上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△9六同香と香車を取った局面。ソフトの評価値+229で互角。
先手は矢倉の構えですが、後手が9筋から攻めてきた形です。
駒割りは桂馬と香車の交換で互角ですが、先手は9筋が薄いのと4七に馬がいるので嫌な形です。
先手は9筋を受けるのはかえって後手の手が早くなりそうなので、受けてもきりがないです。
ここは先手の手番をいかして何か手を作りたいところです。
対局中は▲6二銀が最初に見えましたが、金駒を相手に渡すと自玉が危険になると思って▲6五桂ともたれる指し方をしました。
実戦は▲6五桂△8三金寄▲5七金△6七歩▲同金上に変化手順で△9七香成で、ソフトの評価値-607で後手有利。
この手順は▲6五桂と攻めの拠点を作って△8三金寄に▲5七金と後手の馬を移動させる狙いです。
ここで△6七歩という小技があり、▲同金上に△9七香成という全く見えない手がありました。
△9七香成はただの捨ての手ですが、▲同玉に△7九銀と下から銀を打って飛車取りになる手がこれが詰めろになっているようです。
△7九銀に▲6三桂成なら△9六香▲同玉△8四桂▲9五玉△9四歩▲8五玉△7四金▲8六玉△8五歩▲9七玉△9六香で詰みです。
厳密的には後手有利でまだ手数は伸びそうですが、この▲9七玉の形は矢倉の金駒の守り駒が全く働いてない形なので、これだけで半分寄り形になった感じです。
相手玉の攻めがあまり見えない段階で、自玉が守り駒がいない玉では自分だけが終盤戦になっており指せそうにありません。
▲6五桂では▲6二銀がありました。
▲6二銀△7二飛▲7三銀成△同金▲6五桂△5九銀で、ソフトの評価値+175で互角。

この手順は▲6二銀~▲7三銀成として金と銀の交換で相手玉の回りを薄くする手です。
相手の守り駒が1枚なくなるとだいぶ景色が変わってきます。
▲6五桂と打った形が金取りなのでこれもうるさい攻めですが、相手の持ち駒にも銀が入ったので、当然先手玉も少し危険になってきます。
▲6五桂に△5九銀が少し見えづらいですが、これで飛車が取られる形になりました。
部分的に先手玉の守りだけを見たら受けがなさそうにも見えます。
△5九銀以下▲9三金△9七銀▲7九玉△6八銀成▲同金寄△6四金▲5七金寄で、ソフトの評価値-898で後手優勢。

この手順は▲9三金と打つのが盲点で、これが▲7三桂不成からの後手玉の詰めろになってます。
最初の局面図から数手で後手玉に詰めろがかかる形になるとは全く思ってもいませんでした。
やはり相手の金駒を交換して薄くするのは、勝敗は別として勝負形になっている感じがします。
後手は△9七銀から形を決めてから飛車を取りますが、まだ先手玉は耐えているようです。
▲6八同金寄に△6四金と後手玉の詰めろを受けて▲5七金寄としてどうかという形です。
厳密には飛車を取った後手が指せているようですが、これなら一応1手違いの勝負形になっているようです。
先手も遠くから馬を守りに利かせているのと、後手は持ち駒をたくさん渡すと詰まされる形になっているので、これならまだ難しい将棋でした。
少しでも相手玉を薄くして勝負形にするのが参考になった1局でした。