三玉に▲3九香と補充した香車を受けに使います。
さすがに王手でぼろっと△3五馬と銀を取られるのはまずいので、手堅く受けに使うのがいいようです。
後手は△4七馬~△7四馬で自陣に馬を引く形で頑張りますが、先手も▲9一角成~▲8一馬を香車と桂馬を補充して手を繋ぎます。
後手も△5六銀と先手玉に迫りますが詰めろでないので、▲1四龍が詰めろで先手勝勢のようです。
▲1一飛成に△5六銀なら▲同金△同角成▲6七銀△6九金▲同玉△6七馬▲7三歩△同玉▲7四歩△8二玉▲6三香△3一歩▲6一香成△同銀▲7八金△4五馬▲1四龍△6三金▲3四角で、ソフトの評価値+1467で先手優勢。
この手順は△5六銀なら▲同金~▲6七銀は目につきますが、△6九金▲同玉△6七馬に▲7三歩が見えにくいです。
▲7三歩では▲7四桂とする手もありそうですが、△7三玉と中段玉になったときに少し複雑になる可能性もあるようです。
▲7三歩に△同桂なら将来▲7四桂のような筋が残るので△同玉としますが、▲7四歩に△同玉は▲7八金△5六馬▲4一角のような指し方のようです。
▲7四歩に△8二玉と引いた形は▲7四桂の筋がなくなりぱっと見の損得は分かりづらいのですが、▲6三香のような手でじわじわと攻める手があるようでこれで先手が指せているようです。
このような中盤から終盤にさしかかるような局面は敵陣だけでなく自陣もよく見ておかないといけないようで、簡単ではありませんが少しでもこのような手の流れを意識したいです。
中盤で粘り強く指すのが参考になった1局でした。