玉頭戦は相手の守り駒を薄くする


上図は、先後逆で先手角交換振り飛車からの進展で▲1三歩と打った局面。ソフトの評価値-116で互角。

穴熊で端攻めをされることはよくあるのですが、玉頭の攻めなので受け方を間違えると一気に悪くなることがあるので慎重になります。

▲1三歩に何で取るかで香車か桂馬か銀の角の4通りの手が浮かびます。

さすがに△1三同角成は▲同桂成で角と桂馬の交換は後手が駒損なので先手有利です。

△1三同銀とするのは局面によってはありそうな取り方ですが、この場合は▲1六香と眠っていた香車が働いてくるので少し指しにくいです。

対局中は△1三同香か△1三同桂のどちらかと思っていましたが、違いがよく分かりにくくこのあたりは読みというより直感の要素の方が大きいです。

実戦は▲1三歩以下△同香▲同桂成△同桂▲1六香△1四歩で変化手順で▲4四桂で、ソフトの評価値-19で互角。

この手順は△1三同香から清算する手で▲1六香に△1四歩と敵の打ちたいところに打ての受けですが、変化手順で▲4四桂がありました。

受ける側からすると端に目がいっているときに、違う筋から桂馬で金取りに打つような手が見えづらいです。

3二の金が浮いているので▲4四桂と打つのが7一の角を活かした攻め方だったようです。

▲4四桂に△3一金と引くのが自然ですが、▲1二歩△同玉▲1四香で、ソフトの評価値-413で後手有利。

この手順は△3一金と引く手で以下▲1二歩と玉を引っ張り出す形にして▲1四香で後手有利のようですが、怖い形ではあります。

桂馬が4四にいるため△3二玉からの逃げ道が封鎖されていますので受ける方は結構プレッシャーがあります。

また▲4四桂に△同銀なら▲同角成で先手の角が攻防に働いてきます。

このような展開もあったようですが、ソフトは△1三同香では△1七銀を推奨していました。

△1七銀▲同香△同歩成▲同飛△1三桂で、ソフトの評価値-450で後手有利。

この手順は▲1三歩の瞬間に△1七銀を1六の歩の拠点を活かした攻めで、玉頭戦で相手の守り駒を少しでも薄くする手です。

1七の地点で清算してから△1三桂とややひねった取り方をするのが盲点です。

後手はつぎに△2五桂とする狙いがありますので、ここは先手も勝負どころです。

△1三桂に▲1三同桂成△同香▲1四歩△同香▲同飛△1三香で、ソフトの評価値-307で後手有利。

この手順は後手が少し駒損になりますが、先手の飛車が1四飛と近い形のときに△1三香と受けるのは攻防で先手が取れているので、気持ち的には後手が指しやすいです。

△1三香には▲6九桂と打つのを指摘していますが、1筋ばかりに目がいっているのに6筋に手が飛ぶのは少し見えづらいです。

△1三桂に▲3三桂打なら△同銀▲同桂不成△同金で、ソフトの評価値-751で後手有利。

この手順は▲3三桂打と詰めろをかけた手で後手も怖い形ですが、△同銀~△同金でぎりぎり耐えているようです。

△1三桂に▲1四歩なら△2五桂▲同歩△2六桂で、ソフトの評価値-895で後手優勢。

この手順の▲1四歩は少しぬるいようで、△2五桂~△2六桂で安い駒で相手の守りの金を攻める形で後手が指せているようです。

なお最後の局面図の△1三桂に対しては、先手の持ち駒に香車があると▲1六香があり△2五桂に▲1二香成で後手玉が詰むので、先手の持ち駒に香車がないという条件での受け方になりそうです。

玉頭戦は相手の守り駒を薄くするのが参考になった1局でした。