上図は、角換わり腰掛銀からの展開で▲1二角成とした局面。ソフトの評価値+291で互角。
先手が▲3四角△4一角の形から1筋に手をつけて馬を作った形です。
馬を作っていますが香車を捨てて馬を作っているので、先手はあまりゆっくりして攻める形ではありません。
先手は▲2一馬と▲2四飛の狙いがあります。
後手はここらへんで正確に受けないと、一気に不利になってしまう可能性がある局面なのです。
実戦は▲1二角成以下△3三桂▲2四飛△4五桂で、以下変化手順で▲2一飛成△3一金▲2六龍で、ソフトの評価値+1012で先手優勢。

この手順の△3三桂は手順に取られそうな桂馬を逃げる手で自然にも見えますが、▲2四飛とするのが地味ながら歩を補充して飛車を活用する手が味がいいです。
自分は最近まで分かってなかったのですが、飛車が歩を取って4段目に出る形はかなり価値が高いようです。
▲2四飛と取らずに別の手を選択すると、ひょっとしたら▲2四飛とさせないような受け方をして先手は攻め方に苦労する可能性があります。
▲2四飛に△2三歩と受けても▲1四飛がありますので△4五桂としましたが、そこで▲2一飛成とする手がありました。
実戦は▲2一飛成で▲4五同歩としたため△2三歩で、ソフトの評価値+1003で先手優勢。
△2三歩としても先手が指せているようですが、飛車を成るのが少し遅れるので小駒を使った攻め方になるようです。
変化手順の▲2一飛成として△3一金に▲2六龍と引く手は敵陣に龍を作って暴れる形ではありませんが、確実に▲4五歩と桂馬を取れるのと▲1五龍で駒損を回復できるので先手が指せていたようです。
後手は受けが利かないので攻め合いに出ますが、先手陣の守りもしっかりしており4一の角が眠っているので先手優勢です。
これらの手順を見ると後手がどこかで受け方を間違っている可能性が高そうです。
△3三桂とする手では△2五香がありました。ソフトの評価値+404で先手有利。

この△2五香は▲2四飛を受ける手ですが、香車をここに打っても▲2六歩とされると香車が取られてしまいます。
そのような意味ではもったいない香車とも言えるのですが、この香車は先手から貰った香車なので2五の香車が取られても後手は駒損にはなりません。
それより△2五香として先手の飛車を抑え込む方が大きいようです。
△2五香以下▲2六歩△1八香成▲2七飛△3三桂▲同桂成△同金▲2五歩△8六歩▲同歩△2三角▲1三馬△1二歩▲2三馬△同金▲2四歩で、ソフトの評価値+1159で先手優勢。
この手順は△2五香に▲2六歩から香車を取り返す手で、後手は桂馬の交換から△2三角と遊んでいる角と先手の馬の交換を目指しますが、普通に交換して▲2四歩で先手が指せているようです。
これらの手順を見ると最初の局面図は先手が香損でも大駒が働いているので、先手がすでに指しやすい局面かもしれません。
ひょっとしたら後手はそれまでにどこかで変化する必要があったのかもしれません。
このあたりはまた実戦で似たような局面になれば調べてみたいと思います。
香損でも意外と指せていたのが参考になった1局でした。