上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲5二成桂と金を取った局面。ソフトの評価値-347で後手有利。
このような局面で難しいのは△7五馬とするか△5二同飛とするかです。
△5二同飛とするとこの瞬間の駒割りは金と桂香の交換になり、これはやや後手が駒損といった感じです。
金という駒は価値が高く、これが銀と桂香の交換ならそこまで違和感はないのですが、金になるとちょっと違うかなという感じです。
また△7五馬と飛車を取る手もありそうで、この場合は▲4一銀の攻めがうるさいです。
△7五馬▲4一銀の形は後手玉は金銀と遠くからの馬の守りの3枚である程度は耐えられそうですが、先手玉が全く見えない形なので食いつかれる攻めをされそうです。
△5二同飛としても△7五馬としてもあまり自信がなかったのですが、実戦は△5二同飛としました。
実戦は△同飛▲7六飛に変化手順で△5六歩で、ソフトの評価値-399で後手有利。

この手順は△5二同飛として▲7六飛と逃げた手に△5六歩と打つ手です。
後手は△5二同飛とすることで金を渡しましたが、何とか踏みとどまった感じです。
▲7六飛と逃げた手に△5六歩が筋のいい手で、この手は見えていませんでした。
△5六歩は△3六桂と△5七歩成の狙いです。
先手は両方を受けるのは難しそうですが、とりあえず△3六桂を優先して受けたいです。
△5六歩以下▲4六銀△同馬▲同歩△5七歩成で、ソフトの評価値-355で後手有利。
△5七歩成に▲同金なら△同飛成▲7五角△6七龍▲6六飛△7八龍で、ソフトの評価値-683で後手有利。
この展開なら後手の龍が働きそうなので後手がいいです。
△5七歩成に▲5三歩なら△5八と▲5二歩成△4九と▲同銀で、ソフトの評価値-392で後手有利。
この展開は▲5三歩に△同飛なら▲7五角の狙いですが、△5八とからの一直線な展開で後手有利のようですが微差です。
先手は▲4六銀~▲5三歩の受けが意外としぶといようです。
△5二同飛では△7五馬もありました。
△7五馬▲4一銀△3一金▲3二金△同金▲同銀成△同玉▲4一角△2二玉▲3二金で、ソフトの評価値-191で互角。

この手順は後手はぎりぎりの受け方のようで、これを実戦で選択するのはかなりの決断がいりそうです。
後手玉だけが終盤戦という形で、先手の攻めも数が少ないのでぎりぎりですが、後手は守り駒が少ないので受け損なったら終わりという感じです。
これしかないという展開ならこのような手順の選択もありそうですが、短い時間の将棋ならまず選べないという感じです。
ただし、評価値を見るとこれでもいい勝負なので、これくらいは受けて勝負するという気持ちがないといけないのかもしれません。
どうしても自玉の守りが薄くて相手玉が堅いとまずいという感覚になるのですが、相手の攻めも見極めるというのが大事なようです。
中盤の難所での指し方が参考になった1局でした。