上図は、先後逆で角換わりからの進展で△8六歩と歩を取った局面。ソフトの評価値-196で互角。
先手が角換わりから早繰銀で攻めてきたのに対して、後手が継ぎ歩で応戦した形です。
自分の対局では、相手の方が先手にも関わらず早い段階から▲2二角成と角交換をしてくるケースが多いです。
角交換にして自分の好きな戦型にしたいという意向だと思いますが、その場合は早繰銀になることが多いです。
腰掛銀は戦型の幅が広いのに対して、早繰銀はそこまで多くはないので作戦的に絞りやすいということだと思います。
対局中は多分▲6八玉型なので▲8八歩と打ってくるだろうと思っていましたが、▲8四歩△同飛▲6六角の筋もひょっとしたらあるかと気になっていました。
そのような筋になると大捌きで決断を迫られる形になるかと思っていました。
なお実戦は▲8八歩で、ソフトの評価値-231で互角だったのですが、気になる筋が2つありました。
1つは▲8八歩で▲8三歩です。
▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲6六角△8一飛▲1一角成△8七歩成▲同金△同飛成▲8八香で、ソフトの評価値-286で互角。

この手順は▲8三歩~▲8四歩~▲6六角の筋で、飛車と香車の両取りになる反撃の受け方です。
先手は歩を多く使うので少し選択しづらいところはありますが、この展開になると大捌きになるので一気に終盤戦に突入します。
後手は△8七歩成から金を取って飛車が成れますが、先手は香車を取った手を活かし▲8八香と受けます。
これで後手の龍が取られそうですが、先手は▲6八玉型なので△7八金とすれば龍が取られることはありません。
▲8八香以下△7八金▲5九玉△8八金▲同飛△同龍▲同銀△6五桂で、ソフトの評価値-222で互角。
この展開は△8八金から飛車交換になりこれはどちらがいいのかが気になっていましたが、△6五桂でいい勝負のようです。
△6五桂の局面は駒の損得がないのは驚きでしたが、多分実戦では△6五桂は見えていないと思いますので指し手に困っていた可能性が高いです。
またこの展開で驚いたのはびっくりするほど先手も悪くなっていないので、相手の意表をつくという意味ではこれもありそうです。
もう1つは▲8八歩で▲8四歩です。
▲8四歩△4四角で、ソフトの評価値-259で互角。

この▲8四歩は少しためる手ですが、ここで後手も少し悩みます。
▲8四歩に△同飛なら▲6六角で激しい変化となり、▲8三歩と叩くより先手は1歩得になります。
▲8四歩には△4四角がソフトの推奨手でしたが、おそらくこれも対局中だと見えていない可能性が高いです。
△4四角は▲6六角の手を消すと同時に次に△8四飛が狙いになります。
△4四角以下▲8三銀△8一飛▲4五角△8七銀▲6三角成△同金▲7二銀打△7八銀成▲同玉△6五桂▲6三銀成△4二玉で、ソフトの評価値-806で後手優勢。
この手順はややうまくいきすぎのところはありますが、▲8三銀~▲4五角には△8七銀からの攻め合いが意外と厳しいようで、先手も▲6三角成~▲7二銀打の狙いはありますが、△7八銀成~△6五桂で少し後手が指せているようです。
なお最後の局面図の▲8四歩に△4四角では△6五桂や△8七銀もあったようです。
▲8四歩△6五桂▲6六角△7七桂成▲同金△8八角▲3三歩△3一金▲7一銀△8一飛▲6二銀成△同玉▲9八金△7七角成▲同桂△8七銀で、ソフトの評価値+41で互角。
この手順は△6五桂に▲6六銀ならそこで△8四飛があります。
△6五桂に▲6六角はあまり冴えない感じもしましたが、△8八角に先手は金が入ると▲9八金の筋があるので、▲7一銀の割打ちの銀が有効になります。
これはいい勝負のようです。
▲8四歩△8七銀▲6六角△4四角▲7九金△6五桂▲8六銀△6六角▲同歩△7六銀成で、ソフトの評価値-417で後手有利。
この手順は8六歩の形を活かして△8七銀と打つのですが、このような手も自分はなかなか見えづらいです。
ソフトで調べていいところは、自分の気がつきにくい手を指摘されることで色々な指し手の考え方が分かるところで、多分1人で指し手の検討をしても効果は薄いように思います。
早繰銀の気になる変化が参考になった1局でした。