歩を使った細かい攻め

上図は、先後逆で角換わり腰掛銀からの進展で▲4四銀と歩を取った局面。ソフトの評価値-710で後手有利。

後手が△5四歩と突いた手に5五の銀が▲4四銀と歩を取ってきました。

先手の銀が後手玉の近くにいる形ですが、この瞬間は先手の飛車と角はあまり働いていないので後手としてはチャンスです。

対局中は少し後手が指せていると思っていましたが、ここからどのように攻めるかです。

実戦は▲4四銀以下△7六歩▲8八銀だったのですが、▲8八銀では変化手順で▲4五角で、ソフトの評価値-704で後手有利。

この手順の△7六歩は歩を補充して次に銀取りが王手になるので▲8八銀は自然ですが、ここでは▲4五角があったようです。

▲4五角以下△7七歩成▲同桂△4五銀▲同桂で、ソフトの評価値-504で後手有利。

この展開の▲4五角は普通はありえない手で、△7七歩成で後手が銀得になるのですが、以下▲同桂が銀取りになり▲4五桂△同桂で、先手の攻め駒が後手玉に近づいてくるので、後手が駒得で有利でもまだ大変なようです。

△7六歩も自然な手ですが、ソフトは△4七歩を推奨していました。

△4七歩▲5八金△7六歩▲4五角で、ソフトの評価値-827で後手優勢。

この手順の△4七歩はこの戦型ならよく出る手で、▲同金なら△3八角があります。

▲4四銀と歩を取ったことで△4七歩という手が生じたのですが、対局中は直前までは4筋に歩が打てなかったので少しうっかりしやすいです。

ここらへんの反射神経がにぶいと△4七歩が見えないです。

▲4四銀と出たら△4七歩があるなと数手前から考えるくらいでないと反応できないかもしれません。

▲5八金と玉の近くに金を逃げたのは自然ですが、そこで△7六歩と歩を取ります。

△7六歩に▲4五角が勝負手気味の狙いの手ですが、なぜ▲8八銀と銀が逃げないのかが気になります。

▲8八銀△6七歩▲7九玉△4八歩成▲同金△6六角で、ソフトの評価値-1428で後手優勢。

この手順は銀が逃げて▲8八銀と壁銀になるのが先手にとってまずいようで、△6七歩と叩いて▲7九玉に△4八歩成~△6六角がうまいです。

△6七歩と攻めの拠点を作ってから△4八歩成▲同金とさせて、6八の利きを消すのが大きいです。

△6六角は△4四角の銀取りでもあり、先手玉を睨んでいる攻防の角で後手が指せているようです。

よって▲8八銀でなく▲4五角が勝負手になります。

▲4五角以下△4三銀▲同銀成△同金▲7五銀△7七歩成▲同桂△8一飛▲6五桂△同桂▲6三歩成△同金▲7二銀△7七歩で、ソフトの評価値-1231で後手優勢。

この手順も興味深いのですが、▲4五角に△4三銀と銀を逃げるのがなかなか浮かびにくです。

△4三銀では△4五銀のような手もありそうですが、▲同桂とされると後手玉にも攻め駒が近づいてきてプレッシャーがかかります。

△4三銀と引くことで4四に銀を消すことができました。

先手は銀交換から▲7五銀と打ちましたが、そこで△7七歩成と銀を取って△8一飛とするのが少し指しにくいです。

△8一飛が少し指しにくいのは、▲6五桂△同桂に▲6三歩成~▲7二銀の筋があるからです。

▲7二銀に対してはこの瞬間に△7七歩が鋭いです。

両取り逃げるべからずという格言がありますが、片方の駒は取られることはあっても両方の駒が同時に取られることはないので、この瞬間に後手は△7七歩と攻めるのがタイミングのようです。

△7七歩に▲同金なら△同桂成▲同玉△6五桂で、ソフトの評価値-99968で後手勝勢。

これで先手玉は詰み筋に入っているようで、ここから先はまた別の機会に調べてみます。

歩を使った細かい攻めが参考になった1局でした。