上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲2五歩と突いた局面。ソフトの評価値-168で互角。
先手の5筋位取り中飛車に対して後手が△7三銀からの超速にしました。
それに対して先手は▲6六銀から早い段階で▲4八銀としたので、後手は穴熊に切り替えました。
先手は▲4八銀~▲5七銀~▲5六銀と進むと後手は仕掛けにくいということで穴熊にしたのですが、ここら辺はまずまずだったようです。
ただし、その数手先に▲2五歩と突いたあたりから本局は全く冴えない形になったようです。
実戦は△8一飛▲4五歩△同歩▲同銀△4四歩▲5六銀△8二飛▲6八角△3三角で、ソフトの評価値+142で互角。

この手順の後手は何が冴えないかというと、ただの手待ちだけで仕掛けのことを考えていませんでした。
この△3三角と上がった局面は互角にはなってますが、先手が少しずついい形になっているので後手としてはさっぱりです。
穴熊に組んで完成したら自分から動く筋を考えてみるというのが抜けていました。
動く筋を考えて無理っぽいので自重したというのならまだ分かるのですが、何も考えていないというのが大きな反省点です。
△8一飛では△8六歩がありました。ソフトの評価値-146で互角。

この手順は△8六歩と動くならここから考えるべきでした。
△8六歩に▲同歩と▲同角に分かれます。
△8六歩に▲同歩△5四歩▲同歩△同金▲5五歩△6五金で、ソフトの評価値-278で互角。
この手順は先手は大人しく指した展開で、△6五金とぶつけた形は金駒の交換が確実に行われるので後手としては戦いの争点ができたことでまずまずです。
先手の▲3八玉型は2筋に空間があいており、振り飛車というより右玉感覚で見るとやはり先手玉は薄いので戦いが起きることは後手歓迎です。
△8六歩に▲同歩△5四歩▲5八飛△5五歩▲同銀左△6五桂▲同銀△同銀▲4四銀△同金▲同角△8六飛▲8八歩△5七歩で、ソフトの評価値-813で後手優勢。
この手順は△5四歩に▲5八飛と手待ちで2段目を受けた形ですが、後手は△5五歩~△6五桂として桂馬を5段目まで活用できる形になれば後手満足です。
後手の穴熊も決して堅い穴熊ではありませんが、△5七歩と叩いた局面は後手が指せているようです。
△8六歩に▲同角なら△5四歩▲同歩△同金▲5五歩△5三金▲2九飛△4三金寄で、ソフトの評価値-183で互角。
この手順は▲8六同角とする手で、先手は角が少し使いづらいのと後手の質駒になったので少し指しにくい意味があります。
ただし、将来△6五桂と跳ねる形になっても角取りにならないので、事前に受けていることも言えそうです。
▲8六同角にも後手は△5四歩と突きますが、歩を交換して▲5五歩に△5三金と引くのが興味深いです。
△5三金で△6五金もありそうですが、角がお互いに間接的に向かい合っているのと、角交換になって△4二同金という形になると後手の穴熊が弱体化するのでやや危険な意味がありそうです。
△5三金と引くと歩の交換だけになりますが、また△4三金寄と形を整えて1歩を持ち駒にしてチャンスをうかがうというのも悪くはないようです。
先手は角が使いづらく手が限られてそうでいい勝負のようです。
穴熊が完成すれば動く筋を考えるのが参考になった1局でした。