玉頭戦は盤上に駒を埋める

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△9五歩と突いた局面。ソフトの評価値-66で互角。

後手が△9五歩と突いて先手の薄い9筋にあやを求めてきました。

駒割りは先手の香得ですが、9筋は先手の守り駒が少ないところです。

対局中は▲9五同歩とすると手を広げられて面倒と思い取る手は全く考えませんでした。

ただし、攻めに回っても後手から△9六歩▲9八歩と受ける形は、先手玉が狭くなって後手玉が広くなるのでこれもまずいと思いました。

実戦は▲9七香打だったのですが変化手順で△8六桂で、ソフトの評価値-448で後手有利。

この▲9七香打はあまり見ない受け方なので攻める方も少し迷うかと思っていたのですが、平凡に△8六桂がありました。

△8六桂は△9八歩とか△7八桂成とか含みのある手で▲7九金と引けば金は取られませんが、後手の攻めの拠点が残るので先手は指しづらいです。

△8六桂以下▲9五歩△7八桂成▲同玉△5五銀直▲同歩△8六桂で、ソフトの評価値-807で後手優勢。

この手順は▲9五歩と開き直って歩を取りましたが、△7八桂成と金を取ってから△5五銀直~△8六桂の攻めが厳しいです。

桂馬のおかわりの攻めで、先手は攻めの手番が全く回ってきません。

攻めの手番が回らなくなった原因は▲9七香打とした手で、結局この手は受けにも攻めにも全く役立っていません。

この展開は後手の8五の位が大きく攻めに役立っています。

▲9七香打では▲9五同歩がありました。

▲9五同歩△8六桂▲同銀△同歩▲8五香で、ソフトの評価値-63で互角。

この手順は▲9五同歩として△8六桂には▲同銀~▲8五香とする手がありました。

後手の△8六同歩とさせることで、将来△8六桂のおかわりの攻めはなくなりました。

また△8六同歩とすると歩が伸びてくるのですが、歩の裏側に香車を打って反撃します。

歩の裏側に香車を打つのはよくある筋でした。

玉頭戦なのでできるだけ盤上に駒を埋めるという感覚だったようです。

▲8五香以下△8四銀▲同香△同金▲9六銀で、ソフトの評価値-127で互角。

この手順は▲8五香に△8四銀と打つ手で、玉頭戦は駒の損得より厚み重視になる傾向が多いです。

そのため後手は3段目にいた金を4段目にして上部を厚くします。

△8四同金に▲9六銀も上部を手厚くする手で、4段目に金駒を打って次に▲8五歩が狙いです。

▲9六銀以下△8七香▲7七玉△8九香成▲8五歩△8三金▲4五銀△同銀▲8四桂△6二金▲5七馬△同馬▲同金△5四銀▲6五歩△7三銀▲6四歩で、ソフトの評価値+247で互角。

この手順は▲9六銀に△8七香と打ってきましたが、▲7七玉とかわすのが受けの形のようです。

△8九香成とされますが▲8五歩と位を取るのが大きいです。

以下△8三金に▲4五銀~▲8四桂とできるのが8筋に位を取った効果のようです。

△6二金には▲5七馬として、働きのいい後手の馬とやや遊んでいる先手の馬の交換を目指すのが少し気がつきにくいです。

以下△5七同馬▲同金に△5四銀と引いたのは▲6三角の受けですが、▲6五歩△7三銀▲6四歩として、飛車を働かせる筋でいい勝負のようです。

指し手の難易度は高いですが、玉頭戦は盤上に駒を埋めるのが大事だったようです。

玉頭戦は盤上に駒を埋めるのが参考になった1局でした。