上図は、先後逆で横歩取り青野流からの進展で▲7八金とした局面。ソフトの評価値-49で互角。
7七にいた金が▲7八金と引いた形です。
7七に金がいた形はいつでも△6五桂と跳ねる手が金取りになるので▲7八金と引いて事前に受けたのはありそうな手です。
ただし、▲7八金と引いたことで龍のコビンがあいたので後手から角の打ち込みが一時的にある形になりました。
ソフトは▲7八金では▲7五歩で、ソフトの評価値+115で互角を示していました。
▲7五歩に△同歩なら▲7四歩△6五桂▲6六金で、ソフトの評価値+319で先手有利。
この指し方は全く気がつきませんでしたが、7七の金は▲6六金と4段目に出て桂取りで催促するという指し方で、▲6六金とすることで後手からの龍のコビンを狙う角打ちを防いでいるのが大きいようです。
実戦は▲7八金以下△4四角▲7七角△同角成▲同桂で、ソフトの評価値+98で互角。
この手順は△4四角に▲7七角から再度角交換になりますが、▲7七同桂と取った形が先手の龍のコビンを守る形になりました。
先手の7七の桂頭も狙われやすい形ですが、後手の7三の桂頭の狙われやすい形なので後手から桂頭を狙うのは少し無理っぽいです。
先手が手得していますのでややこの後手の指し方は面白くなかったようです。
△4四角では2通りの指し方がありました。
1つは△4四角で△4五桂です。
△4五桂▲7七桂△3七歩▲3九金△3八飛で、ソフトの評価値+119で互角。

この手順は2八の銀の形で△4五桂と跳ねるのが盲点です。
▲3七銀型なら△4五桂が銀取りになるので見えやすいのですが、2八の銀では駒あたりになりません。
▲7七桂の活用は自然ですが、そこで△3七歩と打ちます。
△3七桂に▲同桂なら△同桂成▲同銀△7六桂がありますので、▲3七同桂とはしづらいです。
よって▲3九金と辛抱しましたが、そこで△3八飛が強い手です。
横歩取りは早い段階で大駒の交換になっているケースがあるので、△3八飛のようなこの戦型特有の手が生じるようです
△3八飛に▲4八角なら△3九飛成▲同銀△3八金で、ソフトの評価値+125で互角。
この攻めは後手は飛車を切っての攻めなので薄いですが、攻めが途切れるというのはなさそうなのでいい勝負のようです。
もう1つは△4四角で△5五角で、ソフトの評価値-47で互角。

この△5五角の魅力的な手に見えますが、△4四角との違いがぱっと見で分かりませんでした。
△5五角に▲7七角なら△6四角▲8六角△同角▲同龍△6四角▲8八龍△2八角成▲同金△3九飛▲7九龍△3六飛成で、ソフトの評価値+89で互角。
この手順は△5五角に▲7七角なら△6四角と角交換を拒否するのが面白い指し方で、後手はいつでも△6五桂とする手が角取りになります。
▲8六角は狙われやすい角を捌く手で、角交換から△6四角~△2八角成~△3九飛がよくある筋でこれで互角のようです。
△5五角に▲7七桂なら△6五桂▲8九龍△7七桂成▲同銀で、ソフトの評価値+45で互角。
この手順は▲7七桂なら△6五桂は気持ちがいい手ですが、▲8九龍とされて以下桂馬の交換になります。
先手の1段目の龍がいい形なので互角ですが、後手も手を作るのが大変なようです。
△5五角に▲7七歩なら△2八角成▲同金△3九飛▲7九龍△3六飛成で、ソフトの評価値-148で互角。
この手順の△3九飛に▲3八角は△3七歩▲同金△4五桂がありますので、▲3八角は成立しません。
よって▲7九龍△3六飛成という形になりますが、これもいい勝負のようです。
互角の将棋は精度のいい手を指すとなかなか形勢が片方にふれませんが、色々な狙い筋があるようでした。
大駒を使った手の作り方が参考になった1局でした。