斜めの駒を渡さないように寄せる


上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△4二同歩と成銀を取った局面。ソフトの評価値+2834で先手勝勢。

この局面は先手玉に△3八飛成~△4九角の詰めろになっています。

後手玉は4八に飛車がいるのでまだ詰めろになっていないようです。

そのような意味で対局中は逆転したかと思っていましたが、ここで先手の手番なので正しく指せば先手の勝ちだったようです。

ここからの指し手はかなり難しかったようです。

実戦は▲3二金△同玉▲4三銀だったのですが、▲4三銀で▲4三金ならソフトの評価値+5049で先手勝勢。

この手順は▲3二金と捨てる手で、後手玉を4三の地点に近づけてから▲4三金と打ち込む手です。

金を2枚使うので後手の持ち駒が増えますが、それを見越しての攻めになります。

▲4三銀と▲4三金は同じような狙いですが、これが先手玉との兼ね合いがあったようで、▲4三金が正着だったようです。

金は止めに使えという格言とは違いますので▲4三金は打ちにくい意味があります。

▲4三金以下△同銀▲同歩成△同飛成▲4四歩△3九銀▲1七玉で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は4三の地点で清算するのですが、△4三同飛成とさせることで先手玉の詰めろが消えます。

△4三同飛成に▲4四歩と安い駒で詰めろをかけるのがうまい手で、これで後手玉の受けがなくなります。

後手は△3九銀と王手をします。

△3九銀に▲同玉なら△4八金がありますが、▲1七玉と逃げるのがぴったりでした。

後手は持ち駒に金が3枚あるのですが、斜めの駒がないので2八から打ち込むことができません。

また後手は桂馬をもっていても桂馬を打って王手になる筋がないので後手は指しようがありません。

後手の持ち駒に銀があれば▲1七玉以下△2八銀打▲2七玉△1七金▲同香△3七銀成▲同桂△2八金まで詰みという寄せがありました。

このような展開はよくある将棋の本の次の1手みたいな問題に出そうですが、実際の対局でこのような形になるのは結構めずらしいです。

昔だったら局後の検討などもせずに次の将棋という感じだったのですが、ソフトで検討するとこのようなことが確認できるのでためになることが多いです。

最終盤は時間がないことがほとんどでかつ、自玉だけでなく相手玉も見ることが多く最後の悪手を指した方が負けるという局面になりやすいです。

最終盤の精度を少しでも上げれば負け将棋でもひょっとしたら逆転できるかもしれないので、このあたりも手が見えるようになりたいです。

斜めの駒を渡さないように寄せるのが参考になった1局でした。