慌てて攻めずに力をためる


上図は、角換わりから後手棒銀の進展で△5二同金と歩を取った局面。ソフトの評価値+240で互角。

▲5二歩と叩いて手に△同金とした形です。

対局中は△5二同金とする手は全く考えていなかったので少し意外でした。

△5二同金には5三から叩く手があるので取らないと思っていたのですが、ここからの先手の攻め方は少し危険でした。

実戦は△5二同金以下▲5三香だったのですが、以下変化手順で△7七成香▲6四桂△4二玉▲5二香成△3一玉で、ソフトの評価値+82で互角。

この手順は▲5三香で田楽指しの香打ちですが、確実に金が取れる形になるのでこれで成功かと思っていました。

自分がイメージしていた理想的な手順は、▲5三香以下△同金▲同馬△5二歩▲6三桂△同歩▲6二金△4一玉▲5二金まで詰みという感じです。

もちろん実戦はこのように進みませんが、このような手順があれば先手がいいと思っていました。

ただし、▲5三香には変化手順で△7七成香と桂馬を補充する手が意外とうるさいようで、先手は▲6四桂と詰めろをかけますが△4二玉~△3一玉と逃げる展開です。

このような手順は先手がうまく攻めているようにも見えますが、後手が△2二玉と入城する形はかなり耐久性がありそうです。

△3一玉の局面から▲2四歩△2二玉▲4二金△2四歩で、ソフトの評価値+7で互角。

この手順は▲2四歩に△2二玉とする手で普通はない形ですが、▲2三歩成には△同金で意外と攻める方が大変です。

先手は2筋から歩を使って攻めたいところですが、後手の2筋の歩が切れると△2七歩などの反撃をされることがあるので決断が必要になります。

飛車を狙われるのは自玉に近い形なので反動がきついです。

先手がうまく指して後手玉を寄せ切れればいいのですが、攻めが中途半端になると後手の方が楽しみが多くなります。

▲5三香では▲5三歩がありました。

▲5三歩△4二金▲6五桂△4一玉▲7八銀で、ソフトの評価値+142で互角。

この手順は▲5三歩と歩で相手の金を攻める手で、△4二金に▲6五桂が少し見えづらいです。

桂馬を逃げた手が相手の玉の攻め駒になる形です。

ぱっと見で▲6五桂は少しぬるい手に見えても、遊んでいる盤上の駒を活用する手で本筋のように思います。

このような手は後から効果が出てきそうな手で、自分はこのような手がなかなか指せません。

後手の△4一玉で△7七成香もありそうですが、▲6四桂が詰めろになってこれは先手がよさそうです。

最初の局面図からの違いで5三の地点に香車を使うか歩を使うかですが、安い駒の歩で▲6四桂と打つのが理想的です。

よって後手は▲6五桂△4一玉と早逃げをしたのですが、そこで▲7八銀と香車を補充するのが意外と大きい手です。

相手玉の近くで戦いを起こすにはまだ戦力が足らないので▲7八銀で香車を手に入れると同時に自玉を安全にするという感覚です。

▲7八銀以下△5六歩▲4六銀△5七金▲3九玉△4七金▲5九香△4六金▲5五馬で、ソフトの評価値+603で先手有利。

この手順はうまくいきすぎなところはありますが、△5六歩は先手にとってかなり嫌な手です。

4八の玉がいなくなると△4九龍で金が取られます。

▲4六銀と逃げた手に△5七金と張り付いて▲3九玉に△4七金とした形はかなり先手も危険に見えます。

ただし、▲5九香と受けて△4六金で銀がただで取られますが▲5五馬の受けがありました。

▲5五馬は▲4六馬と▲9九馬の両取りが狙いなので、これで危ないようでも先手が指せているようです。

このような先手の受け方はややサーカス的要素があるので自分には簡単に指せませんが、このような指し方になるのであれば最初の局面図からの指し手は難易度が高いと言えそうです。

慌てて攻めずに力をためるのが参考になった1局でした。