上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△3七金と桂馬を取った局面。ソフトの評価値-483で後手有利。
△3七金はまだ先手玉に詰めろがかかっていませんが、飛車取りで部分的にはかなり危険な形です。
後手玉は馬付きでしっかりしているようで、後手玉に即詰みはありません。
先手は飛車を取られては勝てないので忙しいのですが、次の手はさっぱりでした。
実戦は▲4五桂△4七馬で、ソフトの評価値-6834で後手勝勢。
この手順の▲4五桂は詰めろですが、△4七馬が詰めろ逃れの詰めろになっておりこの手をうっかりしていました。
1手ばったりとはいえ、大駒を移動して玉の逃げ道を広くする手は昔から見えていません。
終盤で手が見えないとこのようになるという典型的なパターンです。
▲4五桂では▲6五桂がありました。
▲6五桂△同歩▲3八飛△同金▲同玉△6六歩で、ソフトの評価値-400で後手有利。

この手順の▲6五桂は詰めろですが、後手の馬の利きを止める手でもあります。
後手は△6五同歩としましたが、そこで▲3八飛が浮かびにくいです。
守りが薄い玉なので飛車は渡しづらいのですが、▲1八飛と逃げても△2六桂でそれより先手が早い手がないのでまずいです。
よって▲3八飛から飛車と金の交換になりますが、そこで△6六歩の王手で先手がどう対応するかです。
△6六歩の局面は後手有利のようですが、先手はどのように粘るかが気になります。
△6六歩以下▲3七玉△3四桂▲6四歩△同馬▲同馬△同玉▲3一角で、ソフトの評価値-663で後手有利。

この手順の▲3七玉は守り駒がいないので危険な形ですが、迷ったら上に逃げるという手のようです。
先手は▲3七玉~▲2六玉~▲3五玉から入玉を目指すのが相手にとって一番面倒な指し方かもしれません。
後手は将来7四の馬を攻めに使いたいのですが、7四の馬がいなくなると▲6四金から後手玉が詰んでしまいます。
これが▲6五桂と打ち捨てた効果でもあり、6四の地点に空間をあけると後手玉も少し嫌な形になります。
▲3七玉に△3四桂は逃げ道封鎖で実戦的ですが、先手は自玉が薄いのにも関わらず▲6四歩△同馬▲同馬△同玉▲3一角と攻めるのが盲点です。
先手玉もかなり危ない形ですが、即詰みはなさそうです。
また▲3一角は次に▲5二龍からの詰めろになっているので、後手は受けることになりそうです。
実戦的には▲3一角には△5三桂と打って後手有利のようですが、元々の局面の先手の危険な状態から考えたらいい粘りのようです。
▲6五桂と一時的に相手の馬の利きを止めると同時に、6四に空間をあけることで9一の馬を活用するという部分的には夢のような手順です。
また▲3八飛と飛車と金の交換になっても強く受けるというのも浮かびにくく、ただ自陣に金駒を埋めるだけでが受けではなさそうです。
少しでも上段に玉を上げて分かりにくい形にするというのも実戦的なようです。
意外な粘り方で分かりにくい形にするのが参考になった1局でした。