駒得なので手厚く指す

上図は、先後逆で先手角交換振り飛車からの進展で▲5四同歩と桂馬を取った局面。ソフトの評価値-306で後手有利。

駒割りは銀と桂馬の交換で後手が少し駒得して後手が指せているようです。

先手は角桂桂と飛び道具を持ち駒にしているのが後手にとっては少し嫌な形です。

このような局面で後手がどのような方針で指していくかという形です。

実戦は△5四銀▲7七飛△8八銀▲5七飛△9九銀成で、ソフトの評価値+33で互角。

この手順の△5四銀は中央に銀を活用して余裕があれば△4四歩~△4三銀などと考えていたのですが、▲7七飛とされて次に▲7五歩と突く筋が気になりました。

▲7七飛に△8八銀と慌て気味に打った手が悪くて、以下▲5七飛△9九銀成として後手が香車を補充しても銀が重たすぎるので互角になりました。

対局中は△8八銀は仕方ないかと思って打ったのですが、さすがに筋が悪かったようです。

△8八銀では△4二金右として以下▲7五歩なら△6五歩▲7五歩△4六角で、ソフトの評価値-446で後手有利。

この手順は△4二金右と離れ駒を金に寄せて堅くする手で、今度は▲7五歩としても△6五歩~△4六角と角を活用して後手が指せていたようです。

△5四銀はソフトの候補手に上がっていたのですが、ソフトは△1四歩を推奨していました。

△1四歩に▲1六歩なら△5四歩▲2六桂△4四歩で、ソフトの評価値-285で互角。

この手順は△1四歩と端歩を突く手ですが、対局中は少しぬるいのかと思っていました。

端歩を突くことで玉が広くなることは分かりますが、相手も▲1六歩と突くことで玉が広くなりどこかで1五の地点で争点ができそうです。

どちらが得をしているかは分かりませんが端歩は心の余裕とも言えるので、実戦の△8八銀よりははるかに価値が高かったです。

△5四歩は将来▲5五桂という手を消しているのでやや地味ですが、このように慌てない手というのも大事なようです。

▲2六桂は今すぐに効果が出る手ではなさそうですが後手にとっては嫌な手です。

後手は5段目に飛車が利いており▲2五桂のような手はないので、△4四歩と手厚く指していい勝負のようです。

後手は駒得をしていますので△1四歩~△5四歩~△4四歩と自陣に手を入れるがの興味深いです。

△1四歩に▲2六桂なら△2四歩▲7七飛△2五歩▲1四桂△同香▲1六歩△8四角▲6七飛△1七歩▲同香△7八銀で、ソフトの評価値-643で後手有利。

この手順は先手は1筋を突かずに▲2六桂と駒をためてきました。

後手は△2四歩としていつでも△2五歩を狙う形ですが、▲7七飛に△2五歩と催促にいきます。

▲1四桂~▲1六歩で先手は桂馬を渡すので銀損になりますが、▲1六歩は将来▲1五歩と端を逆襲する筋があるので後手も嫌な形です。

▲1六歩には△8四角が少し見えづらいです。

△8四角は8五の飛車が狭くなるので、横に使えて取られる形でないと分かってないと指せない手です。

再度先手は▲6七飛としましたが、△1七歩~△7八銀も指しにくいです。

△1七歩と先手の形を崩してから△7八銀で飛車取りなのは分かりますが、▲5七飛なら△6六角と角を活用するのが狙いのようです。

△6六角に▲4七飛なら△3五桂が厳しいです。

また飛車が逃げずに▲1五歩なら△1六歩▲同香△2四桂で、ソフトの評価値-1288で後手優勢。

この数手前の△1七歩は▲同香とさせることで、将来△1六歩▲同香△2四桂のような筋が生じるための味付けのようです。

これらの手順を見ると後手は慌てて指しておらずに先手の手に対応している感じで、駒得しているので手厚く指すのが大事だったようです。

駒得なので手厚く指すのが参考になった1局でした。