上図は、▲4五角と王手をした手に3四の玉が△3五玉とした局面。ソフトの評価値-182で互角。
この局面の大事な駒は4五の角で、この駒がいることで3五の玉が隠れている形です。
次に△4五歩と角を取られると勝負所がなくなりますので次の先手の手は大事ですが、いい手が浮かびませんでした。
実戦は△3五玉以下▲2三角成△2六玉で、ソフトの評価値-2512で後手勝勢。

この▲2三角成は1手で互角から先手敗勢になったので相当悪い手だったようです。
部分的には馬を作っての開き王手なので普通の手ですが、△2六玉とした形はなかなかつかまりません。
△2六玉の局面は次に△2三金で馬が取られますので▲5六馬と引きましたが、△7七銀ならソフトの評価値-50000で後手勝勢。
△7七銀は捨て駒の銀ですが、▲同桂なら△8七角成▲同玉△7八銀▲9七玉△8七金▲同銀△8八銀▲同玉△8九銀成▲9七玉△8八龍まで詰みです。
この手順は△7七銀と捨てて▲同桂とさせることで7七の地点を封鎖する意味のようです。
以下△8七角成~△7八銀としたときに▲7七玉とすることができません。
そのような意味でぴったりの銀の捨て駒だったようです。
この△7七銀で△8七角成▲同玉△7八銀も有力ですが、以下▲9七玉△8七金▲銀銀△8八銀▲同玉△8九銀成▲7七玉で、ソフトの評価値+4648で先手勝勢。
この手順は△7七銀と捨てずに単に△8七角成~△7八銀で同じように攻めても数手後に▲7七玉が生じます。
▲5六馬の局面は後手勝勢といっても△7七銀は難易度の高い手なので、やはり終盤は難しいです。
なお最初の局面図で▲2三角成では▲3八桂がありました。ソフトの評価値-107で互角。

この手の▲3八桂ですがただで捨てる桂馬なので浮かびづらいです。
▲3八桂は次に▲2六金の詰めろになっています。
また▲3八桂の瞬間は先手玉に即詰みはありません。
ぱっと見で▲3八桂に△8七角成▲同玉△7八銀なら▲同角が開き王手になり、以下△4五銀▲2六銀で後手玉が詰んでしまいます。
この手順の▲7八同角が開き王手になるのがポイントで、先手の4五の角はぎりぎりまで動かさない方がよかったようです。
▲3八桂に△3七銀と詰めろを受けても▲2三角成△4五銀▲同馬△同歩▲同龍まで詰みです。
よって後手は▲3八桂には△同龍とするしかなさそうです。
△3八同龍▲5六角△4五桂▲3八角で、ソフトの評価値-34で互角。
この手順は△3八同龍には▲5六角が開き王手でかつ龍取りになります。
3八に龍をおびき寄せることで▲5六角が王手龍取りになるという意味です。
このような手は滅多に見ないですが、先手と後手の駒の配置がぴったりとはまる形だったので▲3八桂が成立しているようです。
▲5六角には△4五桂として以下▲3八角と取ってもまだ互角ですが、本局のように先手敗勢になるよりはるかにいい展開です。
実戦の▲2三角成のような悪手は指さないようにしたいのですが、これがなかなか簡単ではないです。
特に終盤になると手の精度によって形勢が大きく揺れるので、このあたりも強くしたいです。
開き王手の前に一工夫するのが参考になった1局でした。