遊んでいる香車を捨てて活用する


上図は、角換わりからの進展で△1九飛と打った局面。ソフトの評価値+277で互角。

この瞬間は飛車と角香の交換の2枚替えで先手が少し駒得をしているようです。

ただし、後手から△1五飛成や△8九飛成の筋がいつでもあるので先手も指し方が難しいです。

対局中はぼろっと△1五飛成とされるのはまずいと思って、その間に何か攻めの手を繋げた方がいいと思いました。

実戦は△1九飛以下▲3四香△4二金▲3三歩△7七歩成▲同玉△3三銀▲同香成△同金▲3九歩△7五香▲6八玉で、ソフトの評価値-486で後手有利。

この手順は▲3四香と持ち駒の香車を使って攻める手ですが、香車を渡すと△7五香の筋があってうるさいのは分かっていました。

ただし、その前に▲3九歩と飛車の利きを止めるので一応まだ自玉はそこまで危険ではないと思っていました。

しかし評価値を見ると後手の方が有利になったようで、このあたりの先手の駒の運びはまずかったようです。

何が原因で先手が悪くなったかと言うと、攻めに使った香車が逆に相手の攻め駒になっているようで、先手は歩切れなので後手の香車の利きを止めるのが難しいです。

また1五の香車が残ったままなのでいつでも△1五飛成と香車を補充する手も残っています。

先手もどこかで▲6五歩と玉頭戦にもっていきたいのですが、▲6八玉のときに△5六歩と角道を止める手があり角の働きが半減します。

そのような意味で後手の方が楽しみが増えたような感じで、先手は急ぎすぎたようです。

▲3四香では▲1二香成がありました。ソフトの評価値+195で互角。

この手は香車を捨てる手ですが、△同飛成なら先手の玉が安全になります。

△1二同飛成には▲6五歩があります。

▲6五歩に△同銀なら▲7四歩で、ソフトの評価値+973で先手優勢。

▲6五歩に△同桂なら▲6六桂で、ソフトの評価値+547で先手有利。

▲6五歩には△1九龍▲3九歩△1八龍▲6四歩△6五香▲7九玉△6六歩▲6九香で、ソフトの評価値+524で先手有利。

この手順の後手の指し方は難易度が高く、6五の桂は取らせて△6五香と歩の裏側に香車を打つ形です。

部分的には先手も受けにくい形ですが、▲7九玉~▲6九香と打ってまだ耐えているようです。

ソフトは▲1二香成には△8一飛を推奨していますが、取られそうな香車が銀と交換する形なので後手も選択しにくい面はあります。

先手としては1筋の香車を活用する意味で▲1二香成として後手の指し手に委ねるというのがよかったようです。

取っても逃げても後手としては少し味が悪いという展開です。

遊んでいる香車を捨てて活用するのが参考になった1局でした。