方針の分かりづらい局面で手を作る

上図は、先後逆で横歩取り△8四飛型からの進展で▲8五歩と打った局面。ソフトの評価値+154で互角。

先手が8筋から逆襲してきた形で、飛車取りなので飛車が逃げることになりますが、後手は飛車をどこに逃げてその後の展開がどうなるかを考える必要があります。

▲8五歩に対して△8二飛とするのはこの場合は悪いようで、▲8六飛で後手の飛車が狭すぎます。

よく対ひねり飛車などで▲8五歩と打たれたら△8二飛と引くようなケースもありますが、本局の場合は△7二銀型で△6四歩~△6三銀とするのは手数がかかります。

また、▲8四歩と伸ばされることを考えると先に△8三歩と打つことになりますが、それでは後手は飛車の活用が難しく発展性がないので指しにくいです。

よって飛車は横に逃げることで△6四飛としましたが、これはまずかったです。

△6四飛はどこかで△9五歩▲同歩△9八歩▲同香△8九角を狙ったのですが、▲8七銀と上がって何もないので1手の価値がなかったです。

△6四飛では△2四飛がありました。

△2四飛▲8六飛で、ソフトの評価値+156で互角。

飛車を逃げるなら△2四飛が自然だったようです。

ただし、▲8六飛とされた後のその後の構想が難しいかと思っていました。

後手は持ち駒に歩があるのですが、先手が▲8四歩と伸ばしてくると△8二歩と受ける必要があります。

また▲8二角と打ち込んでくる可能性もあり9一の香車が守りづらくなります。

そのように考えると、▲8六飛には△8二歩で歩切れになりますが辛抱するしかなさそうです。

▲8六飛以下△8二歩▲8四歩△3四銀で、ソフトの評価値+220で互角。

この手順は△8二歩の先受けに▲8四歩と伸ばしてきました。

そこでまた次の後手の手が悩みどころなのですが、そこで△3四銀があったようです。

自分はこの△3四銀という手がなかなか見えづらいです。

△3四銀は5段目にいた銀を引いて立て直すという手ですが、なかなかの手のようです。

△3四銀に▲8七銀なら△3五銀で、ソフトの評価値+22で互角。

この手順は▲8七銀は自然なような手でも△3五銀と出られると次に△2六歩からの攻めを受けづらいです。

△3四銀に▲3六歩なら△2六歩▲同歩△同飛▲2七歩△2四飛で、ソフトの評価値+196で互角。

△3四銀に▲3六歩と突くと△3五銀とは出られませんが、今度は△2六歩▲同歩△同飛という手が生じます。

先手が4段目の歩を突くことで△2六歩という手が生じて、後手は歩切れを解消することができます。

歩切れから持ち駒に歩が入るというのは結構価値が高く、これで有利とか優勢にはなりませんが、攻めにしろ受けにしろ手の可能性が高くなります。

△2四飛に▲7四歩は△6四角がありますので、▲3六歩と突くと角のラインに注意が必要です。

△3四銀に▲5六角なら△4五銀▲8三角成△同歩▲同歩成△2一飛▲8四歩で、ソフトの評価値+502で先手有利。

この手順は▲5六角と打って3四の銀をけん制すると同時に▲8三歩成を狙っています。

▲5六角には△4五銀が角取りで1手早く受かっているようですが、この場合は▲8三角成があり△同歩なら▲同歩成△同銀▲同飛成があります。

これが普通の受けですが、▲8三同歩成に△2一飛が一見うまい受けです。

▲7二とには△同金で1段飛車のおかげで先手の▲8一飛成を防いでいますが、△2一飛には▲8四歩と打って次に▲7二歩成△同金▲8三歩成が厳しいです。

△3四銀に▲5六角なら△2六歩▲同歩△7一金▲9五歩△3五銀▲9四歩△2六銀で、ソフトの評価値+228で互角。

この手順は▲5六角に△2六歩~△7一金が分かりませんでした。

△2六歩の突き捨ての意味は後で△3五銀~△2六銀と出るための突き捨てです。

また△7一金の受けもうっかりしやすく▲8三歩成なら△同歩▲同角成△同銀▲同飛成△8二歩の受けがあります。

よって▲9五歩~▲9四歩の端攻めに対して、後手は△3五銀~△2六銀でいい勝負のようです。

このあたりの指し手は何気ないところですが、浮かばない手がたくさんありました。

方針の分かりづらい局面で手を作るのが参考になった1局でした。