自陣飛車を打って粘ってみる

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲4三馬と歩を取った局面。ソフトの評価値+669で先手有利。

3二に馬がいる形で▲4一銀と打って△5一玉に▲4三馬とした形です。

駒割りは飛桂と金銀の交換ですが、▲4三馬は▲5二金からの詰めろです。

それに対して先手玉は詰まないので後手は受けに回ることになります。

先手が先に攻めている形で先手有利のようですが、ここから後手が頑張れるかどうかです。

実戦は▲4三馬以下△4一玉▲6一馬△5二銀だったのですが、そこで変化手順で▲7一馬で、ソフトの評価値+2148で先手勝勢。

この手順は△4一玉として銀を取って詰めろを受ける手で自然なように見えますが、これがよくなかったようです。

▲6一馬と金を取って△5二銀と受けるのは自然ですが、そこで▲7一馬がありました。

この▲7一馬というのが後手としては馬が遠ざかって一瞬ありがたいような気もしますが、駒割りが飛桂と金金銀になり後手は駒損です。

またこの局面は金駒の数が先手は7枚に対して後手は1枚です。

形勢判断の1つに金駒がどれだけあるかというのがあり、金駒が極端に少ないと体力勝ちができません。

局面が長引けば長引くほど勝ち目がないということで、後手としては楽しみがありません。

最初の局面図は少し後手が苦しいのですが、少しでも粘って紛れるような形にすべきでした。

△4一玉では△4七桂成がありました。

△4七桂成▲6九玉△8二飛で、ソフトの評価値+813で先手優勢。

この手順は△4七桂成と捨てる手ですが、▲同玉なら△4五飛の王手馬取りがあります。

よって▲6九玉と逃げましたが△8二飛の自陣飛車が打ちにくいです。

持ち駒の飛車という駒は敵陣に打って攻めに使うのが圧倒的に多いのですが、中盤で△8二飛と詰めろを消すだけに受けた飛車というのは珍しいです。

ただ受けただけの飛車というのは、相手にとってみれば自玉が安全になるので大変ありがたいです。

ただし、これで後手玉を寄せるというのは意外と大変なようです。

△8二飛に▲5二金ではさすがに先手が無理気味です。

また5筋に歩が打てれば▲5二歩としたいのですが、2歩のため打てません。

△8二飛に▲2一馬なら△4一玉▲8三歩△同飛▲3二金△5一玉▲4二金△同玉で、ソフトの評価値-664で後手有利。

この手は▲2一馬と桂馬を補充する手は△4一玉で銀を取られます。

▲8三歩は飛車の横利きを消す手ですが、△同飛と取ります。

以下▲3二金には△5一玉と逃げて▲4二金には△同玉で後手陣はさっぱりしたので後手有利のようです。

△8二飛に▲8三歩なら△同龍▲2二歩△3三角▲2一歩成△9九角成▲7五桂△7四龍▲8三歩△9二飛▲1一と△4二歩▲3二馬で、ソフトの評価値+440で先手有利。

この手順は▲8三歩と打って△同飛なら▲5二金から詰みです。

また△同龍とさせると龍が自陣に戻る形で先手玉が安全になります。

△8三同龍に▲2二歩とゆっくり攻める方針ですが、△3三角として飛車の横利きを通しながら△9九角成を狙います。

以下先手は桂馬を後手は香車を取り合う展開から▲7五桂と狙いの手に対して△7四龍がしぶとい受けです。

▲6三桂成を受けるという手ですが、自陣に戻った龍も全力で受けに回ります。

最後の△4二歩▲3二馬でまだ先手有利のようですが、後手は大駒の力で寄り形から粘る展開で勝負になっているようです。

ただ受けるだけの自陣飛車では勝ち目がないと思いがちですが、指されてみると先手も決めにいくのが意外と大変なようでした。

自陣飛車を打って粘ってみるのが参考になった1局でした。